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添削屋「ミサキさん」の考察|24|「『文章術のベストセラー100冊』のポイントを1冊にまとめてみた」を読んでみた㉔

|23|からつづく

第16位「わかりにくい」と思ったら修飾語を見直す

[Point]
1⃣修飾する語と修飾される語は近くに置く
2⃣短い修飾語はとにかく近くに、長い修飾語はやや離れてもOK
3⃣修飾語が多いときは文章を分ける
4⃣ビジネスシーンでは、形容詞や副詞はなるべく数字に置き換える

「『文章術のベストセラー100冊』のポイントを1冊にまとめてみた」124ページ

文章術の中には、「文を飾りすぎない」「不要な修飾語は使わない」という意見も多い。

1⃣修飾する語と修飾される語は近くに置く

✖悪い例
 原稿を印刷所に渡すまでの時間があまりなかったので、大急ぎで私が仕上げた原稿に編集者は目を通した。

「大急ぎで」が「(私が)仕上げた」にかかっているのか、「(編集者が)目を通した」にかかっているのか、わかりにくくなっています。

修飾語は修飾される語の近くに置く、ということを意識して書き直します。

〇良い例
 原稿を印刷所に渡すまでの時間があまりなかったので、私が仕上げた原稿に編集者は大急ぎで目を通した。

2⃣短い修飾語はとにかく近くに、長い修飾語はやや離れてもOK

ひとつの文の中に複数の修飾語が含まれたり、ひとつの語句にいくつかの修飾語がつく場合には、さらに注意が必要です。

✖悪い例
 山手線の中で出会ったのは昔の腕時計が好きな友人だった。

「昔の」と「腕時計が好きな」の2つの修飾語があり、「昔の」が「腕時計」にかかっているのか、「友人」にかかっているのかわかりづらい。

「友人」にかかる場合、
・長い修飾語を、修飾される語から遠くに置く
・短い修飾語を近くに置く

という形で直します。

〇良い例
 山手線の中で出会ったのは腕時計が好きな昔の友人だった。

3⃣修飾語が多い場合は文章を分ける

そもそも長い修飾語を使わないようにすると、混乱を回避できる。

✖悪い例
 昨日紹介した樋口さんは、2年前にフランスを旅したときに私がパリで出会った田中さんの高校時代の恩師です。

主語や述語も入り混じって非常にわかりにくい。

〇良い例
 2年前、私がフランスを旅していたときに、パリで田中さんに出会いました。昨日紹介した樋口さんは、その田中さんの大学時代の恩師です。

4⃣ビジネスシーンでは、形容詞や副詞はなるべく数字に置き換える

✖悪い例
 プロジェクトの進行が、とても遅れています。原因を突き止め、できるだけ早くプログラムが稼働できるようにしてください。
〇良い例
 プロジェクトの進行が、2週間遅れています。原因を突き止め、8月2日にはプログラムが稼働できるようにしてください。

ビジネス文書の場合には、意味のあいまいな修飾語は避けましょう。

◉修飾語としてよく使われるのは、形容詞や形容動詞、副詞などです。
【形容詞】
名詞や代名詞を修飾する言葉。
「熱い」「美しい」のように、「~い」で終わる自立語。
【形容動詞】
人やものの性質、状態、感情などを表す言葉。
「満足だ」「静かだ」のように、「~だ」で終わる自立語。
【副詞】
主に動詞、形容詞、形容動詞を修飾する言葉。
・動詞を修飾・・・ゆっくり食べる
・形容詞を修飾・・・とてもかわいい
・形容動詞を修飾・・・とても満足だ。

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