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ドS刑事 三つ子の魂百まで殺人事件

※私が読んだ本の書き出しとざっくりした内容を書き留める読書記録です


はじめの一行

プロローグ

「カンパーイ!」
渋谷浩介係長の音頭で警視庁捜査一課殺人犯捜査第三係の刑事たちは泡立ったビールで満たされたジョッキをぶつけ合うと一気に喉に流し込んだ。ここは新橋駅近くにある三係の連中がよく利用する居酒屋の座敷だ。値段の割に美味い料理を食わせてくれる。一つの事件が解決するとここでよく打ち上げをする。
「かーっ、うめえっ!俺はこのいっぱいのために生きてるって感じすよ」
事件解決の後に飲むビールは格別だ。靴のかかとをすり減らした聞き込みや連日にわたる張り込みのつらさもこのいっぱいですべてが報われる。なによりも被害者とその遺族の無念をわずかにでも晴らすことができたのだ。さらに言うなら悪を駆逐して正義を守った。

ドS刑事 三つ子の魂百まで殺人事件(七尾与史)

この文章に続く形で、主人公である代官山の回想がはいります。
過去に解決した事件を振り返っていく。

シリーズものである本作が、以前の話を持ち出すのにうまい展開だな、と思いました。

本書の内容

舞台設定

ヒロインである黒井ミサは警察組織ナンバー2の娘。
で、刑事。
たぐいまれなる洞察力で、次々と難事件を解決に導く。
しかも、黒髪、白肌の絶世の美女。
しかし、一つ難点がある。
それは、死体大好き。
グロ、ホラー映画大好きという性癖の持ち主。
なにより、殺人現場から遺留品を持ち帰ってコレクションにするというからたちが悪い。

そんなミサを監視し、ミサの捜査を推理するのがお目付け役の代官山の役目。
そんな設定ですが、今回もとんでもない猟奇連続殺人が起こります。

中学時代の黒井ミサ

実は、本作では中盤から、中学生時代の黒井ミサのエピソードが紹介されます。
その時に命の危機を体験したミサ。
さらには後半で、ミサの父親も出てくるので、オールスター仕様(笑)

あらすじとしては、スィーツ食べすぎ事件が発生します。
被害者は、拘束されて胃が破裂するまでスィーツを食べさせられて死亡した。
この時点で気分が悪くなりそうですが、そんな事件が次々と発生します。

ミサはピンと来たのでしょうか。
関連性を全く疑われていなかった他の事件と結びつけながら勝手気ままに操作をしだす。
そんなミサに振り回されながら、代官山も何とかついていこうと必死。
そんな物語です。

ますます黒くなるミサ

シリーズ一作目では、実は黒井ミサはちょっと危ない奴ぐらいの印象でした。
しかしまあ、本作ではかなり黒い(苦笑)
おいおい、それ、大丈夫か?と思うくらい黒い。
もともとそういう人だったのか、回を追うごとに進化しているのか。
そこはわかりませんが、謎のヴェールに包まれていたミサの周辺が少しずつ明らかになり始める。
今回はそういう意味では、ターニングポイントとなる一冊かもしれませんね。

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