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現場を持ってる人間が強い

今日は、自分が今まで働いてきて、先輩上司に言われたアドバイスの中で特に印象に残っている「現場を持っている人間が強い」という言葉について振り返ろうと思います。

これは大手監査法人に勤務している時に尊敬するパートナー(一番偉い人)から言われた言葉です。
何を意図しているのか、言われた時は理解できていなかったのですが、今はこのように理解しています、という内容です。


どの仕事でもそうだと思うのですが、大きくなるとマネージャーがスタッフをマネジメントして業務を行うことが多くなり、内部的な管理という仕事が大きくなってきます。
これは独立してからも同じで、自分の事務所でも、対クライアントの経理スタッフの場合も、マネジメントする相手や内容は異なりますが、管理という仕事が多くなってきます。

マネジメントと言えば聞こえはいいのですが、要は部下もしくはスタッフに仕事を任せて、自分は確認する立場になるということです。

マネージャーとスタッフという関係で気を付けなくてはならないのが、マネージャーの仕事や顧客に対する理解が十分ではない場合、十分な時間が無い場合、もしくはそもそもやる気がない場合、マネジメントはできないという事です。

私が出会ったマネージャーで、多かったのが「重要な点は抑えている」という発言でした。
重要な点を抑えるためには、俯瞰して、第三者的に客観視するが大事ですが、そもそもの理解や時間ややる気がない場合、そのマネジメント層から発せられる助言や忠告は、マネジメント層の立場や権威を維持するものやその場しのぎの発言に終わってしまいます。

より良いマネージメントをするためには、十分に現場を知らなければなりません。この点を欠いたマネジメントは、必ず失敗すると思っています。
知ると言っても知識として知るのではなく、ある程度現場と交わり、手を動かして汗をかいて、身をもって知らなければ、十分に理解しているとは言い難いと思います。

「現場を知り汗をかく」という意味では、現場スタッフがマネージャーに負けることはありません。

現場を持った人間が強いのです。


逆に、
現場サイドからすると、より良い結果が見えていたとしても、それに対する労力を加味して、反射的に、潜在意識的に、それを考えない傾向があります。
例えば、家の設計をしていて、オーダー通りの80点の設計がほぼ完了しているときに、全てを見直して100点の設計をやり直す選択をすることが、現場サイドから自主的に生まれにくいということです。
このような現場の労力を度外視した、大きな指摘はマネジメント層が行う必要のある仕事だと思います。
仕事は対顧客に対して100点を目指すべきなので、現場の労力を考慮して、反発を恐れて、蔑ろにするマネージャーの判断はNGです。

また、現場に任せておくと、現実的な選択を行う傾向があります。
スケジュール等、ある程度現実的に、保守的な選択を行う傾向があります。
これに対して、マネージャーは、対顧客目線から少し無理してでも、必要なスケジュールやクオリティを現場に求める必要があります。
現場の労力を考慮して、反発を恐れて、蔑ろにするマネージャーの判断はNGです。

現場と同様に汗をかき、理解を深めて、顧客目線で現場をマネジメントする

これがマネージャーの仕事かと思いました。

一倉定先生は、マネージャーの仕事を、仕事を管理するのではなく、社長の考えを遂行する業務を行う人間と仰っておられます。

また行きます!!