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noteライブ「#有賀さん教えて!」おこたえレシピ4品

21日に行われたオンラインイベント『料理のお悩み相談会#有賀さん教えて!』ご覧くださった方、ありがとうございました。当日ご紹介したレシピをこちらに詳しくご紹介します。

お悩みその1:家族と味の好みが違う!どうしたらいい?(さつきさん)

まずは、鶏肉が食べられないというお母様と二人暮らしの、さつきさん。聴いてみると、鶏の脂や見た目がダメで、鶏のだしはOK、ささみや鶏ひき肉は大丈夫なんだそうです。そこでご紹介したのが、こちら。

好みの違う家族でも一緒に食べられる
湯引きレタスの親子スープ

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材料(2人分) 所要時間40分
レタス 1/2玉
鶏手羽先 4本
鶏ささみ 1~2本
しょうが30~40g
塩 小さじ2/3
醤油 大さじ2
酢 小さじ1
ごま油 小さじ1
水 1000~1200mL
※完成写真は、手羽先だけのものです

1.鶏手羽先でスープをとる
鶏手羽先を鍋に入れ、ひたひたの水を加えて中火にかける。アクがたっぷり出たら一度湯を捨てて洗う。
肉を鍋に戻して水1000mLと塩、しょうがの薄切りを加えて再度中火にかける。沸騰したら弱火に落とし、途中で水があまり減るようなら足しながら、30~35分ほど煮込んでスープをとる。

鶏ささみは筋を取って薄いそぎ切りにし、スープでさっとゆでて取り出しておく。

2.しょうがだれを作る
小さな器に、醤油、酢、ごま油を混ぜ、しょうがの千切りを加えて、たれを作っておく。

3.レタスを加熱する
レタス1/2玉は半分に切り、水に浸してパリッとさせ、水気をよく切る。
スープができたら鶏手羽先を先に盛り付けてしまい、スープの鍋にレタスを入れ、1分半~2分ほど上下を返して煮る。ささみを戻してあたためる。
レタスとスープを皿に一緒に盛り付け、たれを添えて食べる。

【お悩み解消ポイント】

だしがしっかり出る手羽先でスープを作り、お母さまでも食べられるというささみを具として加えました。ささみは煮すぎると固くなってしまうので最後に薄く切ってサッと煮ます。生姜のたれで、鶏の臭みも消えます。

嫌いなモノといっても、どの程度嫌いなのか、どこが嫌いなのかによってずいぶん違います。100%ダメなものを無理に食べさせるのはかなり高度なワザですが、食べ方によって大丈夫という場合は歩み寄りの方法がありそうです。今回は、苦手な脂のないささみを具として加え、二人で食べわけができるようにしました。

好き嫌いは本当に感覚的なもの。もしこの方法がダメでも、入る角度が違っていただけかもしれません。ああやっぱりダメだとがっかりすることなく、ちょっと時間をおいてから、また別の方法をさがしてみましょう。

あと、これはライブの時にお話し損ねたことなのですが、嫌いなものこそ、いいものを。野菜なら旬のもの、肉や魚も新鮮なものを扱っているところで買いましょう。おいしい状態のものを食べてもらうことが大事です。

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お悩みその2:専業主婦のお母さんのごはんを食べてきた相手に、ごはんとスープだけの食事が受け入れられる?
(カナコさん)

どういうことかといいますと、カナコさんは再婚されるそうなんです。これまでは娘さんと二人で、具沢山スープとごはんの気楽な食事をしていたのですが、お相手は、専業主婦のお母様に40過ぎまでいくつもおかずのあるようなしっかりした食事を作ってもらっていた方とのこと。「おでんはおかずではない」発言から、ちょっと不安になってしまったカナコさんに、ご提案してみたのが、こちら。

