男性育休を長期ワンオペで取得してみた夫の話
職場復帰を控えた夫の発言です。
2022年秋から企業の男性従業員への育休取得確認が義務化されます。
男性の育休取得率はわずか7.48%。取得しても1週間内が7割というこの国で、6か月のワンオペ育休を取得した夫と私の話です。
夫が育休を取得した理由
夫が務めるのは日系メーカー。周囲に育休を長期で取得する人はおらず、ましてはワンオペの経験がある先輩は皆無です。
ではなぜ育休を取得したのか?
理由は3つです。
1)私の依頼
私は仕事が好きで、深夜残業上等の体質でした。育児のために1年もブランクになるなんて怖すぎる。しかも家事は大嫌い。私だけ家事育児だけの1年を過ごすなんて許さん!と息巻いておりました(笑)
子どもが欲しいなら、1歳までの育休を私と夫で半分ずつ取得すること。これを条件として提示しました。
2)本人の興味
1)の依頼をさくっと受け入れたのが奇特な夫です。私は拍子抜け。世間のイメージで行くと、嫌な顔をしそうなものです。夫曰く、「育児って面白そうだし。」まじか。
3)本人の打算
これからは育児に理解がある人が出世するだろう、というのが夫の見立てでした。ファーストペンギンになった方が、長い目で見てメリットがあるという打算もあったんですね。
かくして夫が育休を取得することは妊娠前から決まっていたのでした。
どのように取得したか?
コロナ禍の出産となり、立ち合いも面会もNGとなりました。
私たち夫婦の産休・育休取得スケジュールはこちらです。
わかりづらいところに番号を振っているので補足します。
①退院後の1週間連続休暇
夫には退院後に休暇を取得してもらいました。里帰りする前に子どもと過ごして、父親になった実感を持ってほしかったためです。本当は退院直後がよかったのですが、仕事の都合で叶わず。育休以外で機会損失を起こしてほしくなかったので、仕事を優先してもらえてよかったです。
②年末年始の育休2日
男性は、産後8週間に1回育休取得して復帰しても、もう1回育休を取得できます。月末に取得すれば社会保険料が免除されるので、12月末と念のため1月頭に取得しました。おかげで年末年始に落ち着いて義実家に帰れました。
③夫の育休開始
育休本番。私と2週間重なるタイミングで育休を取得しました。引っ越しをしたこともあり、取ってもらえて助かりました。
④夫職場復帰予定
慣らし保育が12月から始まる予定です。制度上は12月中の復帰がマストですが、年末に有休を取得して1月から勤務開始にしました。ここの制度を理解していなくて、夫が1月から復帰と会社に伝えてしまっていたんです。私も知らんかったー
取得してみて感じたこと
1)第一子で二人同時取得はただの天国
本当にこのままです。時間も心も余裕ありまくり。子どもが不機嫌でも二人でケラケラ笑って対応すれば何てことありません。我が家は二人同時取得期間の後に夫のワンオペが始まる予定だったので、夫もしっかり育児をしていました。これ一人でやるようになるんかーって言いながら。
2)ワンオペ経験は一定期間してみないとわからない
夫に言わせれば、第一子で二人同時に育休を取得しても、育児の大変さはわからないとのこと。どれくらいワンオペ期間を過ごせばわかるの?と聞いてみたら「4か月」との回答が。思ったより長いですね。長期にわたって自分の自由時間を取れない経験が必要だと言っていました。同感。
3)子どもが両親どちらにも懐く
まあ夫に懐く懐く。卒乳もサラッと完了しました。私が復職して毎日子どもが泣いたらどうしようかと思いましたが、笑顔で送り出される日々です。寂しいのは母だけか。寝かしつけの相性は時期によって波があります。夫と寝る方が早い時もあれば、私じゃなきゃ泣き叫ぶ時も。
4)価値観が変わる
