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味つけ上手な人は、たぶんこうしてる

味つけを難しく感じるのは、味とは別の要素が目に入ってくるからです。純粋な調味料のほかに、香りをつけるスパイスや風味をつける食品が味つけグループに入ってきて複雑に見えちゃうんですよね。

でも、私たちが感じる味ってそれほど多くないんです。レシピを見ないでちゃっちゃと料理を作れる人は、ひとつひとつの配合を覚えるのではなく、味つけの骨組みをとらえています。

私は5つの基本調味料で味を考えますが、これを「塩と醤油と味噌」と、「砂糖と酢」にチーム分けしています。

●塩・醤油・味噌は、料理に塩味えんみ=しょっぱい味)がつく調味料
●砂糖は甘味、酢は酸味をつける調味料
ごはんのおかずをつくるときは塩味をつける塩、醤油、味噌が中心。
砂糖や酢は塩味をサポートする脇役になります。(煮豆や卵焼きなど甘いおかずは例外ね)前回はそれぞれを単体で使ってみようという話をしました。

で、基本の組み合わせは3つ!

一方、「基本調味料を混ぜて作る味」にはこの3つがあります。
①塩・醤油・味噌のどれか+砂糖→あまじょっぱい味
(生姜焼きや照焼き、肉じゃが、煮魚など)
②塩・醤油・味噌のどれか+酢→すっぱしょっぱい味
(サラダや酢のもの、ぎょうざのたれ)
③塩・醤油・味噌のどれか+砂糖+酢→あまずっぱしょっぱい味

(酢豚や天津飯、寿司飯、酢味噌あえなど)

ためしに、①あまじょっぱい味について、豚肉の切り落としをフライパンで炒めたものを、この考え方で味つけしていってみましょう。

塩・醤油・味噌のどれか+砂糖→あまじょっぱい味

豚肉を炒め、醤油と砂糖を混ぜてかけます。とりあえず1:1で配合すると、甘辛い味つけの焼肉ができます。ここにたっぷりのおろし生姜を足せば、豚の生姜焼きです。
生姜焼きは、これに酒を加えて1:1:1にしたレシピ、さらにみりんも足したレシピもよく見かけます。酒やみりんのうまみや水分が加わったバランスのいい配合です。

では、醤油を、味噌や塩に置きかえてみます。
味噌、砂糖、おろし生姜を混ぜたら、ごはんの進む味噌の生姜焼き。味噌は少量の水か酒でのばすと扱いやすいです。
塩、砂糖、おろし生姜もいいんですよ。生姜ではなくにんにくのすりおろしを使うとエスニックな雰囲気で、鶏にも合います。

大事なことは、ここに書いた生姜焼きの味の骨組みがすべて「塩味(えんみ)+甘味」だということです。生姜焼きのレシピでこれ以外の調味料が入る場合はアレンジと考えることができます。
(もちろん例外もあると思います、たとえば甘くない生姜焼きとか。でも、一般的にみんなが思い浮かべる生姜焼きということでご理解ください)

こんなふうに味つけの骨組みがわかると、砂糖の甘さをはちみつにしよう、たまねぎのすりおろしを加えて甘味と風味を足してみよう、めんつゆ使っちゃおうなど、置きかえやアレンジが義務ではなく、楽しくできるようになります。

ちなみにスパイスは「味」ではなく「香り」をつけるもの。唐辛子などの「辛み」も味ではないんです。これはまた別の機会にお話しますね。

【豚のみそしょうが焼き】
豚肉 300g ※薄切り。好きな部位でOK サラダ油少々
A(砂糖大さじ1、味噌大さじ2、酒大さじ2、おろししょうが小さじ1)

1 フライパンにサラダ油をひいて熱し、中火で豚を焼く。火が通ったら皿に取り出す。
2 空いたフライパンの余分な油をペーパーで吸い取ってから、Aを入れて混ぜながらとろみがつくまで加熱する。そこに豚肉を戻して絡める。
【鶏のあまからにんにく炒め】
鶏もも肉 300g ※ぶつ切りにする サラダ油少々
A(砂糖大さじ1/2、塩小さじ1/3、酒大さじ2、おろしにんにく1片分)

1 フライパンにサラダ油をひいて熱し、中火で鶏肉を焼く。火が通ったら皿に取り出す。
2 空いたフライパンの余分な脂をぺーパーで吸い取ってから、Aを入れて混ぜながら加熱する。砂糖がとけたら、鶏肉を戻して絡める。好みでパクチーなんかを添えてもおいしいです。

読んでくださってありがとうございました。日本をスープの国にする野望を持っています。サポートがたまったらあたらしい鍋を買ってレポートしますね。