魂を実感するために その5 恐怖の正体

めまいを起こし、しっかりと踏ん張る事への疑問が生まれました。
この先、いつ何時、立っていられない時があるかもしれません。そもそも、襲われ、心怯えた時は、身体に力が入らない時です。
心を育てる、と決めればその状況をたくさん体験し、心折れないように訓練するのもありかもしれません。ただ、強くなりたい、と思う気持ちは「普通」です(笑)。

普通じゃない事をこの身体は教えてくれます。
たった一つでも、「普通じゃない事」を経験する事で何か壁にぶつかった時、明るくなれます。

今の時代、問題にぶつかったならば、親切にどうすればいいのか、助けてくれる人がたくさんいます。しかし、その多くは「普通」。どこかで救われればいいですが、歳を重ねていくたびに問題は個性的になり誰も答えを知らない、という事になっていきます。

そんな時、普通とは違う方法を思いつける力があればどれだけ救われるでしょうか。

めまいを経験し、踏ん張れなくなったことで、フラフラな状態を基準にする稽古が生まれました。まぁ、自然とですが(笑)。
激しい事をしない私の稽古ですが、頭の中ではいつも、死にそうな状況を考えています(笑)。
記憶もあいまいですが、刀を前にしてどうすればいいのか、と考えていた時です。どうにかしよう、と動く前段階で、身体が自然と反射的に固まっている事をなんとかしたい、と思ったのです。

どう動くはよく考える事。握られた手を何とかする、というのは動きの力が相手を崩します。多少身体が固まっても、動く部分をみつけ、それに頼ればなんとかなります。

しかし、遠くから飛んでくる武器では何ともなりません。
触れた瞬間をダメ、と考えれば、相手と向き合った時にこちらの気持ちに余裕が欲しいです。しかし、それはどうしても持てません。戦いたい、というポジティブな気持ちや、守らなくてはいけない自発的なきもちがでればいいのですが、そこまで稽古上手ではありません(笑)。

めまいを経験した直後であり、足にも踏ん張りが出来なかったことも幸いして、「頭と胴体を切り分ける」事に気づけました。
詳しくはこのノートでもまとめました。良ければご覧ください。

恐怖の正体

肉体はダメージを受けて緊張します。
肉体を何とかしなければ、とずっと思っていました。一つの解決策は大きく、強く、頑丈になる事。わかりやすい方向です。
また、武器を得て、人気や権力、お金を得れば、イザという時にもなんとかなりそう。これも「強さ」の方向です。

しかし、それが出来なくなるかも、とめまいは教えてくれました。
肉体は老いるし、武器も壊れてなくなるし、人気は水物、権力だって世代交代が起こります。お金はさらに流動的。

しかし「魂」は形がなく、現実の世界のダメージを受けません。いや、受けるかもしれませんが、生身よりはよっぽど楽。
魂についても、持っている固定観念はちょっとしたトラブルにも負けません。
本当に困ったとき、この魂に実感があったら、気持ちはまた盛り返し、なんとかなるはず、と向き合っていけます。

魂に手を届かせるために、「恐怖」を乗り越える事は絶対に必要な事でした。いま、ことさら、この術理を説明する事はありませんが、怖がり、臆病な人には知っておいて欲しい事です。
また、自分は大丈夫、という人も、いつ、心に臆病の種が入ってくるかわかりません。怖さに縛られたな、と思った時、遠慮なく、聞いてください。思い出しながら一生懸命伝えます(笑)。

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