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流れといのち──万物の進化を支配するコンストラクタル法則

※私が読んだ本の書き出しとざっくりした内容を書き留める読書記録です


はじめの一行

生きるべきか死ぬべきか---それは問題ですらない。生命は自然界における普遍的傾向だからだ。生命は、変化する自由を伴う物理的な動きだ。動くもの、流れるもの、突き進むものはすべて、配置や道筋やリズムを変えることによって、次第に動きやすくなる傾向と、動き続ける傾向を示す。進化するこの流動構成とその終焉(死)こそが自然であり、生物・無生物の二領域を網羅する。

流れといのち──万物の進化を支配するコンストラクタル法則(エイドリアン・べシャン)

なかなかに小難しい話から始まった本書は内容も小難しい。
海外の学術的な本らしく、まずは結論。
ということで、この結論に関心をもてるかどうかが、本書を手にとるかどうかの分かれ目なのでしょう。

本書の内容

コンストラクタル法則

本書の中心は、著者が1996年に著書に著した物理法則にあります。その名をコンストラクタル法則といいます。これは、生物・無生物を問わず、万物はよりよく流れる形に進化するという法則。
たとえば、川の動きが、木の成長や、肺に通る血管と言ったものの形が似通うのは、この法則に則っているからだ、と著者は言います。

著者によると、「この世界はエネルギーや水が尽きかけてなどいない」といいます。
サハラ砂漠には太陽の熱が降り注ぎ、今後の熱帯雨林には豊富な降雨がある。
大事なのは絶対量ではなく、人間が居住する空間にこれらの「流れ」を生き渡されることだと言います。

つまり、今、世界で喧伝されている危機などコンストラクタル法則の観点から見ると起こっていない、というスタンスをとるようです。

様々なところで目にするコンストラクタル法則

このコンストラクタル法則を可視化する中で比較的よく上げられるのが、先ほど示した川の動き、木の成長、肺に通る血管など。
物事は、流れやすくデザインされ、さらにより流れやすく大量に流れるように進化していく。
そういった過程が本書の中では、論じられているわけですが、例えば組織などにおける情報伝達や、権力構造にも同じ考え方が当てはまると考えられます。
ある経営コンサルタントは、このコンストラクタル法則を根拠に、今はやりの「ホラクラシー経営」はあまりうまくいかないのではないか?と考えているようです。
この辺りは、今後の結果を見ていきたいところですね。

S字カーブ

本書の一つのキーワードが、S字カーブ。
マーケティングを学んだ人ならば、商品のライフサイクルについてのグラフとしておなじみの、あのS字を横にしたようなグラフです。
本書でもそのグラフがふんだんに使われています。
そもそも「物ごとは流れやすい方向へ流れる」「流れやすい形にデザインを変えていく」という本書の基本的な考え方を説明する際、一瞬でそう変わるわけではもちろんないわけです。
それらが次第に最適化されていく動きが、ある一点で観察するとS字カーブに乗るような形で減少の変化が生じていく、という話。
こちらも重要な要素なので、頻繁に出てきます。

私にとっては「難しい」

ということで、序文で好奇心満々になった私。
その内容をより深められるのだろう、と期待して本文を読み始めると・・・
けっこう難しい。

一文一文が難しいというより、「この文はいったい何を言いたいのだろうか?」というところがつかみにくかったのです。
まあこういう感想は私だけかもしれません。
こんどはもう少しじっくりゆっくり読んでいこうと思います。

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