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時間は存在しない

※私が読んだ本の書き出しとざっくりした内容を書き留める読書記録です


はじめの一行

もっとも大きな謎、それはおそらく時間

今わたしたちが語っている言葉ですら、
すでに猛々しい時が運び去り、
何一つとして戻りはしない。
(1.11)

動きを止めて、何もしない。何も起こらず、何も考えない。ただ、時の流れに耳を澄ます。これが、私たちが親しみ馴染んでいる時。私たちを荒々しく運ぶ時。秒、時間、年の流れはわたしたちを生へと放り出し、無へと引きずってゆく……。

時間は存在しない(カルロ・ロヴェッリ )

理論物理学の最先端を行く人が書いた本にしては、文学的な始まりです。
これはある意味狙っているのかもしれませんね。
物理という難しくてどこか無機質な内容を、もう少しウェットな感じで伝えますよ、と。

実際に、著者は本文の中で、「数式をできるだけ使わず(実際は一つだけ使っていますが)」自分の考えを伝える、と宣言しています。

本書の内容

時間は存在しない

本書においては、あたかも過去から未来へ一直線に流れるかのようなイメージを持つ「時間」というものについて深い考察を行っています。
そもそも、時間が私たちの感覚のように、一定の速度で進んでいるイメージが間違いであることは、アインシュタインが証明しています。
実際のところ本書でも、早い段階で、時間の進み方が一定でないことは明確にされています。
たとえば、平地と標高の高い場所。
止まっているときと高速で動いているとき。
これらは、時間が違う速度で進んでいることは確からしく、実際のところその時間のずれを織り込んだかたちで例えばGPSなどが運用されています。

そこからさらに、時間が存在しないことを本書では証明しようとしています。

しかし、残念ながら私の頭ではその過程があまり理解できず・・・。
読み終わって余計に「?」が増えた感じでした。

実際に本書の中では難しい数式はほとんど出てこないし、平易な言葉を使って説明されています。
だから、たぶん語学力の問題じゃないかと思うのですが、わたしにはピンとこなかった・・・

もう一度読み返す必要がありそうです。

(追記)時間に方向はない

さて、ここ以前のセクションを書いてから約1年たって本書を再読してみました。
まずは、時間は高い所と低いところなどで変わってくるというのはすでに書きました。
これは実際に高い山の上と、地面との間で精密な時計を観察することで実際に確認できた現象なのだそうです。

誰にとっても時間は同じ速さで進むという感覚を持ちがちですが、どうやらそうではないらしい。
そういう話から考えると、確固たる存在と思っていた時間がやけにあやふやなものに見えてきます。
じゃあ、時間はどこからやってきてどこに向かうのか。
簡単に言うと、過去からやってきて現在を経て未来に進むというのが一般的な認識。
しかしその感覚は事実とは大きなずれがあると言います。

過去の先に未来があるというのは実は間違いで、過去も未来も現在も同時に存在するのだと言います。
しかし、例えば過去の遺跡を現在目にすることはできるけど、未来の何かを私たちは眼にできないのはなぜでしょうか。
それを本書ではエントロピーの変化だと説明します。
この辺りの説明はやはり文系の私にはイマイチ理解できませんでしたが、そうなんでしょう(;^_^A

そして時間というのは、事物の移り変わりとして私たちは認識しています。
その事物の移り変わりを感覚的にとらえたものが時間であって、それは私たちの思考の中にしかないのだと言います。
そのあたりはもっと詳しく説明されているので、気になる方は是非ご自分の目で確かめてみてください。

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