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【おしまいnote】5_リョウの正体?

●ミスリードは“ない”……?

※ネタバレ注意※

以下、「おしまいのーと。」のネタバレとなります。未プレイの方はご注意ください。

あなたはだあれ?


リョウは電磁波によってできた思念体、コネクトーム体。
コネクトーム体とは僕の考えた造語で、コネクトームとは脳の神経回路。近年では人工知能の開発に使われていたりします。
電気信号の0と1の情報が脳の神経回路のようになって、人工知能となって、思念体となったモノ……
「よくわかんない!」って人は電磁波でできた幽霊と思ってください。

リョウはあらゆる可能性の“重なり”です。
ある人にとっては「怪物
ある人にとっては「過去の自分
ある人にとっては「死んだ双子
ある人にとっては……

阿修羅像のように多数の顔を持っている。
いろいろな思念が折り重なってできた存在がリョウである。
かつて人はその存在を「怨霊」と呼んだ。

リョウは思念体。おしまいのーと。本編においては、はじめに“青い赤ん坊”のリョウが現れ、その後、そのリョウはツキミの精神と入れ替わった。
精神が入れ替わった? というと奇妙であるが、精神をパソコンのデータ(またはスマホのアプリとかのデータ)と思っていただいたらわかりやすいかな。一旦データAをクラウド(またはサーバー)上に上げて、データBをダウンロードする。そうやってパソコン自体は変わらず、中のデータが変わっている、という状態……がおしまいのーと。で起きた悲劇です。人間の神経というのも所詮は電気信号のやりとりです。ゆえに、精神というのはサーバー上に上げたりできたりするのでは? 攻殻機動隊みたいに!
そうしろとささやくのよ 私のゴーストが

以上、リョウの設定というのは、前作「牢-RAW-」が引き起こしたテレパシー的な超能力に科学的な解釈を交えたモノになっています。

英語のサブタイトル「On your mark」はスタジオジブリ作品のタイトルからの引用

●牢-RAW-とつながる物語

おしまいのーと。」は今作単品でも一つの作品として完結してますが、前作「牢-RAW-」ともつながっている物語でもあります。
リョウの最終的な正体は「おしまいのーと。」単体では分かりづらいですが、「牢-RAW-」を知っていると非常にわかりやすくなります。
最終的に、「牢-RAW-」と「おしまいのーと。」は同じ「双子」というテーマに帰結します。寄生性双生児という物語としてのタブーをあえて継承し、次の世代へとつないでいく……

キュクロープス(ギリシア神話に登場する卓越した鍛冶技術を持つ単眼の巨人)

「おしまいのーと。」で書ききれなかった話として「サイパンの天使」という話が構想上ありました。
前作「牢-RAW-」の室戸博士の過去の話で、太平洋戦争時にサイパンで神の子と崇められていた寄生性双生児の少女と出会い、その少女の千里眼によって見えた「日本の未来」を見るという……時間がなくて書ききれなかった話です。
奇形児は地域によっては神様として崇められる存在です。その神としてあがめられる子供が本当に神様の力を持っていたら? 奇形は劣ることでなく、新たなる存在、人間から天使へと進化した存在だとしたら?
ゆえにヨウカは“過去”や“別の世界線”を視ることができたんです。
牢-RAW-の物語をそのままおしまいにするのではなく、さらに進化させ、人が天使になる――
それがおしまいのーと。の物語の真実です。

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