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サイレント・ヴォイス 〜行動心理捜査官・楯岡絵麻

※私が読んだ本の書き出しとざっくりした内容を書き留める読書記録です


はじめの一行

唐突に出てくるシーン

タイトルや、表紙からイメージする内容とはかけ離れたシーンからこの物語は始まります。
割と映画なんかで使われる手法ですね。
日本の小説の場合、初めの数行で登場人物紹介が終わるケースが多いのですが、最も重要なキャラクター楯岡絵麻の紹介はここではまだ始まりません。

こういった、違和感の演出は、次を読み進める工夫の一つなのでしょうね。

「ところでさっきから気になってたんだけどさ、お姉さん、歳いくつなの?」
「いくつに見える?」
「来たよ、質問に質問返し、参ったわぁ・・・えっとね、二十六!いや、五!」
「ブーッ、残念でした。でもそんなに若く見えるなんて嬉しいな」
「ってことは、もっと…上、ってことだよね、ね」
「もういいじゃない。レディーに年を訊くなんて失礼よ」
「そりゃないよぉ。ここまで来てお預けはないでしょ」
まるでキャバクラの客とホステスだ。背後のやり取りに西野圭介はうんざりと息をついた。こんな内容でも記録するべきなのだろうか。逡巡をよそに、条件反射的にキーボード上を駆けてしまう指先が恨めしい
「まじで?お姉さんおれよりひとまわりも上なの?ってことはー」
「はいはいはい、それ以上は禁止ぃっ」
男の笑いが弾けた。妙に甲高い声が耳障りで、思わず眉をひそめてしまう。

サイレント・ヴォイス 〜行動心理捜査官・楯岡絵麻(佐藤青南)

本書の内容

行動心理捜査官

この本のだいご味は、心理学に精通した楯岡絵麻の取調べシーン。
被疑者の言葉ではなく、小さく表れる被疑者が隠すことのできない小さな変化を読み取ります。
多くは、マイクロジェスチャーと言われる小さな仕草です。

嘘をつこうとしても、無意識に小さくうなずいてしまう。
そんな機能(?)が人にはあるようです。
嘘をつこうとする脳とは別に、大脳辺縁系という器官はうそが付けない。
しかも、反応が早いものですから、意識して嘘をつく前に体を動かしてしまう。
その小さなジェスチャーからウソを見抜き、自供率100%を誇るというのが楯岡絵麻の特殊技能。

彼女が解決する事件と、どこかストレートな西岡の物語。

以前、このシリーズの最新作をたまたま読んだのですが、妻に貸したところ妻がハマりました(笑)
おかげでシリーズ全作をそろえることになったのですが、これはその第一弾。
なかなか面白かったように思います。

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