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【予告編】28歳スキル皆無、ヒトモノカネ不足のアパレルアトツギが、新規事業を始め半年で500人の前でプレゼンすることになった話

このnoteはこんな人向けです。

・なんとなくだけど、日本の将来やばくね?と思っている
・大手企業に入社できたものの、普段の業務がつまらない
・新規事業担当になったけど、何から始めれば良いかわからない
・アトツギとして、何をすべきか悩んでいる
・とりあえず何か始めたいけど、何すれば良いかわからない
・「始動 Next Innovator」に興味がある


はじめに

このnoteは「明日から本気出す」と言い続けて27年間経ったズボラな私が、
28歳の現在、毎日本気で取り組んでいる事業について書いています。

突然ですが、
課題先進国とも言われる日本はかなりやばい状況です。
高齢化、温暖化、所得格差、年金制度の崩壊、、、
上げればキリがありません。
さらに、アパレル業界は「沈みゆく船」と称されることも多く、
大手企業の業績不振により閉店や倒産が相次いでいます。

そんな苦境に立たされる日本の、
しかも苦しいアパレル業界から
世界を変えるようなチームを作れたら
日本の未来に一筋の光が差すのではないでしょうか。
私は今、そんな事業の種を植えたところです。

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このnoteは「第1章~最後に」までの予告編として、始めました。
タイトルには「半年で」とありますが、
新規事業を始めるまでの経緯についても触れています。
深く掘り下げるところは更に別途掘り下げていきますので、
お付き合いいただけますと嬉しいです。

第1章:アトツギ、家業に戻り、ドン引きする (2017年2月)

1991年生まれの私は、2017年2月にアパレルメーカーのアトツギとして入社した。
1947年創業の双葉商事はちょうど70周年を迎えたところだった。

ドキドキしながら出社し、父親に「社長、おはようございます」と挨拶をする。シンプルにやりにくい。
とはいえ、新しい日々が始まると、興奮と不安が50%ずつ混じった気持ちで席に座る。しかし、この初日だけで不安が99%に変わる事件が起こる。
営業チームに配属されたのだが、営業は課長と私2名。
その課長も「家庭の事情で、あと半年で辞めるから。」と初日宣言。

ドン引き私「え、ほな半年後営業チームなくなるやん。社内失業やん」

アトツギとして入社したものの、半年後に社内失業することがあり得た。
(※そこから何とか持ち直し、2020年現在は優秀な営業が6人もいる)
当時、26歳。営業がいなくなる会社とかやべーだろと思い、
右も左も分からなかったので、とりあえずネットで業界のことを調べてみた。

「アパレル 業界 市場規模」
とgoogle先生に尋ねてみるとすぐに答えを教えてくれた。
「どれどれ、、、
 1990年は15兆円だった市場が、10兆円まで縮小、、、 は!?」


この時の私の心境は
「よーし、私がこの苦しい業界で家業を盛り上げてやる!!」
・・・ではなく、
「えっ、、、やべー家業に戻ってしまった。」だった。
まぁまぁクソである。

私に特別な技術やクリエイティブなスキルがあるわけでもなく、
大手のようにヒトモノカネに恵まれた環境でもない

そんな中小企業で、さらには国内市場は縮小が加速。
入社してから事の重大さを理解する、ダメアトツギだった。

アトツギの皆さん、まずは父親と
「市場動向と現在の打ち手」
について話をしてから家業に戻りましょう笑


第2章:とりあえず手を出してみて失敗する新規営業 (2017年2月~2019年7月)


「こうなったら新規営業活動でお客さんを増やすしかない!」
と安易に考えた私は、とにかく行動あるのみと営業活動をしまくった。
・とりあえず新規のレディースブランドに行き、
・とりあえず「メンズもやれば売上取れんじゃね?」と思い、
・とりあえず営業に出て、
・とりあえず提案をしてきた。

しかし、肝心の受注まではなかなか結びつかない。
「このままでは売上取れない、、、やばい、、、」と思った私は、
業界大手(動機:かっこいいから)のオーダーを赤字覚悟で受注に走った。
売上30万円、赤字10万円という素晴らしく生産性の悪い受注を取った。
 (正確には見積り段階では、利益はトントンのだったのだが、
 私の見積りがザル過ぎて、締めて10万円の赤字になった。
 偉そうに利益率を語る私を見かけても、この件でいじらないでください笑)

結果的にその実績が次の大手のオーダーに繋がり、
何とかトータルで採算が取れ胸を撫でおろすことが出来たが、
完全にラッキーパンチである。

大手ならまだしも、
アトツギの皆様にこのやり方は本当におススメしない。。。

コメント 2020-02-09 165112

第3章:経済産業省主催の「始動」に応募する(2019年7月)

この「始動」というプロジェクトをざっくり説明すると、
意識高い大手のエリートの方々が数多く参加しており、
まず、事業計画書と自分のPR動画を送る。
選考でまず100人に絞られ、そこから半年かけて、
100人から20人に絞られシリコンバレーに派遣してもらう。

講義の中ではついていけないことがあった。
いや、かなり多かった。
・ヨコ文字と何かの略の言葉     ⇒ 知らない
・「皆さん知ってると思いますが~」 ⇒ 知らない
・「○○と△△は××の関係だから」  ⇒ 〇〇も△△も××も知らない

今年で5年目の為、100人は5期として同期という扱いなのだが、
どうやらほとんどの人は理解しているようだ。
年齢層は平均年齢30歳前半が中心だが、歩んできた人生が違うのだろうか。
焦る。。。

