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【わたしはわたしのためのライブレポを書きたい】2024年9月5日 新宿LOFT歌舞伎町移転25周年記念『吾唯足知 ~われただたるをしる~ vol.2』 ヒグチアイ×竹原ピストル

はじめに

※このライブレポは会場で禁止されている記録行為はもちろん、手書きに至るまで現場で一切の作業をせずに、初老脳で思い出しながらの記述になります。特にMC内容などは雰囲気でおぼえているので、間違えていたら許してください。と、先にお詫びしておきます。

毎度どうも。

こんな私でも、他のライブレポ読んで勉強しようと思ったことがあって。そうしたら一番最初に読んだライブレポの冒頭が「通常ならライブに行っていちいちライブレポを投稿することはないのだが」という始まり。

それ、言う必要ある?

というわけで、何と戦ってるんだという話ですが。行ったライブをいちいちライブレポさせていただきます。

ヒグチアイ×竹原ピストルということで、歌舞伎町まで行ってきました。この街は前回の下北沢はじめ、ヒグチさんのライブのみで行く渋谷・六本木・表参道などと比べたら訪れた回数は桁違い。中学生の時から通学途中の駅でしたので、ホシの数ほど遊びに行っています。

いやぁ、慣れ親しんだ街懐かし…って、あれ?ここがあの歌舞伎町?コマ劇前の噴水時代のおじさんには、外国人であふれかえる風景は違和感だらけでした。うーん、全然懐かしくない。

話はまだ続きます。

タテハナビルとの再会

新宿LOFTさん、移転25周年記念の今回のライブということですが、実はわたくし新宿LOFTさんが入る前からずっとこのビルを知っておりまして。大学時代に所属していた体育会で、歌舞伎町で飲む店の三軒のうちの一軒がこのビルにあったのです。それが大体30年位前の話。

そして再会。

厳密に言うと、30年ぶりのタテハナビルとの再会は2020年年末に最強スリーピースを目撃しに来た時に果たしていました。でもあの頃はコロナ禍だったし、あまり感慨にふけることもなく終わったのですが(でも驚いた!)今回は街の変化をしっかり目撃して味わいましたので、何と言うか…切実に感じましたよね。

老い。

だって、最初に歌舞伎町で遊ぶようになった時ってね。まだ中学生だったのですよ。土曜日に部活がなかったりすると、昼飯を食べに新宿で降りて、駅前のシェーキーズでピザ爆食いするか、満来というラーメン屋で当時は珍しかった「ちゃーざる」という名のつけ麺食べるかで。そのあと、ボウリングに行くか、ゲームセンターに行くかどっちにする?どっちも行っちゃう?みたいな。

運動部員が日頃の猛烈な部活の息抜きで訪れるのですから、楽しみ方はかわいいものですけどね。映画館に立ち見があったり、一度お金払えば退場までずっといられる時代。

その後も中高時代は中高時代なりの楽しみ方、大学時代は大学時代なりの楽しみ方をしました。でもなんかなぁ…酒も飲めない年齢から通っていた街を訪れて、あまり懐かしさを感じさせてもらえないのは正直さみしいですねぇ。そのくらい変わっちゃった。誰でもない街に。まぁ、あれだけ色々密集する場所ですから、当然と言えば当然です。

で、大学時代の思ヒ出のタテハナビルに話は戻って。

なんか、ここってホストクラブ専用の建物になってません?別にホストクラブに良いとか悪いとかどんな感情も持っていませんけど、昔から知ってる建物が目の前にそびえたっていて、しかもそこで大好きな娘のライブがあるというのに、感慨にふける隙を一切与えないビルヂングっていうのは、なかなか厳しいです。待ち時間にあの大画面で繰り広げられるホストクラブの煽り映像。永遠に繰り返される宣伝を無表情で眺めながら、これはなんの修行なんだろ?というのが正直な感想で。

その映像の中で謎に階段ダッシュしていた人はちょっと面白かったけど(笑)

新宿LOFTに出陣

ミジンコくらいに小さくならず、コビトカバのままで本日の会場に出陣です。前回のライブと決定的に違うオールスタンディング。しんどいだろうなぁ。私はライブハウスに行くこと自体が40後半になってからの人間です。ずっと立ちっぱなしで身動き取れないとか無理!とにかく楽したい!ずっと笑顔でいたい!だれも憎みたくない!

