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ヴァンパイアパーティ②【シチュボ台本】

(シチュボ台本、11分ほど) こちらは、Stans.fmの、おとぼけ姉さんによるハロウィン2023企画「ヴァンパイアパーティ」のために書いた、二人用シチュボ台本となります。

⚠官能&BL要素、多めですので、ご注意ください

あてがきのため、企画参加者の名前などが登場しております。この台本に関しては、お使いになる際には、あらかじめご相談くださいね。

登場人物

  • 理人(♂🦇):若きバンパイア。

  • 馨(♂👤):超常現象研究所の所長。

テキスト版

理人:(独り言)うぅ…あれからもう何週間もたつのに…。なんなのだ、この激しい乾きは!勢いに任せて、血を吸った。軽いノリのおとこたち、やさしいおんなたち。なのに、満たされない。何故、こんなにも血に飢えつづけるのだ?そして、彼らをもこの闇の中に落とすのか?
どうすりゃいいんだ。

(場面転換。店の中、あるいは公園のベンチ)

理人:ふぅ…(と腰を下ろす)
馨:おや、こんばんは
理人:あ、あんたは…たしか数日前に…
馨:そう、闇の中で、君に初めて声をかけたのはボクだったね。元気だったかい?
理人:いや、あの…(適当なセリフで口ごもる)
馨:ふっ、愚問だったか…。青ざめているね?
理人:いえ、大丈夫ですよ!それに、これは俺の問題やし…
馨:どうも辛そうに見えるのだが?
理人:もう、こんなのが日常なんでね。(あ~もう、襲ったろかいな)
馨:そう、君の日常…いつから君の日常はそうなったのかな?興味深いね。
理人:勝手に興味持たれても困るんだが?
馨:ふふ。そうですね。まあ、ボクは不思議なことどもにはちょいと詳しくってですね。そちら方面の研究所の所長をやっていたりします。
君の助けになれるかもしれない。気が向いたら、尋ねてきませんか?どうぞこれを
理人:名刺…?「助け」ってのが、何だかわかってるのかい?(なかば、誰に言うともなく)
馨:いや、実に興味深い…。このところ、この界隈でどうも不思議なことがおこってるからね。いや~、君と会えてよかったよ。ではボクは、これにて…
(間)
理人:なんだったんだ…あいつのほうがよっぽど不思議だよ。ああ、さらにひどくなってきた。何故おれは満たされないのだ?他のバンパイアたちとは何が違うのだ…
-
(場面転換。研究所)
馨:よくきたね。ここに来たということは…つまり君は――
理人:そうだよ!おれを助けるなんて、大言壮語したやつは――
馨:やはりね。まあ、おはいり…
理人:ああ、そうだよ!おれは自分をコントロールできなくなってんだ。数週間前から、この飢えがおれを駆り立てて…だから、ここに来たのも――
馨:まずは珈琲でも入れようか。それともクラシックに赤ワインといくかい?
理人:おれは…
馨:くるしそうだね。水も持ってきてあげよう。
理人:(独り言)おれに背を向けるとか…
馨:(少し遠くから)襲うなら今のうちだよ。
理人:いや、そんなこと…う、でも…
馨:(戻ってきて)そう、君は襲わない。了承していない相手はね。ほら、美味しい水だ、ゴブレットに入れると水も奇麗に見えるねえ
理人:う…
馨:さて、お前は、いくたび、血をすすった?
理人:幾たびもだ!
おんなの血も、男の血も、女神の生き血さえも…
馨:でも、お前は満たされない。
理人:ああ、だから繰り返すしかないんだ!
今この瞬間も、おれがあんたにとびかかって…
(間)
理人:あんたはおれを恐れないのか?
あんた、本当に人間なのか?
馨:人間、だと思うんだがね(苦笑)とはいえ、知的好奇心があまりに強くて、生存欲求さえも上回ってしまってるかも。まあ、好事家、ディレッタントとしか言いようがない。
そしていまここに、目の前に、とびっきりの謎、とびっきりの超常現象がいるではないか!
理人:おれは、おもちゃじゃないぞ
馨:そこでだ、君は飢えている。
理人:そうだ!
馨:君は喰らった。だが、満たされなかった。
理人:そうだ!なぜおれだけ…
馨:君は、血を吸うのみでは、満たされない。
理人:そうだ!なぜ…これでは、永遠の命も、単なる呪いだ
馨:死を恐れぬものは、生を知らぬ。
おまえはいつから、死ぬことを、そして生きることを忘れた?
理人:なぜおれをそこまでもてあそぶのだ。
ああ、血の誘惑で、くらくらしているというのに。
馨:ボクは、理解したいのだよ。
そして本当に理解するとは、そのものと一体になること…
たとえば、ここで、ボクの指先を微かに切って…
理人:おお!
馨:この美しいゴブレットの水にほんの一滴の血を…
理人:なんとかぐわしい!
馨:待て!お前にはこの血がどのように見えている?
理人:よこせ!(ピシっと叩く音)
あ~、血は、光みたいなんだよ。輝いていて、かぐわしくって
日の光を見れなくなったおれには、唯一の光みたいなものなんだよ~
馨:なるほど。では、飲むがよい
理人:(ごくごく)ああ、なんと…
馨:ほんの一滴でもわかるものなのだな。
瞳の色が変わったかな
理人:もっとだ
馨:では、この指先の一滴の血を…ほら、丸く盛り上がった。
すすってみるかい?
理人:おお、これが(ぺろり)ああ、何とわずかな。もっと
馨:Stop
理人:えっ(思わず動作がとまってしまう)
馨:もっとほしいんだね
理人:もっと、もっとなんだ
馨:そう、ではボクの言うことをきけるかい?
血のみではおまえは本当には満たされない。
理人:なんでもいい。おれに血を
馨:ではそろそろ真剣勝負だね。ここから先は、もうお互い、元へは戻れないよ…
これからボクの命令に従うというのなら、ほら、この手首から…
理人:おお
馨:まずは、従うと約束するんだ
理人:分かった、いうことを何でも聞くよ
馨:よし。この手首から吸いたまえ
[吸血シーン①]
馨:Stop!
理人:えっ、なんで…
馨:ボクの言うことをきくのだろう…
そう、血のみではないのだよ、おまえは…
ボクの足元に座りなさい。
理人:えっ、ああ、はい
馨:そう、いい子だ。どうしたい?
理人:う~…う~…
馨:言ってごらん。
理人:おれは…思いっきりあんたの血を吸いたいんだ。でも。あんたが言うことをきかなきゃいけないって言うから
馨:そう、ボクが許可したら吸ってもいい。これからも。
そう、ボクが言うのさ、我が血を吸えと。そしてお前はそれに従う
理人:(ぼうっとなりながら)はい。
馨:おまえは支配されることで、はじめて心から安心するのだ。
さあて、いよいよいくか。
おまえはボクの命(めい)に従って、この血を飲み、その血がおまえを満たし、そしてようやくおまえは満たされるのだ。
理人:はい
馨:よし。ではこの首筋から血を…。
[吸血シーン②]
(最後には、理人が感極まってハテることをにおわせるも可)
 
 
理人:ああ、真に満たされるとは、こういうことだったのか…

音声版

後ほど追加します

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