見出し画像

1人の社会起業家として、世界情勢について感じること

このnoteの趣旨

今回、社内向けのメッセージを公開することにしました。
2022年3月18日に個人のインスタグラムから、
「このnoteを発信すべきか悩んでいるので意見ください」という内容を発信したところ、多くの方から背中を押していただきました。
そこで、今回のnoteを公開することに決めました。
もしよろしければ、これをキッカケに周りの大切な方とこのnoteをキッカケに語り合ってみていただければと思います。

ここからが、社内向けに書いた内容の全文になります。

<今回のnoteの背景>
2022年3月14日、16時30分、
ブランドメンバーでウクライナ情勢についてそれぞれが感じたことを話してもらいました。
そこで語っていたことは少し言葉にすると長いのですが、このような内容でした。
「社会課題に対して取り組むためにKAPOK KNOTで業務に取り組んでいる。しかし、今起きている戦争について、私たちに出来ることがあまりに少ないという無力感
(超絶要約版で、僕の解釈が多分に入っています。ご理解ください。)

この議論の中で私が皆に伝えきれていないメッセージを感じました。
そこを補足するために、このメッセージを書きます。

私が大学で学んだKAPOK JAPANの基盤となること~「自己実現」と「世界をより良くする」~

今のKAPOK JAPANのビジネスは私が大学で学んだことが色濃く反映されています。
よく聞く言葉で人間の欲求の最上位は「自己実現」という言葉がありますが、「自己実現」という言葉には、さらに先があると理解しています。

画像3
出典:beehave

この説が発表されたのは、1943年。もはや戦時中です。
今は2022年。人間の進化、もしくは変化が戦時中から止まっているとは思えません。

さて、では大学時代、私は何を学んでいたか。
バイブルとなっていたのは、世界的マーケティングの権威、コトラーの『マーケティング3.0』です。
この『マーケティング3.0』では簡単に説明すると、『企業の目的は「製品を販売すること」でも、「消費者を満足させること」でもなく、「世界をより良くする」ことだ』と示されています。
そこで、私は企業というものは、「当然、世界をより良くするためにある」という価値観が出来上がりました。

※コトラーの新著に『マーケティング4.0』という本もあるのだが、今回のnoteでは割愛する。

マーケティング3.0の図解 出典:WebMarketing Diary

しかし、上の内容で書いた通りマズローは『人間の欲求は「自己」実現だ』という。
マズローは「自己」を、コトラーは「世界」を主語に持ってきています。これは対立する意見のように見えるのですが、私はここで、マズローとコトラーの考えを組み合わせた、「自己実現と世界をより良くすることが、1つに結びつけばいいのでは」と考えました。

そのためには、「自己」VS「世界」という2項対立であってはトレードオフにしかならない。そのため、「自己」の延長線上に「世界」がある、つまり「自己」を拡張することが出来れば、いつか「自己」と「世界」が結び付く。
そう考え、自己を拡張できる事業がしたいと思いました。
ここで、「自己を拡張する」という概念について、もう少し詳しく記載します。
例えば、ある人が、パートナーと結婚することになったとします。その際に血縁もなかった二人が「家族」となり、お互いのことを今まで以上に想い合い、サポートし合う関係になったとします。
その際に、二人がお互いの幸せを喜び、悲しい時は共に悲しんだりする。そういった「自分以外の誰かや何かを限りなく自分の事のように思える力」が「自己の拡張」と捉えています。この力は、何も特別なモノではなく例えば映画の登場人物に共感して涙するように、誰しも持ち得る力だと思います。
これを自分と家族、自分と地域、といった単位から拡張していった先に、自己と世界が繋がる。
その考え方を「自己を拡張する」と表現しています。

KAPOK JAPANの「自己拡張性」

では、KAPOK JAPANではどのような自己拡張が感じられる事業なのでしょうか。
これは「風が吹けば桶屋が儲かる」形式でいいと思っています。

画像3


例えば、私が10歳から入っていたNGO、”CISV”という団体は第二次世界大戦直後の1947年にアメリカの心理学者ドリス・アレンさんによって設立されました。
その団体は「世界中に友達が出来れば彼らが大人になった時に、あの国や土地には友達の○○がいるから戦争はしない!」という意思決定になると信じられて作られた団体です。

