見出し画像

添削屋「ミサキさん」の考察|25|「『文章術のベストセラー100冊』のポイントを1冊にまとめてみた」を読んでみた㉕

|24|からつづく

第19位 「は」と「が」を使い分ける


[Point]
1⃣「は」はすでにわかっていること、「が」はわかっていないことに使う
2⃣「は」がついても、主語になるとは限らない
3⃣「……が」を使っていいのは逆接のときだけ

「『文章術のベストセラー100冊』のポイントを1冊にまとめてみた」142ページ

「は」と「が」の使い分け! 何となく気になりつつ、感覚で使っていたという方も多いのではないでしょうか?

「は」と「が」の使い方をマスターすれば、わかりやすい文章が書けるようになります。

国語学者の大野晋さんも、「日本語の文法のうち、大切と思うところの一つだけを取り上げます。それはㇵとガということです。(略)ここが分かると、日本語の文章がしっかり自覚的に把握できるようになるでしょう」(『日本語練習帳』/岩波書店)と述べています。

1⃣「は」はすでにわかっていること、「が」はわかっていないことに使う

例文1
昨日、お金持ちそうな紳士、バーのカウンターにいました。
その紳士、マティーニを飲んでいました。

「が」も「は」も主語についている助詞です。
これを入れ替えてみるとどうなるでしょう。

例文2
昨日、お金持ちそうな紳士、バーのカウンターにいました。
その紳士、マティーニを飲んでいました。

例文2では、この文章の前に、他の説明文があるのかという気になります。
これは、「は」と「が」に、明確な使い分けがあるからです。

どういうことでしょうか?

例文1の「が」は未知の情報につきます。「は」は既知の情報ににつきます。
前の行で「紳士」が出てきているので、あとの方は「が」になっているのです。

「は」と「が」の使い分けのルール
・未知情報(まだ知らない情報)のときは「が」
・既知情報(すでに知っている情報)のときは「は」


ちなみにこの「は」と「が」の使い分けを発見したのは、前出の国語学者、大野晋さんだそうです。

|26|につづく


Webライター 兼 添削人。あなたのサポートはnoteを運営するうえで有効に活用させていただきます。