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6時間後に君は死ぬ

※私が読んだ本の書き出しとざっくりした内容を書き留める読書記録です

はじめの一行

あれっ!?

鮮烈なタイトルですが、本文の書き出しは意外なものです。

あと六時間--
時計を見つめて、原田美緒は思った。
正確には、六時間と十分--それで二十代の前半が終わる。
行き交う人々を追い越すように、美緒は自然と早足になった。待ち合わせには余裕で間に合うのに、なんだかせかされているような気分だ。
もうすぐ二十五。四捨五入すれば三十。

6時間後に君は死ぬ(高野和明)

ミステリーなタイトルの割に、なんとなく揺れる乙女心な出だし。
女子が、10代、20代とどこか無為に過ごした時間を悔いるかのような空虚な感じと、6時間という短い命のむなしさをひっかけてでもいるのでしょうか。

本書の内容

映画化作品

この小説は、2008年に真木よう子さん、塚本高史さん出演として映画化されています。
映画化されるという事は、原作もそこそこ売れたのでしょう。
真木よう子さんふんする原田美緒は、渋谷で預言者という塚本高史さんに呼び止められるところから物語が始まります。
そこで美緒が耳にするのは、6時間後に自分が死ぬという未来。
そんな予言に半信半疑でありつつも、次々と身の回りにそれを予感させる事件が起こる・・・的な感じだったと思います。

小説自体も非常に面白いもので、最後まで飽きずに読める内容だと思います。

売れる要素

物語自体が面白いのはもちろんですが、この小説が売れた背景にはやはりタイトルがあったのではないでしょうか。
6時間後に死ぬ・・・なぜ?
君・・・だれ?
タイトルからして想像力を掻き立てます。
しかも、1年後でも、3か月後でもなく6時間という時間設定。

余談になりますが、余命3か月の花嫁であったり、コピーライティングでよく言われるセオリーは小説のタイトルにも有効なのかもしれません。
「具体的な数字を入れる」というのはキャッチコピーの定番ですものね。

さらに、物語が始まった瞬間、どこかおどろおどろしいタイトルとはアンバランスな乙女な書き出し。
物語は一体どうなっていくのか?という関心も引き付けられそうです。
そんなこともあって、売れるべくして売れた小説の一つなのかもしれません。

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