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お土産の寿命

先日私の実家に置いてあった学生時代の私物をいい加減に持っていけと親からお達しが来た。

ダンボールが何箱かあり、しぶしぶ自分の家へ持って帰った。
それを開けると学生時代のノートやら、アルバムやら、教科書やら、人からもらったお土産やら、思い出の品が出てきた。
当時私はアメリカの高校に留学していたので、現地の学校で使っていたノートやらを、チラシまでも丁寧に取っておいていたので量が多かった。


さて、これをどうするか。
私はそういった思い出グッズの品々は捨てるようにしている。例えば卒業アルバムなども容赦なく捨てる。必要になれば他の同級生の誰かに見せて貰えばいいと思っているからだ。
また、人から貰ったお土産も捨てる事が多い。
もちろん貰った後にいきなり捨てるわけではなく、何年か経った後に捨てる。

そんな中でアメリカ留学時代に現地で貰ったグッバイギフト(日本語で言うところの餞別)もいくつか出てきて、ドサドサと捨てていったのだが、ひとつだけ、うーん、これはどーすっかな…と躊躇して捨てられない品物が出てきた。

それがこれ↓

今となっては懐かしい、3DSという任天堂のゲーム機だ(2010年発売)。

ただの何ら変哲の無いゲーム機だが、これは私がアメリカの高校にいた頃の同級生であるビショップという男がくれた物なのだ。

ビショップ氏(授業中)

彼は学校内でもなかなかのギーク(オタク)で、暇があれば常にゲームをしていた。特に日本のアニメ・ゲームには精通していた。日本からきた私に積極的に話しかけてくれた。
現地で私は友達が全く居なかったので、学校のことで何か分からない事を聞く事ができた。そんな人1人でも居るだけでかなり頼りになった。
放課後にご飯を食べに行ったり、一緒にプラプラする仲だった。

ちなみにこの写真を日本にいる私の家族に送ったら…

名前はComic Book Guyというらしい。

アニメ「ザ・シンプソンズ」に出てくるキャラに似てるねと、この画像と共に返事をよこした。たしかに似ている…。

かなり大きい人で、身長は190cm程あった。靴は30cm。


話を戻してこれが、私がアメリカから離れる際に彼が涙目で渡してきた餞別3DSなのである。


傷が多い…

あの大きな手でプレイしていたせいか、ボタンがやや擦り減っている。タッチパネルもガビガビである。だいぶ使い込んでいたようだ。垢も溜まっている(気がする)。
受け取った時はなんじゃこりゃ!とギョッとしたが、日本オタクである彼が任天堂のゲームをくれるという行為は、彼にとって最上位の餞別をしてくれたのだろう。

それから10年が経った。しかしなかなかゴミ箱には入れられずにいる。

この3DSだが、貰った当時から一度も電源を付けた事がない。その理由は

彼は充電ケーブルはくれなかったからである。
写真にあるゲーム機本体だけをそのまま渡してきたので、充電が切れればただの青いオブジェと化すのである。
いかに彼が3DSを渡すことを意識していたかが読み取れる…。忘れてたんかな。
やっぱ捨てよーかな…。


おわり


追記
ご本人から連絡がきた↓翻訳したようです。

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