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何か気付いたらUVERworldが炎上してた件

筆者が度々ライブに行っている人気バンドのUVERworldが知らない間にSNSで炎上騒ぎを起こしていたので、今一度状況を整理してみようと思い立って書いてみることにしました。


大まかな経緯

UVERworldが新しく発売したアルバムの全国ツアーについて諸々発表。
12月20日に予定されている横浜アリーナ公演にて以下画像のような男女別の座席割りを発表し、これが女性ファンに優しくないと声があがる。
滝沢ガレソ等の大手ゴシップ系アカウントもそれに薪をくべる形で拡散し、炎上。
結果、UVERworld側がそれらの声に折れる形で男女別の分け方を辞めることに。

このような座席割りに至った理由

どうやらメンバーなりのお客さんへの気遣いだったみたいです。

UVERworldというバンドは定期的に男性限定のライブ、女性限定のライブと言った形で客層に嗜好を凝らしたイベントを開催します。
特にメンバーは男性限定ライブへのこだわりが強いです。これはUVERworldが世間に名を売り出したメジャーデビュー黎明期頃に男性ファンが少なかったこと、黎明期からしばらくした後に男性客限定のイベントを主催したものの会場を埋められなかったという挫折エピソードがあること等が理由としては大きく、その想いは並々ならぬものがあります。
現に今年の夏もキャパ7万程度の日産スタジアムで男性限定のライブを開催しており、そのモチベーションが彼らの原動力の一つとなっていることは疑いようもありません。

ただ、その男性限定ライブも厳密には客席が100%男性という訳ではありません。
ライブ毎に「ラッキーガール席」というものを設けており、会場のごく一部の限られた座席数だけを女性限定エリアとして開放し、ライブへの申し込みで見事チケットを手に入れた女性客を選ばれしラッキーガールとして男性限定ライブに参加させ、その空気感を楽しんでもらうというある種粋な計らいもある訳です。

どうやら今回の席割り騒動、その選ばれしラッキーガールの目線に寄り添ったつもりのものだったみたいです。
「男性限定ライブの空気感に入りたい!けど普段のイベントはラッキーガール枠もそう多くないし…」という声に応えるような形で「じゃあこんな感じの席割りでより多くの女性が俺たちUVERworldと男客どもがわちゃわちゃしてる空気感を味わえるようにしてやるよ!」と思い立ってこうなったみたいです。
また、UVERworldというバンドもなかなかにロックファンのはしゃぎ欲に火を付けるスタンスのため、ステージ目の前の立ち見エリアはロックフェスと同じように客同士が揉みくちゃになってカオスな空間になることが予想されます。
そこの危ない空間に女性を放り込むことが出来ないという配慮もあったみたいです。

炎上した理由

・UVERworldが何を求められているのかの解像度のズレ
・UVERworldの長い歴史における客層
・昨今のジェンダーに対して神経質な世論に見つかってしまった形

概ねこのような3つの表現で分けられるのかなー、と。

まず、1つめの解像度のズレについて。
UVERworldからすれば男性限定ライブにおけるいちばんの魅力は「UVERworldのメンバーがむさ苦しい男どもと気持ちをぶつけ合う光景」だったんでしょう。
ただ、一部の女性ファンは「UVERworldと男客のわちゃわちゃ」という光景を楽しみに思って空気感に入りたいと思った訳では無い模様。
むしろ「自分たちがその空気感に一緒に混ざりたい」という気持ちの人が一定数いるみたいです。
「バンドと男客の絡みを客観視すること」に楽しみを見出してもらうと思っていたUVERworldサイド、「バンドが醸し出す男限定ライブ特有の空気感に自分たちが入ること」に楽しみを見出したいお客さんサイド。
どの目線からイベントを見るかという解像度のズレが絶妙にあったが故の炎上だったのではというのが1つ目の見解です。

2つ目はUVERworldの長い歴史における客層について。
UVERworldも歴が長いバンドで、結成が2000年、メジャーデビューが2005年です。かれこれ20年選手になります。
先ほども書きましたが、UVERworldがメジャーデビューした当初の客層としては女性がメインでした。彼らの見た目も相まってか一部からはビジュアル系バンドと勘違いされていたとか何とか。
そこから徐々に模索し、様々なスタイルを身につけることで男性客も取り込んでいき、今のような男女ファンをたくさん抱える大手バンドへと成長しました。
つまり、彼らを長いこと支え続けてきた女性ファンがたくさんいるという事実が存在します。
反面、メンバーの本音として度々男性客が多くなかった頃のコンプレックスを反動にしてきたという面も否めない発言をしていることが度々あります。
長いこと彼らを支えてきた層からすればコンプレックス故に男性客ばかりを欲し、ずっとUVERworldを支えてきた層と向き合うことを疎かにする瞬間に不満が溜まるのも無理はないかと思います。
メンバー本人が「離れたい奴は離れれば良い。俺たちは周りの声に惑わされずにやりたいことをやるから。」というスタンスなところも諸刃の剣です。
そんな不満が今回はこのような形の騒動によって噴出したというのが2つ目の見解です。

3つ目は厄介な形での世論バレです。
正直、UVERworldと男女問題というところを巡る話はここまで書いた通り割と様々な経緯があります。
なんなら複雑すぎて筆者が書いていることすらも正しいのか自信が無いのが本音です。
そんな形で一概に語れない問題ではありますが、どうしてもこの件に簡易的に首をつっこめてしまう部分があります。
それが「ジェンダー論」です。
今回の件はバンドが併せ持つバックグラウンドやそれを巡るファンの心理といった複雑な部分は全てスルーし、表面に表れている「ジェンダー的な問題」の部分だけを抽出してしまえば簡単な形で首をつっこめてしまう話にも思えるのです。
ただでさえジェンダー的な話に神経質な近年。男女の分け方について手段1つ間違えればたちまち鬼の首を取ったかのように指摘をされかねないような恐ろしい時代になっています。
そもそもハナっから男性限定ライブだったり女性限定ライブだったり、特定の性別に対しての考え方で偏りを見せるかのような発言や公式の動きなど、今までも粗探しをされれば目をつけられかねない危ない橋渡りな事象は幾つもありました。
だからジェンダー的な問題だけを切り取る行為を肯定する訳ではありませんが、正直なところこのようなピックアップのされ方をしても致し方ないと言ってしまえばそれまでかなとは思わざるを得ません。
それが3つ目の見解です。





以上、自分なりの整理と言語化おしまいです。
別に何かを正したくて書いた訳ではありませんし、自分自身がこの件を持ってUVERworldに対する気持ちが変わったとかもありません。
ただこんなことがあったし言葉に落とし込んでみようかなと思って書いた次第なので誰かに特定の考えを押し付ける気もありません。
そもそもUVERworldサイドがファンクラブ限定ブログを見るに反省しているっぽかったので自分が特に偉そうに何か言うもんでも無いなと思いました。
UVERworldは今後も適当にまったりと追いかけます。
筆者個人の言語化した部分で誤り等あればそれについては是非指摘いただけるとありがたいです。

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