身体感覚的世界観

やっと、唇についての記事を書き上げました。
いや、本当はその後にも変化が続きまして、もっと詳しくもかけるのですが、キリがありません(笑)。
一つのテーマに絞って書き上げてみて、思うことがありました。

今度は「全体」を伝えよう、ということです。

全体とは、私が見ている世界です。世界観と言っていいかもしれません。
ずっと自分は「凡人」なのだ、と思って過ごしていますが、最近、ちょっとこの考えはおかしいのではないか、と思うようになりました(笑)。

身体を通して、普通とは違う考え方を手に入れてきました。
新しい身体が見つかり、なじみ、それが当たり前になり、だんだんと世の中に対しての見方が変わってきました。

ついつい、自分が見ている世界が当たり前、と思ってしまい、稽古でそのままを伝えてしまいますが、大前提が違うのです、当然、迷わせてしまいます。
そんな事がどうも増えてきた、それが世界観についてを書きたくなってきた理由です。

時間的世界観

前回の記事で五感的な世界観を大雑把に紹介しました。
その中の嗅覚の世界につながるかもしれませんが、時間をどう捉えているのかを書きます。

時間は過去と未来へとつながるもの。
その間に今、という世界があります。まぁ、並行宇宙的に違う可能性、というのもありそうですし、それはそれで考えない事もないですが、なじみ深く、疑いの出ないものを考える時、一本の道として、時間を考えています。

未来に行く時には進み、過去へは戻る。
未来から次々に現実がやってくる、という見方もありますが、まぁ、自発的な動きが強いので、未来へは前へと進む感じが強いです。

さて、その未来をどれだけ進めるか、これが時間を扱う力です。
1年後、10年後、100年、10000年、10000年、想像を駆使すれば、どこまでの未来も作る事ができます。
ただ、そこにリアリティがあるかどうか、身体感覚に時間を響かせるとすると、それが問われます。

そして過去も同じ。
1年前、10年前、100年前、1000年前。自分が生まれる前の世界も想像する事は可能です。

実は私は思い出を持つのも、夢を作るのも苦手でした。
苦手だったからこそ、時間について、これだ!と思えたのかもしれません。
未来を考える時、脳は未来を想像します。
過去を思い出す時にも、その都度、過去を想像します。
この時、未来は広く、過去は小さい、その感覚を持てた時、自分の未来と過去に身体感覚が残るようになりました。

身体感覚はなくならないもの

想像とイメージ、ずっと私はそれを苦手にしてきました。
イメージする力の効用はよく知られています。
多くの指導者がイメージの力を使います。しかし、私は何かを想像しようとしても、そうじゃない想像がすぐに出てきてうまくいきませんでした。

身体感覚に救われたのは、身体感覚がイメージの力を助けてくれたからです。
例えばぐるぐると回転するイメージで、と言われた時、実際に回転が得意な身体にそれを任せれば、イメージはなくなりません。
例えば肩は滑らかに回転を作り出す力を持っています。これは構造的にです。
しかし、肘や手首は違います。それぞれに働きが違っているのです。

身体感覚に従って動く事で、自分の中のイメージを保持する事ができるようになってきたのです。

時間に関しても、なくならないものを手掛かりしてみたならイマジネーションの助けになるはずです。

未来はバラ色か?

時間は見えません。そして、止まりません。
時計はあり、カレンダーを使えば、何月何日、何をする、という予定を作る事ができます。

未来を夢のままで終わらせるか、予定にしてしまうか、願望実現的なメソッドではよくこんな事が言われています。
ただ、予定でも、夢でもいいんです。それによって、自分の身体が変わっているのか、それが大切な事です。

高度成長期の頃は未来は明るく、バラ色だったそうです。
それまでになかったものが手に入り、生活は豊か。心配がないからこそ、どんどんと活動は活発になり、バブルを生みだしました。
今はそのバラ色感、ありませんよね。
むしろ灰色、人によってはお先真っ暗な人もいるかもしれません。

この心落ち込みやすい時代に、未来を予定する、とするには一体どれだけの力がいる事やら。私には無理でした。

そこで活用したのが「未来は広く、過去は小さい」という方法です。
これは間違いのない事、と言われています。
とはいえ、本当にそうなの?と思うかもしれません。
私の考えはこうです。
私の未来はその瞬間の私自身だけではなく、その時の「宇宙」も含めての世界を考えました。

いま私たちが観測ができる宇宙は「膨張」しているのは知っていますか?
そしてその膨張速度は秒速30万キロと言われる光の速さも超えるスピードなんだとか。
ビッグバンと呼ばれる小さな一点から始まったこの宇宙はずっと膨張を続けて、この先もまぁ、続いていくとの事です。

これらは「観測」によって得られたもの。
科学的に教育された私の頭はこれだけのデータを突き付けられると、そうなんだな、と疑う事ができなくなります(笑)。
疑えないからこそ、信じるしかない。
いくら釈迦がこの世は空、幻想だ、といったとしても、生身に感じるものはなかなか消えません。

ある意味観測によって知ってしまった事実は身体的です。失われる事のないレベルのものとなります。

というわけで、
常に未来は広く大きく、過去は小さく狭い、という観念を持つ事ができました。

身体感覚と組み合わせる

未来へと意識を飛ばす時、ただ、まっすぐ前へと行くだけではなく、枠としての宇宙も考え、それを広げていく。
すると、身体に変化が生まれます。
逆に過去へと戻る時、ただ思い出に浸るのではなく、枠としての宇宙を縮めていく。すると、身体はぎゅっと窮屈になっていきます。変化があるのです。

骨や筋肉は内側にあるもの。当然、それらは使えます。
ただ、外の枠、世界も自分で扱えるものになるんだ、とこれでわかりました。
誰かの声援、応援のように、身体を動かす力として時間も使える、これは大きな発見でした。

五感を通して順番にこの世界を認識していく。
これにより、反射で動かされる生き方からは離れる事ができます。
そして、時間を意識する事でさらに、想像に自由が生まれます。

世の中にはたくさんの権力者が生まれる時代になりました。
ついつい、喧嘩をしないいい人になってしまうと、声の大きな人の言いなりになって人生が終わってしまいます。
でも、そんなのは嫌です。

自分の持つ力。
権力やお金、人気を求めるのもいいですが、それらは誰もが求める事。
競争に打ち勝たないと幸せにはなりません。
私は身体感覚という珍しいものと出会いました。
最初、ちょっと緊張が取れる、そんな程度のものでしたが、いつの間にか身体感覚は世界観や死生観を作り上げるものだとわかってきました。
本当に、とんでもないものと出会ってしまっていたようです。

少しでも、この世界について伝わればなぁ、という思いでこのノートも書いています。また、しばらく、世界観について、おつきあいください。

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12/24(土) 浜松稽古納め 10:00-17:00
12/27(火) 豊田中日文化センター
12/29(木)-30(金) 名古屋徹夜稽古
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12月大垣稽古はお休みです。
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