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老いがもたらすのは心の調和ですか、それとも混沌ですか?(小原信治)
YOKOSUKA 2023
「雨季特有のまだらの雲が朝の強い日差しを遮ろうとしても、その皮膜のような雲の薄い裂け目から一筋の光が突き抜けたとき、空は真っ赤に焼け、やがて雲は蒸発したように消えていく。青い空はいつも容赦なく照りつける太陽を許し、人の上にも街の上にも覆いかぶさる。亜熱帯のウェットでどこか懐かしい空気を吸いながら、これからはじまる旅がもしかしたら終わりのない旅になるような気がしていた。」(瀬戸正人著「トオイと正人」より)
写真家の文章は写真のようだった。写真は光だ。写真家は光のない暗闇で表現することができない。だからどんな場所でも常に光を探してしまうのだろうか。写真家・瀬戸正人さんの文章にはそういう写真家ならではの性というか、世界の捉え方が現れていた。
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