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小さな会社が世界で稼ぐ 高収益をもたらす「情報の輪」【マインドマップ読書メモ有】

※私が読んだ本の書き出しとざっくりした内容を書き留める読書記録です


はじめの一行

序章―――小さな会社が世界企業になるための5つのカギ

「お兄ちゃん、またマンガ読んでるよぉ」
妹の心ない一言で、少年は今日も母親に叱られてしまった。
「いっしょけんめい勉強して、ええ学校に行かへんと、ええ会社にはいられへんよ。あんた、それでもええの?」
耳にタコができるほど繰り返し聞かされたフレーズだ。この母親の言う「ええ会社」とは、名の通った大企業のことであろう。彼女の右脳には、大きな会社に入りさえすれば、一生安泰というイメージが、どうもインストールされてしまっているようだ。

小さな会社が世界で稼ぐ 高収益をもたらす「情報の輪」(佐藤隆彦)

冒頭から、自分が経験した昭和的価値観への反論。本書が発売されたのは2019年9月で、今やますます現実はこういった昭和的価値観からの脱却が加速しています。それでもいまだいい学校に入り、いい会社に入るという昭和的な人生のレースは終わることなく続いているといえそうです。それは学習塾の隆盛をみれば明らかで、日本における学歴社会の根深さは結構なものであると思わざるを得ません。

しかし本書の前書きはそんな社会にもいずれ風穴があく。そんなときに大企業の中で組織に迎合して働くか、中小企業としてその能力を余すところなく世界で発揮するか。そんな選択肢を提示しているように思います。

本書の内容

中小企業の未来地図

本書の中身をごく簡単に表すなら、「中小企業よ、世界へ羽ばたけ」ということだと思います。そのための具体的な行動指針として、以下の5つを著者はポイントとして挙げています。
1.生産性の再検討
2.イノベーションへの関与
3.情報の輪への加入
4.大企業猛進からの脱却
5.世界への飛翔

まず、生産性に関して言えば、スマイルカーブというものがあるそうです。付加価値利益率を縦軸に、商品の動きの川上から川下へという流れを横軸に取るグラフを描きます。すると、川上、つまり研究開発や、設計に関する部分が付加価値が高い。川中に入ってきた加工製造となると利益率は下がり、さらに川下のマーケティングやアフターサービスといった部分も利益率は高い。実は多くの中小企業が川中の製造加工を担っていることが多く、それゆえ生産性が低いといいます。

この生産性を上げるには、研究開発に関与することが必要となってくるわけですが、そのために必要なのがイノベーションへの関与と、情報の輪への加入です。それほどまでにシンプルに解は示されているのに、なぜ中小企業はそこに行けないのか。それは、中小企業が持つ劣等感が原因ではないかといいます。しかし、業界標準を自分たちが作り出せば、生産性は一気に上がるでしょ。おそらく、中小企業はそういった言い出しっぺを務め、それを広めていくということに対して苦手意識を持っているのかもしれません。

手っ取り早い「情報の輪」への加入

情報の輪というのは、その世界の最新の情報が集まる場所。それは例えば業界の団体であったり、政府との共同事業や懇話会だったりするんじゃないかと思います。もちろんそういったところに席を並べることも大事だと思うのですが、個人的に最も簡単なのが顧客からの情報じゃないかと思うのです。こういった情報なら比較的容易に集めやすいように思います。それをもとに商品開発をして提案していく。これをすることで、間違いなく川上に位置取りをできるわけです。そもそも中小企業というのは、大きなロットを扱うわけではないので、加工製造一辺倒という役割分担はおかしいものなんだ、ということをふと感じました。むしろ小さな組織だからできる大胆な開発や発想、そしてそれを具現化する製作技術をもって世に様々な提案をしていくことで中小企業の弱い部分がカバーできるような気がします。

本書はそういった強みを持って海外に出ようという話が本題ですが、海外に出る前提でなくとも、新たな商品を世に提案しよう、というメッセージにも読み解くことができるかもしれません。誰もしていないことを長くやり続けることが、中小企業に必要なことなのかもしれません。


いやーーー、読書って素晴らしいですね。

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ちなみに私はこんな本書いてる人です。


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