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Humankind 希望の歴史 下 人類が善き未来をつくるための18章

※私が読んだ本の書き出しとざっくりした内容を書き留める読書記録です


はじめの一行

上巻からの続き

少し前にわたしは、2013年に母国語であるオランダ語でつづった自著『進歩の歴史』を手に、腰を下ろした。それを読み返すのは苦痛だった。その本の中でわたしは、フィリップ・ジンバルドによるスタンフォード監獄「実験」を、何の非難もせず、善人が自発的に怪物(モンスター)にかわる証拠として取り上げた。明らかに、あの実験の何かがわたしの心を捉えたのだ。

Humankind 希望の歴史 下 人類が善き未来をつくるための18章(ルトガー・ブレグマン)

本書は以前紹介させていただいた本の下巻となります。ですから、まえがきも何もなくいきなり本文なのですが、意図してかせずか、けっこう興味深い話から始まっています。
というのも、このスタンフォード監獄実験というのは心理学の世界ではとても有名な実験で、未だに、一般書などでも繰り返し取り上げられているものです。内容としては、被験者たちを囚人役と看守役に分けて、そう言った制服を着せ、その役柄のように扱うと、次第に本物の囚人、看守として振る舞うという話。立場が人を変えるという内容だったかと思います。

しかし、本書ではその実験結果に対する疑義を持ち出しています。あれだけ有名な実験についての疑問点を呈したわけです。上巻でも取り上げられた話ですが、あえてここでもフューチャーしたのは、それだけインパクトがあるからでしょう。

本書の内容

性善説

本書の趣旨は、上巻で明確にされています。
上巻のレビューはこんな感じです。

下巻においても、様々な事実や実験結果をもとに、人が「割と捨てたもんじゃない」と思える話を論理的にしるしています。

たとえば、第一次世界大戦においては、敵対する兵士同士がクリスマスを祝ったという逸話があります。
これは都市伝説のように聞こえるかもしれませんが、実際にそんな写真や複数の人の証言が残っていたと言います。
色々調べてみると、戦場の最前線から遠のくほど、的への憎しみが大きかったと言います。
リアルに目の前にしたとき、敵も自分と同じ人間だったという事をあらためて感じることなのでしょう。
そして人間である以上、敵であってもそう簡単に殺し合いはできないという事なのかもしれません。

これは上巻での話だったと思いますが、実際の戦場で、兵士は敵を撃っていない人が多いということがわかっているそうです。
人は人を前にしたとき、そう簡単に撃ち殺すことはできないそうなのです。
しかしベトナム戦争などでは、薬を使って兵士を鼓舞したけっか、敵を撃った兵士たちが後にPTSDに苦しむようなことがあったのだとか。

人は結局残酷な生き物、という認識を改めたくなるこの上下巻。
是非ご一読いただきたいと思う一冊です。


いやーーー、読書って素晴らしいですね。

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ちなみに私はこんな本書いてる人です。


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