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アランの幸福論 エッセンシャル版
※私が読んだ本の書き出しとざっくりした内容を書き留める読書記録です
はじめの一行
はじめに
アラン(本名 エミール=オーギュスト・シャルティエ)は、一九世紀から二〇世紀にかけて活躍したフランスの哲学者です。才気あふれる哲学教師としてアンドレ・モロワ、シモーヌ・ヴェイユらを輩出する一方で、アランのペンネームで数多くの本や記事を精力的に発表しました。
一九〇六年のはじめ、アランは地方紙に、毎日原稿用紙二枚程度の短い文章を書くようになりました。このコラムはPropos d'un Normand(あるノルマンディー人のプロポ)という見出しで、第一次大戦が勃発するまでの間、アランは論説を書き続けました。
本書の一行目は、本書の著者そして本書を解説する文章から始まっています。
書いた人アラン本人ではなく、出版社編集部の名前になっています。
そういう意味では、特に読ませようという意図があるというよりも、単にこの本の来歴をお伝えするためにあるという印象が強いです。
本書の内容
哲学というよりポエム
本書のまえがきには、こんな風に解説されています。
とりわけアランによる『幸福論』は、「哲学を文学に、文学を哲学に」変えようとする独特の文体によって日本でも昔からファンが多く
ということで、まさにこの哲学と文学の世界を行ったり来たりしているというのが印象としてはしっくりきます。
実は、このアラン以外にも例えば、ラッセル当たりの幸福論もまた有名ですがちょっと雰囲気が違うのでしょうね。
また、最近ではすっかりユーチューバーのイメージがついた中田敦彦さんも『幸福論』と題した本を出版されています。
この機会に、いろんな幸福論を読み比べてみるのも面白いかもしれません。
さて、アランの幸福論の話に戻りましょう。
哲学者ということから、なんだか難解なんだけど、それを理解すれば事の真実に近づけると言った、哲学特有の世界観はこの本からは限定的なような気がします。
短く区切られたテーマに対して、アラン自身の考え方をコラムか、ポエムか、といった様子で描き出しています。
これぞ真理だー!みたいな風景ではなく、私はこう思う風のテイストに感じられました。
だから、世の中の真理を解き明かしたい、という思いを持って本書を手に取ると、少し肩透かしを食らうかもしれません。
そのテイストを知りたい方のために、本書の中でも私が感銘を受けた一節をここに引用します。
157 笑いとばす
思い切って、ほほえんだり、礼儀正しくしたり、思いやりを示したりできる状況は、いつでも、いくらでもある。人込みでちょっと押された時は、わらいとばすことにしよう。笑うことで押しあいもやむはずだ。なぜなら、ちょっとかっとなってしまった自分に、だれもが恥ずかしくなるからである。そうすれば、なによりあなた自身が、本気でかっとなってしまうことーーーそれはつまり、ちょっとした病であるーーーを免れることが出来るはずだ。
こんな感じです。
名言集的な感じで読むのがいいのかもしれません。
いやーーー、読書って素晴らしいですね。
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ちなみに私はこんな本書いてる人です。
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