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心理学・脳科学の実験や知見をご紹介

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使える心理学・脳科学の知識を集めました。
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#幸せ

「幸福」は「解釈」

一言でいうと現実をどう受け止めるかが大事 活用シーン人生 内容幸福度の高い人は良いできごとを思い出しやすく、出来事をポジティブに解釈する傾向がある[Seidlitz&Diener ,1993] 日常生活の平凡な経験も「満喫する」態度を持つようにすると満足度が高まる[Bryant&Veroff,2007] 『幸せのメカニズム 実践・幸福学入門』 前野隆司 色々と考えると、人間の内側に起こる反応って、自分が責任を持つべきことです。良くするたとえですが、「虹が出た!」とい

健康だと思い込めば幸せである

一言でいうと楽天家バンザイ! 活用シーン幸福な人生 内容健康は幸福に強く影響するのですが、もっと強く影響するのは「自分は健康だと思っている事」 [Larsen,1992] 『幸せのメカニズム 実践・幸福学入門』 前野隆司 幸せに関する研究がいま、盛んにおこなわれています。 そして、幸福と健康というのが非常に関連性が深いというのは、感覚的に理解できるかもしれません。しかし、ちょっと衝撃的なのは、健康そのものというよりも、健康であると自分が信じていることがとても大事なのだ

「もっと」病にかかると、何を手に入れても幸せになれない?

一言でいうといつも後悔する人と、しない人がいる 活用シーン意思決定 内容心理学者バリー・シュワルツの研究。 人は選択の結果に対して、一定の受け取り方の癖がありそれは大きく分けて二つのグループがあると言われています。 マキシマイザー(完ぺき主義) いつも最高の結果を求め続けるタイプ。 サティスファイザー(完了主義) 最高でなくとも、ある程度の結果で納得できるタイプ。 『後悔しない超選択術』 メンタリストDaiGo 前者のマキシマイザーというのは、たぶん「もっと、もっ

お金と幸せの相関関係

一言でいうと一定程度豊かになればお金と幸福に相関関係はなくなる 活用シーン人生の目標 内容経済学者リチャード・イースターリンによる研究。 1946年のアメリカ人の幸福度と、1970年の幸福度を比較する研究を行った。 その間、生活水準は50%近くアップしていたにもかかわらず(1970年には、ほぼすべての家庭に車と冷蔵庫と洗濯機があり、蛇口からお湯も出るようになっていた)、幸福度にはほとんど差がなかった。 この現象は「イースターリンのパラドックス」と呼ばれている。基本的な需

「暇」という苦痛、「やることがある」歓び

一言でいうと何もすることがないのは結構つらい 活用シーン充実感 内容クリストファー・シーが行った調査(2010年) 被験者に記入済みのアンケート用紙を届けてもらうことにした。 A:届け先を歩いて往復15分かかる場所に指定した B:部屋のすぐ外に届けてもらうもののそこで15分待つ場所に指定した 上記二つの条件を被験者に選ばせた。 実験は2回に分けて行い、1回目のグループには、どちらの届け先を選んだとしても、同じ菓子を提供し、2回目のグループには、2つの選択肢のどちらかを

予測不可能を楽しむ心構えこそが幸せのコツ?

一言でいうと予測不可能は「楽しい」 活用シーン成長 内容グレゴリー・バーンズの研究(2001年) コンピューター制御装置を使い、人の口に水かジュースを注ぎ、その時の脳をfMRIでスキャンした。 研究者は、実験前に、被験者の好みによって、脳に活発な動きがみられると仮説を立てた。 たとえば、ジュースが好きな被験者はジュースを与えられたとき、側坐核(楽しいできごとを経験するときに活性化する脳の領域)に活発な動きがあるだろう、と。 しかし、その予測は外れた。 側坐核が最も

幸せの基準はどこにあるのか?

一言でいうと幸せの基準 活用シーン幸せの感じ方をコントロールする 内容ドイツでの学生を対象に行われた実験。 参加した若者に、次の二つの質問を含む質問票に応えることが要求された。 【パターンA】 ・あなたは最近どれくらい幸せですか? ・あなたは先月何回デートしましたか? 【パターンB】 ・あなたは先月何回デートしましたか? ・あなたは最近どれくらい幸せですか? 結果は、Aのパターンでは、デートと幸せに関する相関関係はまったく見られませんでした。しかし、Bの順序の場合

笑顔を作れば楽しくなる

一言でいうと楽しいふりをすれば楽しくなる 活用シーン自己啓発 内容大学生に鉛筆を加えたままマンガを読み、面白さの度合いを評価してもらった。 横向きの鉛筆をくわえたグループ(自然と顔が笑顔になる)は、たて向きで鉛筆をくわえたグループ(自然としかめっ面になる)よりマンガを面白いと感じた。 別の実験では、オーディオ装置の音質チェックと称して、被験者にヘッドホンでメッセージを聞くよう指示した。音のゆがみを調べるために、聴きながら頭を何度も動かすよう指示があった。 被験者の半