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中小企業の「ストックビジネス」参入バイブル

※私が読んだ本の書き出しとざっくりした内容を書き留める読書記録です


はじめの一行

はじめに

売上が安定するビジネスを作りたい―――これは多くの会社経営者の切実な願いだと思います。たとえ売り上げが急減しても、固定費である人件費やオフィス・店舗の賃料は毎月必ず支払わなければなりません。売り上げが計画通りに立たないときには、銀行口座の預金残高を見ながら胃が痛みます。さらに悪化してくると、月末の資金繰りも不安になり、夜もぐっすり寝られなくなります。「なんでこんなに大変なことをやっているのだろう」と、誰にも相談できず、一人孤独感にさいなまれることもあるでしょう。

中小企業の「ストックビジネス」参入バイブル (小泉雅史)

まえがきで、経営者の持つ悩みを上げて、「本書ではその解決策を提示しますよ」的構成ですね。
経営者としては、変化が欲しいけど安定も欲しい。
そんな中で、ストックビジネスという柱があると、わりと安心できる保険になるんじゃないかという幻想を持っているものです。

本書の内容

ストックビジネスとは?

本書はストックビジネスの指南書です。それもある方法に偏った内容です。
まずは、ストックビジネスとは何ぞや、というところから話が始まります。
ストックの反対はフロー。
子の対比を見ながら考えていくとわかりやすいと思います。

たとえば、私が駄菓子屋さんをやってたとします。
たまたま子供がやってきて、たまたま駄菓子を買って帰る。
これはフロービジネスです。

一方ストックビジネスというのは、この子どもが毎月お小遣いをもらったら、必ずと言っていいほど買いに来る仕掛けを作っている状態です。
これをもう少し広く見ていくと、たとえば月額会員なんていうのはまさにストックビジネスですね。
不動産賃貸業なんて言うのは、その代表選手かもしれません。
毎回毎回が新規ではなく、継続的な取引が期待できる状態をストックビジネス、と呼ぶようです。

3つのビジネスを成立させる

本書では、著者は伝説的な投資家、ウォーレン・バフェットに学び、そこでの目標を伝えます。
それは3つのストックビジネスを作り上げること。
そうすることで、会社の安定感がまったく変わってきます。

とはいえ、です。
今、一つの会社を運営するだけで精いっぱいなのに、新しいビジネスを3つも作るなんて・・・
とパニックになりそうですが、そんな方のために本書が書かれました。
主な方法は、M&A、つまり会社の買収です。
とはいえ、大掛かりなものではなく、比較的小規模の投資からできることや、買う際のコツを享受してくれています。

会社なんて買うつもりないよ、という人でも

とはいえ、会社なんて買うつもりはない、という人が大半じゃないかと思います。
わたしもそのひとりなんですが、会社を買わなくとも、参考になる部分はけっこうありました。
一つは、IT→リアルという流れ。
たとえば、Amazonはもともと、本の通販で始まりました。
そこから徐々に、サーバーレンタル、倉庫の拡充など、ネットからリアルに徐々に軸足を変えています。
この流れはAmazonだけではなく、一般の経営においても参考になるものかもしれません。

災害や異常事態に強い!?

ここからは2020年4月の追記です。
現在、新型コロナウィルスが世界中で猛威を振るい、この日本においても警戒宣言下にあります。
不要不急の外出はやめましょうと言われ、学校は休みになり、お店も生活に密接に関連する一部の事業を除いて営業自粛要請が出ています。

こういった時に、フロービジネスは完全に止まってしまいがちなものが多い。
営業活動もできないし、顧客も何かしらの購買を検討する雰囲気ではなくなってきて、かなり経済的に厳しいものがあります。
ただ、こういった時にストックビジネスはやっぱり強い。
もちろん一定程度の売り上げ減はあるでしょが、そのカーブはなだらかと推察されます。
特にサブスクリプションモデルのように、こちらが積極的に営業活動に動かなくても一定程度の売り上げが見込めるのはありがたいと思います。

これからの必須科目として、本書のようなものを経営者は考えていく必要があるのかもしれません。

毛嫌いせず学ぼうとすれば、色々と学べる要素のある一冊だと感じました。

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