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再び、皇位継承について

最近の世間の論調としては(世間というよりか、ネット界隈というか)、今上天皇・皇后両陛下に対する評価が上昇傾向にあるのに対して、何かとお騒がせな秋篠宮家に対する評価はダダ下がり傾向にあると言えそうである。

それに伴い、悠仁親王に関しては、「次の次の天皇に相応しいのか」というようなことも言われており、「愛子内親王が皇位に就いた方が良くないのか」などという声も耳にする。

現在の「皇室典範」では、「皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する。」(第1条)とあるから、愛子内親王が皇位に就くためには、「皇室典範」を改正する必要がある。

言い換えれば、そこさえクリアできれば、愛子内親王が皇位に就くための障害は何もないと言える。愛子内親王は、「男系女子」だから、過去の女帝と同じであり、前例はあるからである。

むしろ問題は、「愛子女帝の次をどうするのか」ということである。愛子さまが皇位に就いたとして、どこぞの誰かと結婚して子をもうけた場合、その子(男子であれ女子であれ)は、もはや「男系」ではないからである。

その時点で、過去の歴代の天皇家のルールである、「男系による皇位継承」をスッパリと諦めて、世界の潮流に従って、「男系でも女系でも良いやん」という方向に切り替えるのか、あるいは、それでも男系にこだわり続けるかという選択を迫られることになる。

前にも書いたのだが、最終的に該当者がこの世に存在しなくなったら話は別であるが、長年にわたってこだり続けた「男系による皇位継承」を存続させられる限りは、頑張って継続する努力を放棄すべきではないと思っている。

やめた後になって後悔しても、もはや取り返しがつかないからである。絶滅してしまったニホンオオカミを、いまさらどうにかして復活させようとしても不可能であるのと同じである。映画「ジュラシックパーク」みたいに、今上天皇のDNAを保存しておいて、現在の天皇家が絶滅した後に、今上天皇のクローンを復活させることも、不可能ではないかもしれないが、それはもはやSFの世界の話であるし、国民の崇拝の対象になるとは思えぬ。

であれば、旧皇族にまで範囲を拡大して、男系の皇統をトレース可能な範囲で調査することで、いざという時のために、男系男子として皇位継承可能な候補者がどれだけ世の中にいるのかをきちんと把握しておくことが重要となる。

戦後、3直宮家以外の旧伏見宮系を中心とする11宮家が臣籍降下しているが、彼らの中には男系男子という意味で皇位継承候補者になり得る男子がいると聞いたことがある。他にも明治時代以降に、宮家を創立せず、爵位を受けて臣籍降下して華族になった人たちがいたはずである。記録がしっかり残っている江戸時代くらいまで範囲を広げれば、対象はもっと広がるのではないだろうか。

英国だって17世紀まで遡って、しっかりと管理しているのである。同じようなことを日本でもやればいいのである。ちなみに、英国王室の王位継承者は約5,000人、日本の皇室は事実上2人だけ(高齢の常陸宮は除外)である。これは、ハッキリ言えば、宮内庁の怠慢、危機感の欠如の結果である。予算も人員も不足しているのかもしれないが……。

先ほども書いたとおり、過去にも女帝の前例は存在するが、男系を原則とする皇位継承のルールを踏襲する限り、あくまで、「中継ぎ」「ワンポイントリリーフ」であり、次世代の男系男子に引き継ぐまでの時間稼ぎでしかない。

だから、「愛子女帝待望論」を喧伝するのであれば、それとセットで、「次はどうするのか」ということについても、きちんと検討しないことには、まったくの片手落ちと言わざるを得ない。


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