これは都合のいいおとぎ話に聞こえるかもしれない。
でも、私はこの可能性を信じています。
また、この思想に共感した各国の加盟国は70か国を超え、毎年この思想で多くの子供たちが、共同生活を通じて相互理解を深め自国へ帰っていきます。

ここで視点を戻すとKAPOK JAPANで取り組んでいる事業は、
『「生産者」「消費者」「地球環境」すべてに配慮するモノづくり』は、
「自己を拡張する」ことに直結する事業だと思っています。

・生産者を自己の延長線上に捉え、自分ゴトのようにしっかりと彼らの生活の向上を意識する。
・消費者へは、しっかりとモノとしての妥協を一切せず、心躍るファッションブランドとしての商品を作る。
・地球環境へは、次世代の選択肢を減らさないよう最大限配慮する。

そういった自己を拡張していった先に、生産者、消費者、地球環境すべてを自分ゴトとして捉えることが出来る世界を実現したいし、
まずは今関わってくれているメンバーがそういった視点を持てるような会社にしていきたい。

だから、私は今取り組んでいるKAPOK JAPANの事業の先に、「世界平和」はあると信じている今すぐ世界情勢に対して即効性のある事が出来なくとも、次同じことを起こさせないために自分達の事業が繋がっている、繋げていく。
つまり、私はこの内容を読んでくれた一人一人のメンバーの自己の拡張の先に、「世界をより良くする」ことが集約されると信じています。

1つ、改めてここで皆さんに伝えたいことがあります。
私が好きな言葉で「ブランドは文脈を貯める器である」というものがあります。KAPOK JAPAN器には、誰もが新たな「自己の拡張」の文脈を貯めていい。
代表である私だけがその器に文脈を貯めていくシステムではない。
一人一人のメンバーが考える「風が吹けば桶屋が儲かる」のKAPOK JAPAN版の文脈(コンテクスト)を一緒に考えてためていきましょう。

で、どういった情報に触れているのか

ここでは、私が触れている情報源でよかったものを共有します。
これらの情報が正しいというつもりはないが、
かなりフェアな情報源だと思っている。
なので、時間が許す限りこれらの情報を見てほしいです。
「意見の振り子を振る」上では、しっかりとロシア側の意見も拾えているメディアが私は重要だと思っています。

①「ロシアの論理」で読み解くウクライナ危機【豊島晋作のテレ東ワールドポリティクス】(2022年2月9日)
https://youtu.be/9j_-bJnp3Z8

ロシア目線で語ってくれる今回の事件。
マスメディアであまり触れられていない観点なので、おすすめです。

②コテンラジオ
コテンラジオの圧倒的なリサーチ力で全6回の構成になっています。
かいつまんででもいいので、是非聞いてみてほしい。

③ideas for good
かなり広い情報源を網羅。
日本語ニュースだけでは視点が懐疑的だったり、足りなくなった方は是非。

最後に、

私の大学生時代に、注目されていたのが「社会起業家」です。社会起業家と従来の起業家との違いは何なのか。端的に私の理解で言えば、その「社会性」と「事業性」の両立を諦めない姿勢です。
社会性も事業性も諦めない、ある種強欲とも考えられるその姿勢は、
自分たちだけが儲かればいいという「自己」だけが主語の事業体には絶対に持ち合わせない、倫理観や美意識がありました。
私はそれに憧れて、学生時代を過ごしました。

つまり、社会起業こそ、「自己拡張と世界を結び付け、世界をより良くすることができる」というのが私の学生時代の思考だったのです。

今回のnoteは発信すべきか否か非常に迷いました。
センシティブな内容であり、誤解を生みかねない内容だからです。
ですが、一部の知人の方に公開前に事前に読んでいただいたところ、背中を押してもらえました。
自分の考えを言葉にすることは自分との対話でもあり、その積み重ねは他者との対話にもつながる。つまり、発信することは自己拡張にもつながると私は信じています。
もし、このnoteを読んで感じていただいたことがあれば、
ご感想をお寄せいただけたら光栄です。
これからもよろしくお願いします。


最後に私が代表を務める、KAPOK KNOT公式SNSもよろしければ是非!

📨公式メールマガジン こちら
✒Twitter: @kapok_knot
📷Instagram: @kapok_knot_jp
📷Instagram: @kishow_kapok
📻代表きしょうのpodcast:ブランドにまつわるエトセトラ




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?