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亀裂 創業家の悲劇

※私が読んだ本の書き出しとざっくりした内容を書き留める読書記録です


はじめの一行

はじめに

この国の繁栄を象徴する銀座4丁目交差点を静かに見おろす気品に満ちた時計塔―――。テレビのニュース映像などで頻繁に写される場所だから、恐らく日本人のほとんどがその姿を一度は見たことがあるだろう。2022年6月に「SEIKO HOUSE GINAZA」へと名称を変更した「和光本館」は、東京都心において戦火を免れた数少ない建造物の一つである。

亀裂 創業家の悲劇(高橋篤史)

象徴的な建物を題材にし、企業の栄枯盛衰をテーマとした本の一行目に持ってい来る、というのはインパクトがあります。
この本、なんとなくこの書き出しが決め手となって私は購入しました。

本書の内容

本書への期待値をどこに置くか?

本書を手に取る際、私はある期待値をもっておりました。
それは、お家騒動の背景にあるものです。
何が起こったかよりもそれが起こる背景に何があったかです。
それは、創業者の専制支配的なマネジメントだったかもしれないし、後継者が放蕩息子だったからかもしれない。
そういったことを複数の事例から分析し、共通する何かをあきらかにする…というビジネス書チックな仕上がりを期待していました。
しかしそういう期待値だと、ちょっと物足りなさを感じる方もいらっしゃるかもしれません。

これは簡単に言うと、報道の一巻なんだと思います。
事実を調べ上げて、その記録をもとに何があったかを伝える。
言ってみれば週刊誌の特集記事をよりリッチにして、一冊にまとめたという感じでしょうか。

だから、何が起こったかを知るという事についてはとても力の入った本ですが、そこを考察するものではないという事を認識したうえで読み始めるのがおすすめです。

創業一家に何が起こったのか?

ということで、本書は有名な創業者の会社に何が起こったかを、取材をもとに記した一冊。
セイコーの服部家、国際興業・小佐野賢治、ロッテ・重光武雄、ユニバーサル・エンターテインメントの岡田家、大塚家具の大塚家、大戸屋の三森家、ゲオの遠藤家など。
彼らの、まさに栄枯盛衰をつぶさに目撃することで、その内面に何が起こっているのかを推測することは可能じゃないかと思います。
実はこの辺りの問題は、表面的に見える部分と、見えない部分にある闇との関連性があったりもします。
たとえば、親子でまさに命の取り合いともいえるぐらいの争いを行う背景には何があるのか。
創業社長の人物像をもう少し掘り下げていくと見えるものがあるんじゃないかな、と思ったりもします。
そんな入り口としての知識・情報収集には使える一冊と言えそうです。

いやーーー、読書って素晴らしいですね。

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ちなみに私はこんな本書いている人です。


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