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見えない一線を超える

ポケトルっていう、ミニボトルを買いました。いま、売れているそうです。

ポケトルの最大の特長は、120mLという容量とサイズです。本当にコートのポケットに入るぐらいのコンパクトさです。ときどき外で喉が渇いて、自販機で売っているペットボトルを買うことがありますが、飲み切らずに余っちゃう。特に冬場にのどをちょっと潤したり、薬を飲んだりする程度なら、120mLで十分です。常温で持ち歩けるのもありがたい。

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文庫本のタテと同じ高さです

面白いのは、ステンレスボトルの売り場に行って大手メーカーの商品を見ると、どんなに小さいものでも200~300mLぐらい。ポケトルの倍以上の容量です。もちろん「他のサイズと比べたら」かなり小さいのですが、ポケトルと比較するとかなり大きい。

これまでずっとステンレスボトルについて考え抜いてきたメーカーにとって、このサイズは発想の限界を超えていたと思います。保温力を切り捨てないといけなくなる。そこから先に行くには、自分たちの頭にある「ステンレスボトルとは」という一線をまたがないといけないのですが、そのラインが見えない。

ボトルに限らず、実績があればあるものほどこうあるべきだという縛りが無意識のうちに大きくなっているから、作る人は不便を不便と感じなくなります。常識のラインは頭を相当絞らないと気づかないし、もし気づいたとしても超えるのに勇気がいります。
料理も同じで、毎日料理をしている人にはなんでもないことが、普通の人にとってひどく不便に思えたり大変に思えることがあります。プロは気づかないんですね。見えないんです。

素人のほうが見えやすいし発想もしやすい。でも「本当に使える改革」はその道のプロが一線を踏み越えたときです。見えない一線をみつけて、超えられるように、がんばっているのがプロなのかもしれません。

そんなことを考えながら、今日もスープを作っています。スープは冷めないボトルでね。

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読んでくださってありがとうございました。日本をスープの国にする野望を持っています。サポートがたまったらあたらしい鍋を買ってレポートしますね。