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情報を正しく選択するための認知バイアス事典

※私が読んだ本の書き出しとざっくりした内容を書き留める読書記録です


はじめの一行

監修者まえがきーーー「認知バイアス」とは何か?

一般に「バイアス(bias)」とは、折り目に対して斜めに切った布の切れ端のことで、そこから「かさ上げ・偏り・歪み」を差すようになった言葉である。
よく耳にする「バイアスが掛かっている」といういい方は、「偏った見方をしている」ときに使う。
「認知バイアス(cognitive bias)とは、偏見や先入観、固執断定や歪んだデータ、一方的な思い込みや誤解などを広く指す言葉として使用されるようになったわけである。

情報を正しく選択するための認知バイアス事典(情報文化研究所)

本書のまえがきは、「認知バイアス」という専門的な用語についての改札から始まっています。そもそも、本書のタイトルを見て手に取るような人は、少なからず「認知バイアス」という言葉を知っている人が圧倒的だと思いますし、なんとなくその言葉を使うこともある人でしょう。それでも私自身がそうである通り、認知バイアスという言葉をしっかり説明できるかと言えばかなり怪しい。そういった人たちにまずは基礎的な部分のすり合わせをしようとするのが、このまえがきの目的の一つなのかもしれません。

本書の内容

認知バイアスに対する三つのアプローチ

本書を手に取る人の多くは、認知バイアスという言葉を知っていて、ざっくりした概要を知っている人である可能性が高そうだ、という話をしました。ただ、そのなかでも多くの場合は心理学的分野で見聞きした内容ではないでしょうか。たとえば、

01 単純接触効果 / 03 ハロー効果 / 04 バーナム効果 / 05 ステレオタイプ / 11 心理的リアクタンス / 12 現状維持バイアス / 13 公正世界仮説 / 18 バンドワゴン効果 / 19 ダニング=クルーガー効果

なんていう部分は、私もよく知っているしいろんなところで耳にすることが多いと思います。本書が面白いのはこういった社会心理学的アプローチだけでなく、論理学的アプローチ、認知科学的アプローチなど、様々な学術分野から認知バイアスについて紹介されています。ここに目次をご案内しておきます。

第Ⅰ部 認知バイアスへの論理学的アプローチ
01 二分法の誤謬 / 02 ソリテス・パラドックス / 03 多義の誤謬 / 04 循環論法 / 05 滑りやすい坂論法 / 06 早まった一般化 / 07 チェリー・ピッキング / 08 ギャンブラーの誤謬 / 09 対人論法 / 10 お前だって論法 / 11 藁人形論法 / 12 希望的観測 / 13 覆面男の誤謬 / 14 連言錯誤 / 15 前件否定 / 16 後件肯定 / 17 四個概念の誤謬 / 18 信念バイアス / 19 信念の保守主義 / 20 常識推論第Ⅱ部 認知バイアスへの認知科学的アプローチ01 ミュラー・リヤー錯視 / 02 ウ サギとアヒル図形 / 03 ゴムの手錯覚 / 04 マガーク効果 / 05 サブリミナル効果 / 06 吊り橋効果 / 07 認知的不協和 / 08 気分一致効果 / 09 デジャビュ / 10 舌先現象 / 11 フォルス・メモリ / 12 スリーパー効果 / 13 心的制約 / 14 機能的固着 / 15 選択的注意 / 16 注意の瞬き / 17 賢馬ハンス効果 / 18 確証バイアス / 19 迷信行動 / 20 疑似相関第Ⅲ部 認知バイアスへの社会心理学的アプローチ01 単純接触効果 / 02 感情移入ギャップ/ 03 ハロー効果 / 04 バーナム効果 / 05 ステレオタイプ / 06 モラル信任効果 / 07 基本的な帰属の誤り / 08 内集団バイアス / 09 究極的な帰属の誤り / 10 防衛的帰属仮説 / 11 心理的リアクタンス / 12 現状維持バイアス / 13 公正世界仮説 / 14 システム正当化バイアス / 15 チアリーダー効果 / 16 身元のわかる犠牲者効果 / 17 同調バイアス / 18 バンドワゴン効果 / 19 ダニング=クルーガー効果 / 20 知識の呪縛

人間理解の誤りを知る

たとえば、人を動かしたいとき、多くの方は「このままでは大変なことが起きるから、違った行動を起こそう!」という流れをつくろうとしたがります。確かに、恐怖心をあおられるというのは人のモチベーションに強く作用する一方で、何かを強制されることで心理的リアクタンスが起きて上手く動けなくなることもある、という一面はあるかもしれません。こういった認知バイアスを考慮せずに作り上げられてきた仕組みはけっこう多いし、ビジネス上のマネジメントスキルはわりと間違いも多い。人とかかわるうえで人間理解は欠かせないことだと思いますが、その一助として本書を役立てる機会はけっこうあるような気がします。

また厄介なのが、いろんな錯視の例を私たちは知っていると思いますが、例えば棒の長さが同じとわかっていてもどう見ても違う長さに見えるというパターンがあると思います。解っていても見誤る。これくらい認知バイアスというのは私たちに偽の情報を信じ込ませます。世間で言われるフェイクニュースや陰謀論はあたかも本当であると見誤らせられるほどに巧妙であることもあるようです。そういった物に触れるに際して、認知バイアスがどう働くかを知っておいて損はないのかもしれません。

いやーーー、読書って素晴らしいですね。

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ちなみに私はこんな本書いてる人です。


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