Humankind 希望の歴史 上 人類が善き未来をつくるための18章
※私が読んだ本の書き出しとざっくりした内容を書き留める読書記録です
はじめの一行
序章 第二次大戦下、人々はどう行動したか
本書のまえがきは、第二次大戦の際に人がとった予想外の行動を紹介しています。じつは本書の内容はその繰り返しと言えそうなもので、事実として認識されている事柄と、実際に起こったことのギャップを暴く一冊と言えそうです。そういう意味では、全体の内容を象徴する一部をまえがきに持ってきている一冊と言えるかもしれません。
本書の内容
人間は残虐な生き物なのか?
本書のテーマは、人は争わずに生きていけない生き物なのだろうか?ということ。そういった視点で、様々な歴史や事実を紐解いていくと、意外な事実が分かる。
ハリケーン・カトリーナがアメリカを襲ったとき、そこでは略奪やレイプが日常茶飯事に起こり、街は無法地帯だったということが言われていました。しかし、丁寧に資料を調べたところ、レイプの被害届もなければ、略奪が日常的に行われた事実もなかったそうです。唯一認められた略奪の事実は、警察官が主導となって行った、緊急避難的な食糧確保のための略奪だったと言います。
また、戦時中においても、アメリカ軍兵士が敵に対して銃を発砲した事実は意外と少ないと言います。線上にいながら、発砲しない塀が非常に多かったのだそうです。
さらに見ていきましょう。心理実験の中でもとりわけ有名なものの一つが、スタンフォード大学監獄実験と呼ばれるものです。これは、被験者を囚人役と、監視役に配役し、数日間を共に過ごさせます。すると、監視役はだんだんと態度が大きくなり、囚人役に対して暴力をふるったりするようになる。そして囚人役はどんどん卑屈になり、みじめな気持ちになってくるというのがこの実験。しかし、子の実験にはやらせがあったようで、その証拠も残っているのだそうです。本来ならこう言った実験は他の研究グループが追試するのですが、本件は倫理的に問題ありとされて、誰も追試をしていなかったので結局はじめの研究者の結果が正しいとされてきました。しかし、実際のところは……
ということで、人は争いを好み、残虐な生き物である、という考えは多くの人の心に植え付けられている特性だと思うのですが、実際のところはそうでもないんじゃないか、というのが本書の趣旨。人は性悪説をもとに社会を構成していますが、案外性善説が成り立つのではないかというお話です。
この上巻のみならず、下巻がありますので、後日またレポートさせていただきたいと思います。
いやーーー、読書って素晴らしいですね。
ちなみに私はこんな本書いてる人です。
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