新しい時代と日本の女神 #6 どの女神を今回描くのか、が決まる瞬間。
少し間が空いてしまいましたが、ストーリー前半の最後の回です!女神さんたちの構成が決まる、制作前の一番重要な時間でした。
個展「New Era ; The Japan Goddess」の制作までの物語を数回に分けてあげています。わたしkaoruがどうしてこのテーマで作品を描いたのか、それをお伝えできればと思います。
前回の記事はこちら(#5静岡と厳島への旅 )です。
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◆今回の女神の作品群の生まれ方
わたしの勉強している漢方医学は「陰陽五行説」という森羅万象の仕組みを読み解く道教の思想がもとにあります。
陰と陽、木火金土水という自然を構成する、そして生命を維持するすべてのシステムを語る思想です。
この勉強をしながら、ふと木之花咲夜姫さんのことが頭に浮かびました。中医学ではひとりひとりの患者さんに五行に基づいた体質判断をします。その肝の性質が当てはまるなと感じたのです。肝という機能は火、春と怒り、発生などを象徴します。桜と富士山の女神で夫に自分の身の潔白を疑われたとき、烈火のごとく怒り火のついた小屋の中で出産した美しき情熱の女神です。
ほかの五行の性質も当てはまる神様がいるのではないか。五行は色や季節などが対応しますが、思想なのでその通りにいかないこともあります。自分なりに解釈して独自に考えていきました(なので、既存の五行に対応していないものがあります)。
昔から喜びや楽しみだけではなく、悲しみや怒りの感情も人にとってとても大事なものだからそれを色の抽象画で表したいと感じていました。それが今回表現できそうでした。
ため込み、太陽が一度死ぬ冬の混沌はイザナミノミコト、大地の実りの秋はオオゲツヒメノミコト、季節と季節の間である土用(または梅雨)は境界とむすびの神であるククリヒメノミコト・・・。このようにして、中心に天照大神を据えられないかと考えていきました。
が、どうしても色や性質で五行が円のように収まらないのです。基本の要素である五行なので本来は無駄なく収まるはずなのですが、なにがおかしのだろうと繰り返し、神様と五行を感じて考える時間が続きました。
いつのタイミングか覚えてないのですが、「瀬織津姫」という神様をふと思い出しました。
◆瀬織津姫という女神
瀬織津姫は一般にはほとんど知られていないのではないでしょうか。祀られている神社もいくつかあるようなのですが、神話に出てくる神様ではありません。祝詞のなかに出てくる不思議な神様なのです。ただし、スピリチュアル系の人のなかでは時々語られる女神で、天照大神は男神で瀬織津姫が姫神であったとか、縄文の女神であったのに神話から始まる時代に邪魔なので消された女神であるとか色んな説が飛び交っているようです。
わたしはスピリチュアルという限定された世界で語られる論説が正しいかどうかわかりませんが、この時、「瀬織津姫ならすべて当てはまる!」と感じたのです。
五行は中心に皇帝=中央である黄色が配置されるのですが、天照大神を中心の黄色(太陽神なので)とするとうまくいきませんでした。そうではなく、五行を並立の輪のようにとらえ、夏という成長の季節に水と勢い・流れをつ司る瀬織津姫を充てるときちんと収まるのです。
また厳島でもつよく感じた島国日本と龍神、女神(弁天)の構図が見えてきました。かつて、日本がまだ統一された日本国になる前、様々な小さなクニが存在して土地エネルギーとしてだけ日本だったとき、その最も重要な役目をしていたのは日本という大きなエネルギー(龍)の姫神にあたる瀬織津姫だったのではないかと思ったのです。このことは縄文時代の色を強く残した出雲民族の系譜へアクセスしたことへもつながりました。
神話よりも前の時代の神様を語ること、それはわたしが言われていた「日本の本当の歴史を語ること」を指しているような気がしたのです。
瀬織津姫の性質、もちろんほかの女神たちもですが、エネルギーは知識と知るのではなく感じ取ったものです。チャネリングですね、各地に行ってエネルギーにチャンネルを合わせます。こうしてそれぞれの女神さん方の性質がくっきりと明らかになっていきました。性質が明らかになるということは、神様方の存在が強くなることをあらわします。
今となってはなぜ瀬織津姫が浮上してきたのか覚えていないのですが、そしてわたしの論拠はとにかく自分の感覚です。特に土地、土地に行って感じた体感を重視しています。瀬織津姫のエネルギーはとても軽やかですっきりとした上昇気流のような感じでまるで厳島の弥山のようでした。
テーマが決まったので、やっと本制作に入り始めました。8月下旬のことで残された時間にはほとんど余裕がありませんでした。
(制作についてや各女神さん方の解説はこのシリーズが終わったあと後半にまとめます)
◆最後に知った「完璧」な展覧会のタイミング・新しい時代
制作をほぼ終えるころ、10月後半ですが、新しい天皇陛下の即位礼正殿の儀がありました。そのときのニュースで令和の大嘗祭とそれに続く神宮参拝などの一連の代替わりの最後の神事が11月14日から月末にかけて行われることを知りました。
驚きました。天皇の代替わりで最も重要な神事である大嘗祭の二日目(実際は夜から翌未明にかけて行われる続いた神事です)に個展のオープニングが、そしてそのあとの日程に重なるようにして個展の期間が当たっているなんて、、、。
日本の女神を描くと決めたのは、令和の代替わりが決まるずっと前から新しい時代と女性の時代が来る、そして日本という国が進んだ霊性でそれを世界に示せる国だと信じていたからです。
それに表現というのはおもしろいもので、描きたいものがあっても自分がそこまで成長していないと外に表せないのですね。表現したいものを「本当に理解できているか」ということと、「自分の深い部分をどこまで掴み、外に出せるか」という魂の成長の段階がぴったりと合った今回だったので、それに日本の「歩み」が重なったような心地がしてなんとも不思議でよろこばしい気持ちがしています。
自分の表現活動と日本、世界エネルギーのリズムが重なった気がしました。
今は展覧会の間に自分が何を感じるか、そして展覧会が終わったあと見えるあたらしい景色が楽しみでなりません。
◇前半のストーリーはお終い。
Kaoru Solo exhibition 個展
「New Era ; The Japan Goddess (新しい時代と日本の女神)」
2019/11/15-11/29 @J-collabo org.(Brooklyn N.Y. ) 11:00-18:00
個展の詳細はwebsite、
企画・会場についてはこちらをご覧ください。
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