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老いがもたらすのは心の調和ですか、それとも混沌ですか?(藤村公洋)

ら抜き言葉肯定派

先日ようやく確定申告を終えた。
毎年のように「2月中に済ませるぞ」と意気込むものの今回も気がつくと3月も2週目を過ぎておりました。
その日の午後、すべてを終えて晴れ晴れとした気分で税務署の駐輪場(駐輪場完備は税務署の数少ないチャームポイントのひとつ)からバイクを押して正面玄関まで来ると、門を塞ぐようにタクシーが停まっているのですよ。

出れない。

おっと、「出られない」が日本語グラマー的な正解かしら。ら抜きことば調査隊。あるある探検隊。ちなみにね、豊満で魅力的な容姿を表すGlamour は文法のGrammarからの派生語らしいですぞ。ホントかね。読み書きができる人が少なかった時代にあっては文法を自在に操る知識人は実に魅力的だったとかなんとか。とはいえあまりにも意味が違ってきたからスペルを変えたんだとか。なるほどね、筋は通ってる。

そうそう、ら抜き言葉が気に入らない人には申し訳ないですが、僕はら抜き肯定派である。言葉は変わり続けるし、今や誰も「智恵子は東京に空が無いといふ、ほんとの空が見たいといふ。わたしもうぢき駄目になる」といった話し方も綴り方も竹刀、じゃなくてしないように、そして誤変換を読まされることへの耐性が日ごと高まるように、変化していくのが自然だと考えておりまする。

閑話休題。
都内の税務署では屈指の駅近であろう池袋署でもタクシーで乗り付ける人がいるのかとぼんやり思ったものの、しばし待っても一向に動かない。というかよく見れば客なんか乗っていない。

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