マンション理論2階 肩肘手首

身体感覚マンション2階は自由が好きな世界。
何かをやる、という行動を好む人はきっと、ここ。
何かをやったり、移動したり、人間が持つ自由を表現るために必要なのが腕脚、手足です。

腕と手は、同じ「手」であり、ついつい、一緒に考えてしまいますが、構造的にはそこに一つ進化があり、親と子のような関係があります。
今日はまず、「腕」について書かせてもらいます。

腕には特徴的な部分として、「肩」、「肘」、「手首」という部分があります。
そこには関節があり、その関節は動きを生み出します。
そして、その関節には個性がありますが、それがあまり知られていません。

いや、もちろん、医療に携わっている人、特定の分野で活躍が出来ている人は「出来ている」んです。
しかし、それは「技」の中にセットされて身に着けたものであり、日常生活の、何気ない動作の中で使おう、とはなかなか思えないようです。

各関節の働きを紹介します。
肩・・・回る関節、常に動き、止まらないもの。そして、胴体から分離ができる関節。
肘・・・折りたたみ、曲げ伸ばしが得意。しかし実は、揺れるという力こそ大切。
手首・・・たくさんの小さな骨が集まって出来上がっているもの。リラックスをすれば柔らかくなる。ただ、こちらにも隠された力があります。それは固める力。手首を固めれば、形の持つ力を引き出せるようになります。

肩は回り、肘は揺れ、手首は固まる。
こんなシンプルな働きなのですが、私はこれで随分と驚かれるようになりました。
プロの力士と手を合わせた時も使ったのはこれだけ。
肩は回るのですから、その回る肩を回りやすいように使えば、相手はこちらの動きを止めにくくなります。

皆、身体を無意識に使いすぎています。
それはきっと、スポーツや医療、仕事が専門の色が濃くなりすぎたからでしょう。そして日常生活は機械が増えて、身体を意識して工夫する余地がなくなりました。
技は求める事が出来ても、その土台である身体そのものの働きを見る機会がなくなってしまったのです。

とにかく、この腕は回し、揺らし、固めれば様々な困難に負けないようになってくれるのです。
それこそ、目の前の問題が消えない!という状況になっても、この腕という身体がちゃんと動き、あの手この手と、様々な動きを続けていれば、それが心を楽しくしてしまいます。

問題が解決をされないのに楽しい!
この感覚が分からない人も多いでしょう。
しかし、世の中には自分一人で楽しみを作り、維持できる人も案外います。
ネットの世界が拡がり、共に分かち合う世界が多くなりましたが、ちょっと前には「自分だけの世界」を持っている人がたくさんいた、そう感じています。

現代は3階、4階、それこそ5階、6階の世界です。
戦わなくてはいけない1階はもちろん、一人で楽しむ2階も少なくなっています。
しかし、どれだけ高層階が豊かであっても、それはやはり、1階、2階土台があってこそなのです。

腕を使う楽しさから身体の観察をし始めればきっと、その単純さと、楽しさに喜びを見つけられるはずです。
そして、腕に見つけたその働きを脚などの各所に応用していけば徐々に身体の観察も上手になります。
稽古の一歩目として、腕の観察はおすすめです。

細かく書きだせばキリがないので、腕はこれくらいにして、次は手に移ります。

【不定期稽古のご案内】

「甲野善紀先生の名古屋稽古」
稽古日時:7/21(日) PM1:00~PM3:30
稽古場所:浄泉寺
会場住所:名古屋市緑区鳴海町字上中町9
アクセス:名鉄本線鳴海駅から徒歩5分
参加費:8000円

参加資格はありません。見るだけ、聞くだけでも参加可能です。
服装自由、持ち物自由、受講スタイルも自由だし、入退室も自由です。気楽にご参加いただけます。
申し込みはウェブサイトから。
http://www.karadalab.com/


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