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本気でクソデッキ調整録〜身代わりマント〜

好きなカードはありますか?
私はある。
(MTGアリーナのBO3スタンにて、電波デッキのためにWCを捧げるのが趣味の)筆者は、マナをごまかすカードが好きだ。

アーティファクト踏み倒し姐さん

拙著の処作でも取り組んだ《ジョイラ》のタップ能力を4回使えると《地ならし屋》が出てくる。というコンセプトは、爽快感と破壊力を備え健康に良かった。

ところで『Thunder』って、カタカナ英語読みすると『ツンデレ』に読めませんか?
筆者は厨二病の頃からそう思っていた。勝手に過去形にしたが、現在も厨二病は寛解していない。

アウトローズ オブ
ツンデレジャンクション

『アウトローズ オブ ツンデレジャンクション!!』
素晴らしいタイトルだ。
仮に週間少年ジャンプで連載されるマンガのタイトルだとすると、10週打ち切りの未来が容易に想像できる。
「昔の女が今でも自分のこと考えているなんて大間違いよ」とか言うヒロインが出てくるだろうか。それとも「タラワだろうがアラモだろうが守ってやる自信はある! でもな、くたばりたくてたまらねえ奴はどんなにしたって守りようがねえんだよ、このアンポンタン!」とか言ってくれるヒロインだろうか。
なお、カウボーイビバップのヒロインはどんな名言を言っていたか検索したところ、ヒロインの名前は『フェイ』だった。
え⁉筆者の性癖の一部を形づくった崇高なるセックスシンボル、フェイって名前だっけ⁉享楽的で妖しい魅力の…はい、完全に女性版《オーコ》です。

露出度もほぼ一緒

コラボレーションってそういうこと⁉

今回の主役《ジョイラ》もストーリー上で、なかなかのツンデレっぷりを発揮している。《ジョダー》と元カノだった過去を公表し《テフェリー》にほんのりジェラシーを抱かせたり。ファイレクシア侵攻で《ジョダー》と二人で追い込まれた際にはほんのりデレをしたり。見事なツンデレムーブ。
今回の研究録は、そんなツンデレの虜になった記録である。

起.ビッグスコア

『ビッグスコア』
プレビュー時、徐々に明らかになるテーマに筆者は戦慄した。
「スタンにこれ以上アーティファクトセットを投入して大丈夫なのか⁉」
エンチャントデッキと比較すれば、現スタンではアーティファクトデッキの活躍期間は短い。赤青アーティファクトランプや青白アーティファクトがたまに姿を見せる程度だ。

存在感の差よ

しかし『神河:輝ける世界』を皮切りに『兄弟戦争』。続くファイレクシアンセット。『イクサラン:失われし洞窟』『カルロフ邸殺人事件』。スタンリーガルのエキスパンションにはすべてアーティファクトテーマが内包されているのでは?と誤認する勢いでカードが供給されてきた。

新カードが加わるたび、《ジョイラ》で遊んでいた

そして『ビッグスコア』にて、遂に求めていたカードと出会った。

ETB!!ETBじゃないか!!

アーティファクトを戦場に投下し続ける、というコンセプトの《ジョイラ》にとって最高のカードを手にした。

《ジョイラ》にとって最高の全体除去…?

「これを唱えていた場合」
唱えていた‥唱えていた!?なんだその無駄な一文は!!こっちは踏み倒したいんだよ。ツンが過ぎる。もう少しデレてください。
比較してETB能力のデレっぷりよ。幸い、すでに組み合わせるカードの目星はついている。

ETBを誘発し、自力で手札に戻る

手札と場でくるくるするのに課題はマナだが、サポートは豊富。

マナを助けるカードたち

《ジョイラ》による踏み倒し。《熱心なメカ乗り》によるメダリオン効果。《テゼレット》の能力軽減。これらでマントが翻るのをサポートする。
このガチャガチャ感だけでクソデッキ的には満足。だが『ビッグスコア』には、さらなる結節点が眠っていた。

宝物庫はクソカードの宝物庫

《ジョイラ》の能汁分泌量を最大化するのは、重量級アーティファクト。

ゲームの破壊者

《適合の結節点》で《ファイレクシアへの門》が開く動きは、まさに脳汁。《ジョイラ》がいないと重量級アーティファクトが手札で溢れて死にたくなるという構造上の歪みを結節してくれた。しかもコピーであるトークンはマナ総量も保持。《身代わり合成機》との噛み合わせもばっちりだ。これは、地獄の門が開いたか…?