私は残業上等人間から嘘のように生まれ変わりました。残業時間激減。夫が大変な思いをしているかもと思うと、早く帰るようになります。夫は夫で、6か月弱職場を離れたことで仕事のことを考えなくなり、思考がリセットされたそう。「復帰後のお迎えを予想して、早く帰るように工夫すると思う」と言っていました。1か月だと自分のタスクを人に任せずに休むからこうはならないんだそうな。
社会人になって在職中に長期で職場を離れる経験なんてほとんどできません。一度入った環境に染まり、時間に追われ、ずるずると日々を過ごします。リセットしたり、新しいことを学んだり、思いっきり卓球をしたり(土日と一時保育の日のうちの夫です(笑))、そんな時間が取れるなんて貴重だなと夫婦そろって感じました。あと夫の料理スキルが飛躍的に向上しました。
育休はマネジメントの勉強になるらしい
育休が価値観のリセットやリカレント教育機関になるだけでなく、育児そのものがマネジメント力向上につながるというデータがあります。
予想外の出来事に備え、チームメンバー(パートナー)に指示を出す様子は確かにマネージャーそのものかもしれません。
まさかのタイミングでのうんち漏れ、夜泣きで睡眠不足の中の安全管理、成長とともに増える予想外のアクシデント・・・
これらが仕事にも生きるなら、少し救われます。
より詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
ちなみに夫は子どもの小さな成長に気づくのがとっても上手です。
それも部下育成に活きそうですね。
育休中でもあらゆるものに頼るべき
育休→家の中にいる→暇 という図式が世間でどうにも拭い切れていないように感じます。実際私たち夫婦ですらこのテーマで喧嘩をしています。
まず育休に入って会社の仕事の代わりに育児という大きな仕事が増えているのに、育休取得側が家事を多く負担するべきという発想がおかしい。
のですがその話は置いておいて。
一時保育には大変お世話になりました。
週に1回、6時間ほど子どもを預かってもらうだけでどれほど心に余裕ができることか!
私はプロボノに参加し、夫は卓球クラブに通い、それぞれ束の間の自分時間を過ごしました。
復職を見据えてドラム式洗濯機も導入。家事が好きでない限り、楽するに越したことはありません。
育休中に子どもを預けるなんて・・・という心配はご無用。子どももめっちゃ楽しんでいました。もっとお迎えで喜んでくれてもいいのに(笑)
抱え込んで辛くなる前に、あらゆる存在に頼ってチーム育児をすることが大切だとひしひし感じました。
さいごに
夫が育休を取得して感じたことは、育児に男女の差はないことです。
今や夫の方が子どもに詳しく、教えを乞うています(笑)
ちょっとした理解の差に悔しさを覚える日々。適性があるとしたらそれは性差ではなく性格の差。
ただ、男性の方が育休への風当たりは強いと思います。
このご時世、会社のブランドイメージを気にして育休取得を拒否されることはないでしょう。ただ、同僚からの目線が痛い職場もあるかもしれませんね。
夫の場合、プロジェクト型の仕事で一時的に抜けても人員を調整しやすかったことがラッキーでした。
ちなみに、夫は育休を取得する相談をするとき、「話があります」とだけ上司に伝えて面談に挑んだそうです。上司は「もしかして退職かな」とヒヤヒヤしていて、夫が育休を取りたいと頼んだら「全然いいよ!辞めるんじゃなくてよかった」というリアクションだったとか。話す順番大事。
私たち夫婦はたまたま興味が合致し、双方育休取得を選びました。
育児への考え方や仕事の特性で同じようにしたくない、できない方も多いでしょう。
ただ、もし男性育休取得を考えていて「男性だから」育児は難しいかも・・・と及び腰の方がいたら、そんなことはないと強く言いたいです。
赤ちゃん相手でも人間関係構築方法は同じ。接触時間の長さと向き合う姿勢なのだと感じた育休体験でした。
長くなってしまいましたが、最後までお読みいただきありがとうございました!
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