いろいろな食べ方に対応できる
大根とスペアリブのふろふきスープ

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材料(2人分) 所要時間約1時間10分

大根 2/3~1本 (600~700g) 
スペアリブ 300g
長ねぎの青いところ 10 ~15cm
味噌だれ
 味噌 大さじ2
 砂糖 大さじ1
 ごま油 大さじ1/2
水 約1000mL

1大根とスペアリブの下ごしらえ
大根は洗って2~3センチの輪切りにし、皮をむく。
スペアリブを鍋に入れ、ひたひたの水を加えて10分ほど中火にかける。アクが浮いてある程度たまったら、ざるにあげ、流水でさっと表面を洗い流す。

2煮る
鍋に大根を並べ、スペアリブも鍋に戻し、水約1000mLとねぎの青い部分を加えて中火にかけ、大根が柔らかくなるまで約40~50分煮る。

3たれをつくる
分量の味噌と砂糖に、水大さじ1~2を加えてゆるめ、600Wのレンジに1分かける。ごま油を加えて良く混ぜる。器に盛ったスープに、味噌だれを添える。

【お悩み解消ポイント】

おでんがおかずではないというパートナーさん、このスープとごはんだけだと、ちょっとなーという感じになるのではないかと思います。そこでもう一歩進めて、ごはんのおかずになるものが何なのかを考えてみましょう。

たとえば「塩気のあるおかず」、いわゆるごはんの友といわれるようなものをごはんのおかず、という人がいます。こういう方には、漬物、たらこ、佃煮、たれを混ぜた納豆などを添えてあげればよいのです。また「食べ応え」を求める人もいます。そういう場合はお総菜のコロッケやからあげなんかを一品つけてあげると解決します。「濃い味おかず」が欲しい人には肉かなんかちょっと炒めて、できあいの調味料なんかを使うとそれだけでフィットします。手作りにこだわるのではなく、相手が何を求めているかにどう応えるかのほうが重要です。

また、味やボリュームの問題ではなく「食の型」に問題があることもあります。ちょっとわかりにくいかと思うので、ここで作ったスープを使ってやってみますね。

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これが普通の出し方。スープとごはんだけの食卓だと、ちょっと物足りなさを感じてしまう人もいるかもしれません。ここに、漬物や簡単なサラダをつけてもいいのですが…

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具とスープに分けて、一汁一菜スタイルにするとぐっと落ち着く感じになります。肉と大根は甘味噌をつけてどうぞ。

日本人は一汁〇菜という食べ方に慣れています。給食もレストランの定食もこの形なので、見慣れていて、こうして出してもらうと何となく納得してしまう人もいます。

余談ですが、このスープはごろっとした肉と野菜を煮込んで作るポトフのバリエーションです。フランスではポトフの具とスープを分けて食べるんです。一鍋で、主菜+副菜+スープができてしまうという、すぐれもの。

そして、お伝えしておきたい一番肝心なことがあります。ごはんの食べ方や満足って本当に人それぞれです。カナコさんが相手の好みに合わせて作るということもとても素敵なことだと思いますが、その一方で、パートナーさんに歩み寄ってもらうことも大切です。自分ばっかりが相手に合わせていたら長続きしません。対等な関係で新しい食の形をふたりで作っていく、それが結婚するってことなのかなとも思ったりします。いかがでしょうか。

私の今提案している「スープかけごはん」は、私たちが守ってきた食事の型を崩そうという提案です。長年続けてきた食習慣はそれほど簡単には変わらないということも現実的にはあると思いますが、ぜひ、スープかけごはんのおいしさもパートナーさんに教えてあげてくださいね!