《熱心なメカ乗り》と重量級アーティファクト、くっつきが悪すぎるだろ!!

あと土地3枚

吐き気を催すような初手に見舞われる。
確かに、理想的な展開が叶う時もあり、その際は楽しさのゲージは振り切れる。しかし、ゲージの下振れもヤバく、メーターの乱高下ぶりがヤバい(語彙)
「なぜオレはあんな無駄な時間を…」
一応得るものもあった。

クソカードとクソカードのコラボ

《光素の泉》はクリーチャー化すると、自身をアンタップ対象に能力を使える。白マナ分のトークンを生成できるコンボがあり《適合の結節点》と適合した。ジョイラの泉以外で存在価値が無いクソが、一応の採用理由を得た。
『ジョイラの泉』…筆者にやましい気持ちは一切無い。念の為。

承.墓地活用

《熱心なメカ乗り》が重量級アーティファクトと相性が悪い。知見を得たならば、それを反映すれば良い。重量級アーティファクトと相性が良いコンセプトは何か?

正解はリアニメイト

墓地活用・アーティファクトをコンセプトとするならば『ビッグスコア』から最高の宝物を手にしている。

土地枠で墓地肥やしとサーチしていいの⁉

必要なカード・捨てたいカードがはっきりしているリアニメイトというコンセプトにおいて、土地枠でそのブラッシュアップを図れるとは。『ビッグスコアは本当にすごいんだ!!』

ルーター枠

《熱心なメカ乗り》に代わる2マナ域を《蒐集家の保管庫》で埋められるのも好材料。基本的には《鏡割りの寓話》を足さないで2で割った程度のカードパワーなのだが《テゼレット》と噛んだ時だけはっちゃける。タダでルーティングして宝物を出す動きは、2度見間違いなし。
コンセプトの強度ははっきりしており、脇を固めるカードも美しいシナジーを持つ。これは最強デッキきたか⁉

コンセプトが交通渋滞を起こしている…
ジョイラ・アーティファクト・身代わりマント・墓地活用。やることが、やることが多い。
それぞれ相互作用のあるコンセプトなので悪くないのだが、どうしても噛み合わないカードが出てくる。《ジョイラ》の露払いとしては最上の《スクレルヴ》は、他のコンセプトとは一切関係ない。結果的に枚数が減り、1t目《スクレルヴ》→2t目《ジョイラ》の再現性が薄れた。《フォモーリの宝物庫》から色マナが出ないのも、いまひとつ噛み合いが悪い。

ベストムーブなんだが…

他、身代わりマントの後にリアニメイトするのは素晴らしいが、逆順になると途端に意味が薄くなる。「オレはアイツが好きだけど、アイツは別にオレの事が好きじゃない」状態である。
実は、アーティファクト+リアニメイトのコンセプトには未来を感じた。尖鋭化させればある程度のクソデッキが生まれそうではある。
しかし、筆者はジョイラが使いたいのだ。
コンセプトは尖鋭化すべし。また新たな学びを得て、研究の道は続く。

転.別軸のマナソース

どのクソデッキを考える時でも、筆者が重視しているのは2マナ域だ。

多種多様なクソデッキを支えてくれた2マナ域たち

アーティファクトを連打するコンセプトにおいて、ジョイラに次ぐ2マナ域は何だろうか。

シンプルにいこうじゃないか

何やらインクの染みがごちゃごちゃ書いてあるが、シンプルなマナアーティファクトである。ちなみに、下の能力はマジで1回も使った事がないので、真にインクの無駄遣いだ。トークンのマナ総量はだいたいゼロ。
身代わりマントにおいてはマナアーティファクトはいつでもありがたい。コンセプトは尖鋭化された。さて、出来てしまったようだな。最強デッキが…

