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ニュータイプの時代 新時代を生き抜く24の思考・行動様式

※私が読んだ本の書き出しとざっくりした内容を書き留める読書記録です


はじめの一行

はじめに

「20世紀的優秀さ」の終焉
本書のメッセージをまとめれば、次のようになります。20世紀の後半から21世紀の初頭にかけて高く評価されてきた、従順で、理論的で、勤勉で、責任感の強い、いわゆる「優秀な人材」は、今後「オールドタイプ」として急速に価値を失っていくことになるでしょう。一方、このようなオールドタイプに対置される、自由で、直感的で、わがままで、好奇心の強い人材=「ニュータイプ」が、今後は大きな価値を生み出し、評価され、本質的な意味での「豊かな人生」を送ることになるでしょう。

ニュータイプの時代 新時代を生き抜く24の思考・行動様式(山口周)

いきなりのカウンターパンチというか、イキナリ結論です。
明確な結論を提示して、その理由を示していくというどことなくアメリカンな様式は、著者が長年コンサルティングに携わったからでしょうか。
まあ、それはどうでもいいとして、その結論というのがインパクト大。
これまで、当たり前と考えられていたことが、もはや違う世界が広がっているんですよ、というメッセージは否が応でも、人の眼を惹きつけて話しません。


本書の内容

「役に立つ」と「意味がある」

本書の早い段階で、世の中で価値あることが何なのかが変わってきていることを説きます。
これまでは、「役に立つ」ことがとても重宝された時代でした。
これはたとえば、製品のスペックがいい、軽い、小さい、速い、説いた感じでしょうか。
携帯電話は、旅行鞄ぐらいのものに始まって、今やポケットに収まるサイズ。
薄型で、電話のみならず、ネット検索やら健康管理までできてしまうものになりました。

そうやって、すべての製品が役に立つという方向で、どんどん進化してきました。
すると、すべてが同じ方向に進むことにより、起こってきたのは役に立つ合戦に限界が訪れます。
そして、役に立つものは、たくさん作られる。
次第にそれは価値を失い(というか当たり前になり)、消費者の心をつかむことができなくなってきました。

そこで重要なのが、意味があるという事。
たとえば、ブランドのバックグラウンドに流れるストーリーであったり、
実用度はほどほどでもそこに強い個性を感じる物であったり、
誰も同じものを持っていないという希少性であったり。

そこに何かしらの意味があるものが、選ばれ、価値を与えられる時代と言います。

問題を解消するのではなく設定するリーダー

さらに本書では、現代においては「問題」が不足していると言います。
これまでは、明確な問題があり、それを解消するために多くの人が腐心してきました。
しかしその問題がだんだんと、わかりやすいものではなくなってきた。
というかその本質が見えにくい状況なのかもしれません。

これからのリーダーに必要なのは、問題を設定する能力と言います。
これが厄介なのですが、問題を設定するには「考える」という事が不可欠になってきます。
これまでは、誰かに提示された問題を解決する、つまり正解を探す作業でした。
しかし今の時代は自ら考え、問題を設定することこそが重要だと言います。

いわゆる近年のビジョナリーな会社におけるミッションこそは、その問題設定がある、という事なのかもしれません。

おかしいものはおかしいと声を出す

権力を持ったオールドタイプのモラル崩壊がとまらない昨今。
いえ、むしろ、かつてオールドタイプがモラルを蹂躙してやったことを、ニュータイプが暴き出しているのが今の企業不祥事の本質かもしれません。
そう、今はニュータイプの行動が求められています。
かつてためてきた膿を出すタイミング。

大きな歴史的イベントも、名もなき人の小さなムーブメントから始まったものというのはけっこう多いものです。
インターネットのなかった時代にそのような動きがあったわけで、今の時代ならますますその動きは広く早く伝わっていくに違いありません。
自分の考えから大きくずれた世の中があるとき、その不満を愚痴って済ますのはオールドタイプ。
ニュータイプは、声を上げます。
たとえば、#me too といった運動のように、一人の行動が世界を巻き込むこともあります。
そうやって新たな時代を切り開く人こそ、ニュータイプであり、これからはまさにニュータイプの時代。

そんな風に著者は言っているように思います。

多くの人にお勧めできる一冊

さて本書の感想としては、当初、ちょっぴり哲学書か?と思うような印象を受けました。
ええ、それくらい哲学チックではあるのですが、読みにくいわけではありません。
とても読みやすく理解しやすい。
だけど内容は、哲学書のような重量感を持っています。

結論は、冒頭に明確にされています。
オールドタイプ、ニュータイプと、ステレオタイプな表現をしているのはまさに、時代の変化をハッキリと伝えたかったからなのかもしれません。
本書の考え方は、もう少しライトな形で、たとえば、落合陽一さんや、ホリエモンも言っているものです。
しかし、ここまで根拠を示しながら論理的に書かれた本はあまり見受けられません。

逆に言うと、本書の内容にイマイチピンとこない人は、オールドタイプの傾向が強いのかもしれません。
え?わたし?
私はたぶん、ニュータイプになりたいオールドタイプの人なのかもしれません(苦笑)


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