分かったフリをして、手元で検索をしているのを、
隣の同期にいじられたこともある。
「このままでは、やばい」と思った私は、
またも「とりあえず何かやってみよう」とまたも無計画に思い立った。
しかし、今回は第2章の反省があったので、
とりあえず極力赤字にならない新しいことにしようと決めた。

第4章:自社ブランドとカポック (2019年8月~10月)

赤字にならずに、新しいことを始めたかった私は、
何故か自社ブランド×クラウドファンディングしかないと決めた。
他人のブランドのために努力しても見返りが少ない時代だと考えたからだ。

一因として、アパレル業界は商流が長すぎるので、モノづくりに対する思いが希釈されやすい。
糸・織(編)・染・縫製・販売、
ざっと書いただけでも1つの商品が出来上がるまで、
大きく5つの工程があり、それぞれに会社が存在している。
(糸は糸の中で、縫製は縫製の中で、さらに会社が存在することも多い)
そのため、作り手の思いがビシッと反映されたモノづくりは実現されにくい。

そんな業界構図から、他人のブランド上で戦うことは、
値引き合戦のレッドオーシャンになることがよくわかった。
そのため新規営業先開拓でなく、新規「事業」で自社ブランドをしようと決めた。

そんな折に出会ったのが、カポックである。
当時のカポックのリサーチについては、こちらのnoteをご覧下さい。
https://note.com/rudolf819/n/n4b131a83e3e5

画像3

第5章:クラウドファンディング開始とシリコンバレー選抜 (2019年10月~12月)

カポックの自社ブランドを立ち上げることを決めた私は、
まずは社内でサンプル作りから始めた。
しかし、自社はレディースのボトム屋さんで、
私が構想していたのは、メンズのしかもコートである。
何から手を付けたらいいのか、誰にもノウハウがない。

そこで、この新規事業はデザイン機能を外注することに決めた。
ヒトモノカネがない中小企業の新規事業の始まりなので、仕方ない。
費用を極力抑えるために、クラウドファンディングで受注生産を基盤にすることにした。
予算が足りなかった(というかなかった)ので、
事前のモデル写真は自分の代休を使い、
撮影母親、モデル自分で行うほどだった。


そんなお手製で始めたプロジェクトだったが、大学同期のデザイナーtomが加入したところから大きくプロジェクトが進む。

プロジェクト開始直前まで不安は果てしなかったが、
10月6日のリリース直後から大反響があり、
テレビや新聞、ネットニュースなど多くのメディアに取り上げていただき、
結果的に551人の方から1,700万円以上の支援を集めた。

図1

その支援を基に、プレゼンと事業計画を組みたて、
何と100人中20人のシリコンバレー選抜に選んでいただくことができた。

Techバリバリの街シリコンバレーと、
3年前までノートPCすらなかったアパレルアトツギという組み合わせがここに成立したのだった。


第6章:シリコンバレーで覚醒する (2020年1月)


「イノベーションは知性の偉業でなく、意志の偉業である」
「まず、個人が変わり、そして組織を変え、世界を変えよう」

これはシリコンバレーで最も心に残った2つの言葉である。
この言葉を心に刻みながら、シリコンバレーでは動きまくった。
会ったことがない人でもtwitterでDMを送って会ってもらい、
アメリカ進出するための事業パートナーを探し、
見事2年目にしてその道に通じた事業パートナーが見つかった。

その結果、私は幸運にも経済産業省主催の「始動 Next Innovator2019」の、
シリコンバレー選抜(20人/100人中)に選んでいただき、
その選抜内のプレゼンで1位(1人/20人中)に選んでいただいた。

後で調べてきづいたのだが、
私の会社の売上規模を1とすると、最大5000倍の他社を抑えて
1位になったのである。

誰もが聞いたことのある名だたる企業の優秀な方の中で、
双葉商事/KAPOK KNOTの私が1位に選ばれたことは、
「君が目指していることは間違ってない。このままがんばれ」
という言葉をいただいた気分だった。

始動が掲げる「Thinker to Doer」を真剣にやり続けた結果が評価され、
より真摯にこの事業に取り組もうと誓った。

この結果のおかげで、
今週末2/21に行われる「始動 2019 demo day」にて、
シリコンバレープログラムの報告をさせていただくことになった。
ようやくこうしてタイトルに繋がった。
(ここまで4,000文字オーバー、、、
 お付き合いいただいた方、ありがとうございます。。。)

最後に:これから (2020年2月~)

1位をいただいたとはいえ、誤解を恐れずに言えば、
要はその日、その場でのプレゼンがちょこっとだけ上手かっただけで、
事業の飛躍が約束されたわけではありません。
「1位を取った」こと自体に価値はなく、
これからの事業の飛躍が何よりも大切です。
この段階でnoteを書いたのは、その戒めの気持ちもあります。
今、何も成し遂げていない私の備忘録でもある訳です笑

追伸①:仲間募集
現在、カポックノットは仲間を募集しています。
ご興味のある方は、下記までご連絡ください。
info@kapok-knot.jp

追伸②:「始動 Next Innovator2019」登壇情報
経済産業省主催のイベントで私が登壇させていただきます。
500人規模の前でお話させていただくことはこれまでの人生にはなかったので、
膝がガクブルの私を見に来たい方は是非いらしてください。

https://sido2019.com/demo-day

つづく



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