青白アーティファクトでいいだろ!!
コンセプトを尖鋭化させる。という発想で調整したはずが、青白アーティファクトという既に尖ったコンセプトにジョイラという不純物を混ぜ込んだクソになってしまった。
なんというか、こう、爽快感に欠けるのだ。攻めたいのか守りたいのかよく分からない戦術。どデカいトークンを並べて攻めたい割には、トークンを出すまでが遅く相手のライフは減らない。守勢にまわるにしては、除去が皆無で《コウモリ》と《ラフィーン》が一生止まらない。

飛行?ブロックできないって事ですか?(無知)

なにやら今ひとつな手応えだったが、ちゃんと学びは入れてあるのであるので安心してください。入ってますよ。『身代わりマント』のベストパートナーは《千の月の鍛冶場》だ。

横に並べてデカくする

誰もが分かる常識を、何を今さらエラそうに。と思うかもしれない。筆者は書きながら思った。「常識くらい学んでからクソデッキを組み始めろよ」と。
‥それ正論?
俺、正論嫌いなんだよね。

結.クソオブクソカード

  • コンセプトは尖鋭化させる

  • 攻めるならブン回りを追求する

  • 『身代わりマント』のベストパートナーは《千の月の鍛冶場》

  • 《スクレルヴ》《ジョイラ》と組み合わせるなら《熱心なメカ乗り》が爽快感抜群

  • 重量級アーティファクトはくっつきが悪い

  • 《光素の泉》は《適合の結節点》《テゼレット》と組み合わせるなら役割が持てる

あらかた要素は理解できた。ブン回りパーツを探せばいいのだ。重量級は不要なので、それに替わるドブンを。
アーティファクトでマナ総量は3以上、かつマナに関わるもの。理想を言えば、軽くプレイができるもの…
そして出会ったのだ。クソオブクソカードと。

ドラフト14手目の常連

マナ総量は3で《身代わり合成機》を誘発させる。《熱心なメカ乗り》の恩恵を受けるアーティファクト。当然《ジョイラ》から踏み倒しも可。《身代わり合成機》《千の月の鍛冶場》から生成したトークンを、即座に召集マナに充てられる。
すべてはドブンの為に。クソオブクソカードこそ、このデッキが求めていた最後のパーツだった。
さて、最強デッキの時間だ…

3マナ3/2バニラは弱すぎるだろ!!
3t目に劇的に展開して、続く相手の3ターン。《一時的封鎖》にウソのようにボロ負けした――

時代が悪い

『団結のドミナリア』期から存在するが、ミッドレンジ環境が続き対処範囲の狭さから日の当たることは無かった。しかし、白赤召集(と赤単アグロ)の隆盛により、生半可な速度の対抗策では間に合わなくなった。《魂の洞窟》が存在するカードプールで、青白コントロールが一定のシェアを占めるのも予想外。まさか《一時的封鎖》がメインから一定枚数積まれる世界になるとは。
《太陽降下》ならば、その前に殴り切ってるのに…すっからかんになった盤面に佇むカエル。侘しい。

ガンとなるカードは存在するが、ちゃんと脳汁ムーブは楽しい。
1t目:《スクレルヴ》
2t目:《ジョイラ》
3t目:《熱心なメカ乗り》→《身代わり合成機》→《光素跳び》→《光素跳び》
までは実現した事がある。7/7が2体だった。
3t目に7/7が2体!!?
一応まだ手札はあるので、理論上はさらに上がある。ただのオーバーキルだが、いつか実現したいものだ。

今回の研究録はこれで終了だ。
最後に余談を。
筆者は、3年ローテーションの終着点は多色ミッドレンジに収束すると予想していた。土地基盤が強い過去のスタンはそうなりがちだった。しかもシナジーカードの絶対数は足りず、トップメタにはクソデッキでは太刀打ちできなかった。
しかし今はどうだ。もちろん多色ミッドレンジは存在するが、白赤召集あり、赤単アグロあり、青白コントロール、青黒コントロール、版図ランプ、ティムール土地コンボ、4色スライムローム、etc.etc..
高速アグロもコントロールもコンボも。なんでもありの魔境である。フェアなミッドレンジが環境を制する、などという予想は良い意味で裏切られた。《一時的封鎖》がメインの話もそうだが、まるで下環境のようだ。

この駄文をお読み頂いた貴方も、ぜひスタンを楽しんでください。貴方の好きなデッキタイプも、きっと存在する。
そして叶うなら、その時は貴方だけのクソカードとともに。

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