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黄金郷エルドラドの世界へ - その2

聖なるグアタビタ湖

ボゴタ3日目、ツアーに参加した。全行程12時間のバスツアー。エルドラド伝説で有名とされている聖なるグアタビタ湖と、もともと塩鉱山だったところをカトリック教会にして今は観光名所となっている塩の教会の2ヶ所をめぐる。ツアーは、93公園横の有名なフアン・バルデス・カフェの前が集合場所になっている。8時に集合して、ボゴタから北東に山を越えて行く。

ボゴタから北へバスツアー

道中、この上り坂でサイクリングを楽しむ(苦しむ?)人達の多いのに驚く。ガイドさんによるとツール・ド・フランスに出場する人もいるくらいロードサイクリングは人気なのだそうだ。後でネット検索してみると、確かに過去に優勝しているコロンビア人もいる。なるほど、この山岳地帯で練習していたら強くなるはずだ。

ボゴタから1時間半ほどでグアタビタという町に着く。この町は、60年代に貯水池ができたために移転されてできた比較的新しい町だけれど、赤い屋根で白壁の伝統的な建築で再建されている。ささっと写真を撮る時間をくれてすぐに出発、30分ほどでグアタビタ湖のある公園に到着する。

グアタビタの街


グアタビタ湖のある公園

グアタビタ湖は標高3,000mにある、周りを山に囲まれた聖なる湖で、それを見るには標高3,100mの山の頂上に登らなければならない。入り口は入場料を払って入る地方自治体の管理する自然公園になっていて、先住民の地元ガイドのおじさんがスペイン語で歴史や伝説などを説明して回る。でもスペイン語のわからない私ともう一人のインド人青年は、バスツアーガイドの女性がスペイン語訛りの英語でちょこっと説明してくれるのを聞き入る。雨も降り出して、説明聞くのも億劫になって、なんとなくわかったような感じで皆んなの後について回る。

ツアー

スペイン人がやって来る前は、ここの先住民族のムイスカ族はチブチャ語を話していた。そのためかチブチャ族とも言われている。4つのエレメント(火、水、空気、地球)を大切にするこの人達は金細工の技術に優れていた。彼らの儀式として有名なのが、首長が金粉をまとってこの聖なるグアタビタ湖に入るというものがある。これがエルドラド伝説になったらしく、ヨーロッパ人はその伝説にまつわる黄金を求めてこの地にやってきた。この儀式を表現した金細工はボゴタの黄金博物館に展示されている。
ムイスカ族にとって黄金は精神的な儀式にとって重要なものだった。それが経済的に必要というのではなく。むしろ彼らが経済的に必要としていたのは塩だったという。

登り

トロピカルな植物の茂る石畳の道を地元ガイドさんが何ヶ所も止まって話しながら進むので、グアタビタ湖の見える3,100mの頂上に着くまでに2時間ぐらいかかる。ゆっくりだから大丈夫だろうと思っていたら、途中急な階段や坂があって皆んなについていこうとした私は、頂上に着く直前で頭痛、めまい、吐き気など軽い高山病のような症状になる。来たー。これでは来月の富士山はダメだ、キャンセルしようと思ってしまった。でも、数分その場にとどまっていると体調はもどって、無事3,100mの頂上に到達できた。緑の丘にかこまれた神聖な湖だ。湖の丸い形が女神の腹部、周りを囲む丘全体が女神とみなされている。

グアタビタ - Mother of Life
グアタビタ湖
標高3,100m
トランペットフラワー

アンデス地方でよくみられるというこの花、北米でも見かけたことあって、たしか「トランペットフラワー」と呼んでいた。日本語では「キダチチョウセンアサガオ(木立朝鮮朝顔)」というらしい。アンデスの先住民達は、この葉を外傷や皮膚炎の手当てに使っていたという。ほかにも、どの部位かはわからないけど、内服すると幻覚剤的な効果があるために宗教儀式にも使われていたらしい。

下りはなだらかで遠方に牧場も見える田舎風景で、最後にはもちろん私達観光客向けにお土産屋さんとスナックが食べれるお店がある。アレパを焼いていたり、地元のコーヒーや蜂蜜、駄菓子のような雑貨のような物をおいているお土産屋さんも。奥では女の人達が編み物をしている。どこかで見たような南米の写真そのまま。アンデスの奥地に来たのだと思わせてくれる。お土産に蜂蜜を買った。

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