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黄金郷エルドラドの世界へ - その4

モンセラーテの丘

ボゴタ市内の南東に位置するモンセラーテの丘と呼ばれる標高3,100mの山がある。山と言っても、ボゴタが標高2,625mなので、そこからは500mもない丘な訳だ。

モンセラーテの丘から眺めるボゴタの街

この山に、先住民族のムイスカ族は太陽神スエを崇める寺を造った。夏至の太陽がこの山から登るからだ。ムイスカ族はこの神聖な山をおばあさんの足と呼んだ。その後1657年コンキスタドールによってムイスカ族の建物は壊されて、丘の頂上にカソリック教会が建てられた。

モンセラーテの丘の教会

私たちはケーブルカーで頂上まで行き、教会を見学してロープウェイで降りた。標高3,100mなので、気のせいかやはり少しきつい。ケーブルカーで頂上に着いてから少し時間をおいて体を標高に馴染ませてから歩くべきだった。けど、20代の娘はさっさと歩き、彼女について行こうとして同じペースで歩き出したら少し心臓バクバク状態になったのだった。

なかなか急なロープウェイ

頂上には教会の近くにレストランもあるが、私はカフェでコカ茶とエンパナーダを買ってみた。コカ茶は、高山病の症状を和らげる効果があるというハーブティーだ。コカインの原料となるコカの葉のお茶だけど、これはティーバッグで、効果は果たしていかほどか。まあ、しばらく座ってお茶飲んでエンパナーダを食べたら楽になった。近くにはやはり辛そうに座り込んでいる人も何人か見受けられた。

遠くに見えるグアダルぺの丘。トイレのサイン入っちゃってる

モンセラーテの丘の南に位置するグアダルぺの丘、ムイスカ族がおじいさんの足と呼んだ場所は、冬至になると太陽がその山から登るそうだ。今は、1946年に建てられたという15mの巨大な白いキリスト像が山の中腹にあるのが目に入る。春分と秋分には、太陽はモンセラーテの丘とグアダルぺの丘の中間から登るという。いずれも旧市街のボリバル広場からの眺望だ。ちょうど今ごろの季節にボリバル広場あたりにいると、モンセラーテの丘から登る夏の太陽が見られたのだろう。それを見た先住民の人達は、トウモロコシなんかの収穫どきだと喜んだのかもしれない。

ボリバル広場と黄金博物館

ボゴタ旧市街のボリバル広場は宮殿やら、国会議事堂やら、大聖堂がある、ボゴタの中心地。その近くに黄金博物館があるので、まずそこを目指した。エルドラド伝説の聖なるグアタビタ湖に行った後は、この黄金博物館を見過ごすわけにはいかない。ここには、ムイスカ族の首長が金粉を体にまとってグアタビタ湖の水面に浮かぶ筏に乗っている有名な儀式の黄金細工が展示されている。

ムイスカ族の首長の儀式を表す金細工

ほかにもコロンビア各地から出土された金や銀などの装飾品やミイラまである。これらの装飾品は埋葬に使われた物が多く、高貴な人が亡くなった場合の顔を覆う黄金のお面だったり、ネックレスやブレスレットだったりする。動物や鳥や昆虫のモチーフの装飾品や儀式に使われたような物も多い。ほとんどの展示に英語の説明が付いていて、なかなか見応えのあるいい博物館だ。

金の装飾品
エメラルドと金の装飾品
金のお面
昆虫
シャーマン
コウモリ

ボリバル広場では、なんかのデモンストレーションのような集会の最中でごった返していた。広場までの道は露店がずらりと続く、南米らしい光景。ここは、携帯とか手に持って観光客顔していたらスラれそうだから気をつけようと娘と言い合ったけど、問題なく楽しめた。

デモとコンサート
大司教聖堂


トロピカルフルーツを売るおじさん
新鮮なジュースを作ってる

そういえば、思い出したけど「百年の孤独」のガルシア・マルケスはノーベル文学賞を受賞したコロンビアの作家さんだった。大学生ぐらいの頃に読み始めて全然進んでないまま、それこそ100年(オーバーな!)ぐらいたってしまった感じ。コロンビア旅行を機にまたあの本を手に取ってみようかな。なんと、近々ネットフリックスで16話のシリーズで観られるようになるとか。まずはそちらからにしよう。

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