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気づきの道の落とし穴


気づきの道には様々な落とし穴があります。
歩き出したばかりの頃は、とかくこの落とし穴に苦しめられるものです。

気づきの道は「悟り」というものと大きく関係しています。
「悟り」をなんとなくゴールに設定してしまって、
そこに向かって歩くということが常だからです。
ゴールを設定すると、途中途中で成果や結果がどうしても欲しくなります。
人生の周りを見渡して、どうなっただろう?どこが良くなっているだろう?などと、とにかく結果に敏感になる訳です。

結果や成果がなければ落ち込み、それらがあれば有頂天になります。
本来の目的より、結果の方が大切になってしまうのです。
人間は何かに取り組む時、これで正しい、これでいいんだという
実感が欲しいからです。
さらに初めの頃は、気づきによってこの人生が一変し、
なんでも思い通りに望みが叶うかもしれないという
間違った期待を持っているので、なかなかそうはならない現実に
気づきの道から離れていく人も多いのです。

こんなお話があります。
ある国の王様がその国の人々におふれを出しました。
自分はもう歳なので、王の地位を離れる。後継者となる子もいないため、
民衆の誰か一人に王の地位を譲る。
去る日、去る時間までに、希望するものは城の王の部屋に来るようにと。
人々は城に殺到したのでした。しかしそこで見たものは、
煌びやかで豪華な宝飾品や家具の数々でした。
人々は見たこともない、目も眩むようなものばかりに目を奪われ、
そこで時を忘れて楽しむのでした。
王の継承権のことなど全く忘れて。。
とうとう、約束の時間が過ぎてしまいました。
王の部屋には誰一人来ることはなかったのです。

気づきの道を歩いていく中で、
色々の経験がこの人生に現れることがあります。
中には瞑想などで時間が止まり、心の宇宙を経験したりといったことまで
経験することもあります。
しかし、気づきの道の目的は「自分自身を知ること」
「自分は誰なのか?の問いに答えること」なのです。

たくさんの予兆や神秘的な経験は、みな、煌びやかな宝飾品なのです。
そこに目を奪われ、大切な目標を忘れてはなりません。
王様は、王の部屋でその権威を譲ろうと待っているのです。
王になれば城も、そこにある一切の宝飾品も、あなたのものなのです。
取るに足りない小さな褒美で、気づきの道の歩みを止めてはなりません。
それらで少し楽しんだら、また歩き出しましょう。
あなたは王の地位に相応しいのですから。

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