呼吸は簡単! その1

誰しもが「呼吸」を持っている。ただ、それを自覚する事は少ない。
自然な呼吸をしょう、とした瞬間、それは自然ではなくなり、なかなか難しい。
難しいからこそ、学びたくなるのはわかるが、学んでしまうとそれはまた、誰かのアイデアになり、自然から離れていく。

呼吸は難しい。

しかし、難しくても生きている間、止まる事はない。

だからこそ、呼吸は簡単、というところから見直してみたい。

今年になって初めてのnote。
気づきがなかったわけではない。むしろ、気づきが多くて、技への展開が早すぎて言葉が追いつかなかった。
Twitterは140文字。140文字程度を重ねていくのは模索期にはちょうどいいので、そちらでは後先考えず、気づいた事、思った事、感じた事をそのまま書き散らかした。
少し余裕が出てきたので、noteの方にまとめていきたいと思う。

「呼吸は簡単」

これが今回伝えたい事だ。

しかし、流儀を立て、組織を持って、そこに伝統が生まれ、先輩ができると、なかなか簡単とは言えなくなる。
それまで持っていた呼吸を否定され、流儀の呼吸を学びだす。
これが有効であるうちにはいいのだが、どんな技にも「限界」がある。その限界を探らず、身内だけで技を残しだせば劣化が始まる。イザという時に使えない。

呼吸が止まっては大変だ。
だからこそ、大切にしたいのだが、手掛かりがなかった。呼吸法のいくつかは知ってはいるが、その呼吸は抑えられたりするような物理的な状況では使えなかった。

私が追い求めていたのは、身体が平和な状態ではなく、襲われ、過度に緊張が生まれる状態でどう動きを作っていくのか、という事。
心落ち着いた状態でなら整えられる呼吸も、襲われ、緊張が身体に生れてしまえば、自然な呼吸はなくなり、コントロールが出来なくなる。
呼吸が落ち着いてくれればいいのだが、そんな願望は持っても無駄だった。そんな理由で呼吸を検討する事なく、これまで過ごしてきた。

今年の初め、まさに、正月、その呼吸について気づくところがあった。
それは呼吸がそのまま手足を動かす、エネルギー源になる、という気づき。
観念的に働くのではなく、物理的なエネルギー源になるとわかった。

それがわかれば、先に挙げた襲われた状態の際にも役に立つ。襲われ、肉体的に緊張してしまった時、その緊張を解かねばいけない。その緊張を解くために「呼吸」が使えるとわかった。

動きと呼吸がまさにつながる、とわかったのだ。
気づいてみれば、これまでの私は筋肉に頼り、皮膚の形に頼り、骨格のバランスに頼っていた。筋肉だけではなく、バランスをコントロールする事で重力も活かし始めていたので、単純な動きに比べれば気配のない動きにもなっていた。
しかし、まだまだ底が浅かった、と気づいてしまった。

誰に言われるわけでもなく、自分の中で生まれたこれまでの自分の否定は強い。気づいた瞬間、新しい世界を探りたくなる。
およそ1か月。研究は進み、呼吸について確信を持って一言が言えるようになってきた。

そして伝えたいのは「呼吸は簡単」という事。練習など必要ない、身体そのもの働きを見ていけば、まずここは抑えていかねばならない、という部分。そして、息のし始めから指先へと一通り伝わり身体が呼吸で満たされれば、もうその時点で相当な安心が生まれている、とわかる。

この安心をスタート地点として持っている技や武器を使えばどれだけの成果が生まれるだろうか。
逆に、安心を持たず、怖れや心配を土台にして、武器や技、仲間に頼るから、大きな成果を得ても幸せになれない。

とりあえず今日はとっかかり。
また、次回から具体的動きとして呼吸について語りたい。

【稽古案内】
・2/21(日)、甲野善紀先生の浜松講習会を開催します。
・3/7(日)、「つくば稽古」を開催します。
定期稽古(大垣・名古屋・浜松・熱田)を開催しています。
ヒーリング稽古(瀬戸・浜松)も始まります。
「新会場」名古屋、東山公園近くで定期稽古を開催する事になりました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?