お悩みその3:レンジで手軽にできるスープを教えてほしい!(いちにさん)

最後のお悩みは、一人暮らしのいちにさん。おうちにガスコンロがなく、鍋を使わずにレンジや電子ポットで料理をしているとのこと。そこで、レンジで作れるスープを知りたいというお話でした。そこで、とても簡単にできて夕飯にもなるスープかけごはんを2種類、ご紹介しました。どちらも普通のスープとしても食べられます。

思い立ったらサッとレンジで作れる
鶏の麦茶漬け

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材料(1人分)
鶏もも肉 80g
塩 小さじ1/2
麦茶150mL ※ペットボトルでOK
水 100mL
青ネギ、大葉、ミョウガなど薬味
ごはん 適宜

1 鶏と麦茶をレンジであたためる
耐熱容器に1~2cm角に切った鶏、塩、麦茶、水を入れ、ラップをふんわりかけて600Wのレンジで4分半から5分加熱する。

2 薬味を刻む
好みの薬味を刻んで混ぜる。(1種類でもOK!)

3 ごはんにかける
ごはんに2の薬味をたっぷりのせて、スープを注ぐ。

レンジスープ用に、小さめの耐熱容器があると便利。こちらのスープを作ったときに使ったのはこちら!蓋付きで、蒸気を抜くキャップがついています。

がっつり食べたいときの
レンジでタコライス風かけごはん


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材料(2人分)
レトルトのミートソース  1袋(2人分のサイズのもの)
豆の缶詰  1缶(120g) 
水  100ml
牛乳   大さじ2
溶けるチーズ
ごはん   適宜
▼好みで
ゆでたまご、トルティーヤチップス、冷凍野菜など

※一人分をつくるときはこの半量でお作りください。

1 ミートソースと豆をあたためる
耐熱容器にミートソース缶、豆、水を入れ、600Wのレンジで7分加熱する。
牛乳を加え、さらに30秒加熱。

2 盛り付ける
ごはんにかけて、チーズをたっぷりのせる。
好みでゆでたまごや野菜、チップスなどをトッピングする。

【お悩み解消ポイント】

一人暮らしの方に多いのは、キッチンが小さく、道具も少ないため十分な料理ができないということ。こういう場合にはやはり、市販のものやレンジなど、便利な道具を取り入れることを考えると無理なく自炊が続きます。

とくに、一人分のスープって本当に作りにくいんです。少量の味噌汁やスープをつくるときはレンジ、意外とおすすめです。ただし、ポトフのように肉からじわじわうまみを出すようなことはレンジには向きません。火の通りやすい素材を使って、だしの素なども利用しつつ、作りましょう。

栄養が十分に取り切れないのも、一人暮らしの方の食にありがちなことです。少量の野菜が買えるカット野菜、冷凍野菜は強い味方だと思います。
ご紹介した薬味スープは、カット済みのネギなどで作ってもいいですよね。残ったら容器やジップロックなどになるべく平たく広げて冷凍すると、好きな分だけパキンと折って使えます。

常備しておくとスープに使える便利な食材
〇缶詰…サバ缶、ツナ缶、豆の水煮缶など
〇レトルト…ミートソース、トマトソースなど
〇漬物…キムチ、ザーサイ、高菜など
〇加工肉…ベーコン、ソーセージ、サラミ
〇乾物…切り干し大根、わかめ、昆布、かつおぶし

こうしたものは、スープに味がよく出て、うまみの素になってくれます。野菜などと組み合わせてレンジで加熱するとかなりおいしいスープになると思います。

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さて、3人3様のお悩みがありましたが、食の悩みってこれさえあれば一発解決!というものはなく、やはりそれぞれが、自分の環境の中でベストの答えをみつけていくしかありません。作る人の、うちのごはんをこうしたい!という気持ちを大切にしてください。

私もみなさんのこうした悩みを聴きながら、楽しくて毎日続けられる提案をしています。『なんにも考えたくない日は スープかけごはんで、いいんじゃない?』は、ごはんを作る人たちの献立を考える悩み、食事がマンネリになってしまう、片付けがめんどう、という各種お悩みを解決するために作った一冊です。リモートワークの家ごはんのヒントにどうぞ。

『スープ・レッスン2 麺・パン・ごはん』も好評です。

ライブを見逃した方はこちらで。



読んでくださってありがとうございました。日本をスープの国にする野望を持っています。サポートがたまったらあたらしい鍋を買ってレポートしますね。