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詩『トンネルを抜けると』

トンネルを抜けると
そこには犬がいた。
薄茶色の毛並の柴犬で
かなり年老いていて
憂鬱そうな表情をしていた。
遠くには海が見える。
カスピ海の優雅な波は
今日も静かにたゆたっている。
私はたまらず声をかけた。
「何を見ているの?」
犬はこたえた。
「世界そのもの、本質」

雷おこし薫子より

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