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オイルが料理の国籍を決める

一発でがらりと料理の雰囲気を変えるものがあります。それが、オイルです。通常のおうちにあるのは、サラダオイル、ごま油、オリーブオイル、バター、このぐらいで十分かなと思います。なたね油、こめ油、ココナッツオイルなどを使っている人もいるかもしれません。

オイルは、料理のベースになるもの。加熱するスタート時点で使うので、ここで料理の方向性が定まります。オリーブオイルやバターなら洋風に、ごま油なら和風か中華風に。熱くたちのぼるオイルの香りにイメージを膨らませる人は多いはず。

刻んだトマトとにんにくをオリーブオイルで炒めます。トマトの周りがちょっと崩れるぐらいまで炒めて塩で味つけをすると、シンプルなトマトソースみたいになります。方向性としてはイタリアンです。これでパスタを和えたり、肉のつけ合わせにしたり。バジルやパセリ、チーズなどとも相性がよいです。

同じトマトとにんにくですが、ごま油に変えて炒めてみると、こんどは中華風になります。卵でとじれば中華の定番おそうざいである、トマトと卵の炒めもの。
同じくごま油で炒めたトマトとにんにくに水を加えて煮込んで、細切れの豚肉でも加えたら、チャーハンにぴったりのスープになります。

同じトマトとにんにくなのに、炒めるオイルを変えただけで料理の国籍が変わったのです。料理の方向性が決まるとそこに合わせる食材や調味料も自然に変化していきます。オリーブオイルなら塩がいいかな、ごま油ならちょっと片栗粉でとろみをつけてもいいな。オイルの香りに導かれ、味つけや合わせる食材が決まっていきます。

裏を返すと、個性を出さずに素材そのものの風味を楽しみたいときは、クセのないサラダ油がいいのです。私は作り始めたときにまだ何を作るか決まっていないようなことがあり、そのときはサラダ油でスタートします。

料理がいつもマンネリになってしまいます、という人は、油の選択をしてみるとよいかもしれません。

ちなみに油の量をいつもと変えるだけでもガラッと変わるものです。ただし、使いすぎると外食の味に近づいていきます。毎日だと食べ疲れてしまうので、今日はがっつり食べたい!という日に効果的に使いましょう。そういう意味では逆に「ノンオイル」というのも味に新鮮さを出すための、ひとつの選択です。

【トマトと豚肉の中華スープ】
トマト大1個 にんにく1片 薄切り豚肉50g 塩小さじ1/3 ごま油適量 卵1個

1トマトはざく切りにする。豚肉は1cm幅に切る。卵は溶いておく。
2鍋にごま油を熱し、つぶしたにんにくを入れ香りが立ったらトマトを加え、3~4分、トマトをつぶしながら炒める。豚肉も加える。
3水400mLと塩を加えて煮立てる。とき卵を少しずつ加えて火を止める。


読んでくださってありがとうございました。日本をスープの国にする野望を持っています。サポートがたまったらあたらしい鍋を買ってレポートしますね。