7月読書記録「水の月」「しずかな日々」映画「ベイビーブローカー」

7/10日曜日、暑い日、投票を終えて、9時半から130分「ベイビーブローカー」を観てきた。夫のほうが熱心に観ていたかもしれない。私は途中、眠りそうになる。。そう、私にとっては途中眠くなるのが是枝さんの映画なのだ。「海街ダイアリー」は大好きで2回も3回もみているのだけれど。

若い俳優さんたち4人の演技も素晴らしいのだけれど、ソンガンホさんのうさん臭さと優しさと哀しさと可笑しみのある存在感は圧倒的で映画の価値を引き上げてくれていると感じる。生後間もなくの赤ちゃんウソンくんの演技のすばらしさは言うまでもない

監督が韓国を取材中に出会った男の子の「生まれてきてよかったのだろうか」という問いに向けて作った思いもあるというラジオでの話を思い出すと、少々出来すぎかなという思いは横に置いて、結末に納得したいし、美しい映画だったなあと思う。終わり近く、山々の美しい風景の描写に感動。(私は山派)

ソンガンホさんのような日本の役者さんはだれだろう・・と考えていて・・大泉洋さんがもう少し歳重ねて体格をよくしたら、ソンガンホさんのような雰囲気にならないかしらーーと夫に言ってみた・・夫は無言だった

★★★

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幼いころに両親の離婚により離れ離れで人生を歩んでいた、妹千秋36歳、姉百花39歳の交流がはじまった。二人の母はすい臓がんステージ4で闘病中。千秋は26歳で家を出て30歳で結婚、32歳で出産 2019.8月~2023年8月の4年間の往復メールのみで完成された小説。後半2/3は母が亡くなった後の二人の人生が描かれていたことが新鮮。亡くなったところで終わる小説を読んでいたことが多かったように思うので。メールをやり取りする中で二人とも自分自身を見つめなおし、行動し、変化していく様子が羨ましいほどで、読み終わったあと「私自身は4年の間なんの進歩もない・・」と落ち込んでいる。
心に残る言葉もたくさんあった「私たちは余命を生きているようなもの」「傷つく勇気もなかった」「大事なものを持っている人は強くなる」「欲が人を動かしている」「まだ死にたくない(母)」(・・終末期では「死なせて」と娘たちにすがる場面がある。胸が苦しくなった)
「(父は)自分本位なひとだけれど、百花ちゃんのためなら自分を捨てられる、愛ってそういうことだと思う」「誰かの幸せが別のひとの不幸になる」「今の感情に振り回されないで生きていきたい」「(もう話もできない母の看取りについて看護師さんは)目を見て話しかけてください」

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夏になると読み返したくなる本があってその中の1冊。小学生は6年間は、1年1年の経験や思うこと感じること体の成長など変化が大きい。小学5年生の男の子と母方のおじいさんとの夏休みの暮らしを大人になってから振り返っているお話。読んでいる間ずっと涙が出そうで出ないという状態になる、どきどきしたりはらはらしたり、男の子の母に少し怒りと悲しみを感じたり、そうかと思えばくすくす笑えたり・・と静かな気分ではないけれど、心地よい。起きて朝ごはんを食べてラジオ体操に行って掃除をして・・というなにげない日常の繰り返しが心身を整えてくれるのだということを教えてくれる。だから時々の小さなイベントが強く記憶に残ってくれるのかもしれないなといろいろなことを思う、

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