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儲かっている会社は空気で分かる!?

保険の営業の仕事を大阪で30年くらいやってます。中小企業のお客様とのコミュニケーションが多かったので、色んな会社にお邪魔する機会があります。金属加工のお客様の事務所に伺った後は、必ず針のようになった金属の削りカスが、足の裏に刺さってるというのが私の中では一番印象が強い職場でした。まあこれが痛いのなんの…。お客様は「慣れる」というのですが・・・。

今日はそんな話ではなく、会社を訪問した時の空気感と、会社の業績には相関関係があるのかどうなのか、ということを考えて見ました。
※あくまでも独断と偏見の内容です。

会社のしきたり

かつて、儲かる会社の法則みたいなコラムがあったりして、そこで言われる儲かる会社とそうでない会社の違いみたいなものを見聞きした記憶があります。印象的だったのは、「来客をスリッパに履き替えさせる会社は、あまり発展しない」という考え方を読んだことがありました。なんとなく、タイトルだけ見て中身は確認しなかったので理由はわかりません。ただ、当時の私の会社は、お客様にスリッパに履き替えていただくスタイルだったから、特別印象に残っていたのだと思います。ヤバイ、と思ったのでしょう。

ただ、お客様の中でもメチャクチャ好調な企業も、訪問時はスリッパに履き替える感じでしたので、たぶん、すべての企業に当てはまる話とは言えないんじゃないかと思います。

後はトイレがキレイか否か、というのもよく言われますね。残念ながらその点は、なかなかお客様のところでトイレを借りることは多くないので、よくわかりません。

ただとかくステレオタイプな診断をしたくなるのが多くの人の感情。そういったことを、私の経験から導き出せないかを振り返ってみました。

営業担当者は空気を読む?

これはたぶん私だけではないと思うのですが、たくさんの企業に訪問すると、玄関から入った瞬間、「あ、この会社儲かってるな」とか、「ここはちょっと厳しいのかも」なんていう印象を受けることがけっこうあります。もちろん、当たっていることもあれば、当たっていないこともあります。ただ、当たっているほうが多かったように思うので、ちょっとまとめてみたいと思います。

明るい会社は儲かっている会社か?そうでないか?

まず、印象として、従業員がワイワイにぎわっていて、活気にあふれている会社は儲かってそうに見えます。だいたいその印象は間違いではないのですが、もう一つ加えるなら、品があるというのは大事だと思います。ただ活気にあふれているけど、品がない無法地帯みたいな活気の会社はグッと盛り上がるけど、落ちるときはグッと落ちがち。わりとアップダウンが激しいような気がします。社内が明るいんだけど、品があるという景色が広がる会社は、だいたいいい感じに儲かっているんじゃないかと思います。

こう言う会社はたいてい、社長はこまごましたことに口を出さなくなっていますから、組織がそれなりに活性化されていると思います。割と短期間に規模を大きくする企業が多いと思います。保険屋さんとしては、毎年のように保険管理の部署や担当者が変わりがちで、保険屋さん泣かせな一面もあります。(あくまでこちらの都合ですが)

暗いけど儲かる会社

じゃあ、暗い会社は儲かっていないか?というと必ずしもそうでもないと思います。暗い会社で、規律がしっかりしている会社は、会社全体としては業績がいい事も少なくありません。また、古い既得権が未だ有効な古い業界や、独占状態の市場を持っているケースも、暗いけど儲かる会社に多いです。こういった会社の場合、社長は会社につきっきりでなくてもいいので、会社に居る率が少ない場合が多いです。従業員さんから見ると、社長は何をしているんだろう?と思ってる方も多いようです。

ただやっぱり、内部の人間関係においては、色々と問題がある事が多いと思います。リーダー層が支配的な力を持っていて、従業員にとっては自由が少なく、大きな社会構造の変化が起こると、そこへの迅速な対応は苦手な傾向が強いと思います。場合によっては、従業員さんが何か新しいことを提案しても、「余計なことをするな」と叱られることも…。つまり、同じことを繰り返すのは得意だけど、新しいことを始めるのは苦手、という組織が多いように思います。

従業員さんの仕事のモチベーションは微妙ですが、待遇は悪くないことも多く、従業員さんの定着率が高い事が多いように思います。

暗くて儲からない会社

前述のようなちょっと特殊な会社でない場合は、やっぱり事務所内が暗い会社というのはちょっと業績はよくない事が多いように思います。なかなか安定しない、という感じでしょうか。暗いというのは、社内のコミュニケーションが限定的ということ。そうするとやっぱり、次代への対応力は今一つで、デジタル化が進まなかったり、社内改革が進まない事が多いように思います。

実は「運」という要素も結構多い

今回は、会社の雰囲気が明るいか暗いかで、儲かる会社かそうでないかを考えて見ました。ただ実際のところは、明るくても暗くても、儲かってる会社は儲かってるし、そうでないところはそうでない。

それを分けるのは、リーダーの実力か?というとそうでもないような気もするのです。リーダーの実力が影響する部分ももちろん大きいし、そもそも会社の明るさや暗さは、リーダーのマネジメントが強く影響します。だから、リーダーの重要性は否定しませんが、案外終局のところ「運」というのはとても大きく会社を左右すると思うのです。

どんなにまじめにコツコツやってきても、上手くいかないときもあるし、
破天荒にハチャメチャなことをやっていても、ある時すごい波に乗ることもある。今のパンデミックなんて言うのは、まさにそんな「運」の一つだと思います。

で、結論めいた話をすると、良い意味でも悪い意味でも、「運」が目の前に来たとき、それをしなやかに受け入れたり、流されたりしながら、そこに身をゆだねる柔軟性というのが大事なのかもしれません。比較的その弾力性を持つのが、コミュニケーションが取れていて、リーダーが従業員のことを信じている組織なんじゃないかと思います。


本文とは関係ありませんが、私はこんな本の著者です。



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