Veats Shibuya でのスタンディング苦行経験も影響していました。ヒグチアイが誰とやったライブだったかな?バンド名おぼえてないけど、元お笑いの人がメンバーにいたような、いなかったような(ひどいうろ覚え)

あの時は初心者とは言え、ステージ近くで密集することは辛そうということくらいは想像できましたので、ゆったりと開演時間直前に入り、どっしりと会場最後方で全体の雰囲気を楽しみながら、ゆっくりとヒグチアイを堪能する作戦でした。

しっかりと作戦失敗。

最後方って全然ゆったりしてないやんけ…そりゃ、そうだ。商売なんだから出来るだけチケット売るわな…なんで後方がスカスカでゆっくり見られると思ったの?馬鹿なの?なんならビール10杯くらい飲めると思ってたもん、いやマジで。知らないってこわい。

と、すぐ横の関係者ゾーンで棒立ちでライブ参加している皆さんを見つめつつ、無関係者の自分に自分で説教をしながらのライブ参加となりました。苦い経験。

で、今回のライブ。ソールドアウト。満員御礼。苦行確定。ということで様々な検索ワードを駆使して調べに調べた「楽に見られる方法」新宿LOFT一度来ていますが会場の雰囲気は分かっていても、あの時は着席だし、密防止で広く座れたし、楽ちんの極みでしたから参考外。

と、そろそろ爺の体力の話つまんないでしょうからこの辺にしておきますが、結論自分なりの考えに基づいた場所が空いていたので、そこに収まりました。場所書くと「あいつが香るエースか!加齢臭やばかったな!」とか言われると辛いので割愛します。結局きつかったですけどね。脚がもげましたから。

スクワットの重量とかならお客ちゃんの中でも上位の自信あるけど、立ちっぱなし耐久レースとかぶっちぎりのドベの確信があります。

というわけで、もう脚の話はこれでおわり。

ヒグチアイ(歌)

幕が上がっていよいよヒグチアイ登場。なんかかっこいい衣装。

かっこいいのはかっこいいけど、説明しろと言われても難しすぎて。とりあえずサイコロとビリヤードのボール持ってるからあれかな「インドア派です」ってことかな。

会場スタッフさん渾身のちょっと高い段に設置されたピアノに着座。いつもより気迫を感じたお馴染みのストレッチ。そしてその後に続いたのは劇場

え、ちょっと待って。

いきなり持っていかれたんですけど。ココロ泥棒。

今回のライブを通じて思いました。引力がすごいのです。表現難しいですが、ヒグチアイの歌声演奏表情の組み合わせの相乗効果で、歌を聴くというよりは、世界観にひきずりこまれるというか。あ、ヒグチアイが歌っている!というよりは、あ、劇場だ!ぼく知ってる!みたいな。伝わるかな。ニホンゴむずかしい。

竹原さんが我々の感受性を1人1人鷲掴みにしてくるのなら、ヒグチアイは逆に歌の世界に吸いこんでしまう。歌うブラックホール。

表情が確認できたからかも知れませんが、情念をすごく感じました。あとのMCで「ちゃんと生きてきたかの確認」みたいな話していたけど、そういう意味合いも上乗せされていたのか?過去一の劇場でした。

ありがとうって言うのはこっちなんだよな...

一転して明るい歌。

おなじみの手拍子について諸注意のアナウンスを添えて。自分は相変わらず手拍子下手だったので、途中から手拍子から指拍子へ。なんか、いつもすみません。

そしてこののときも、毎度の楽しいだけの気分とはまた違って、ドラマのことを思い出して。また引きずりこまれました。あの時はラジオ聴いてたジェーン・スーと交差したの嬉しかったし、ドラマの撮影場所がうちに近くて、近所がしょっちゅう映っていたのです。放送直後は同じ場所をウォーキングしたり。YouTubeの再生回数をワクワクしながら毎日チェックしたり。

かわいかったなぁ、おれ。いまもかわいいけど。

なによりも、タイアップについて色々語るでお馴染みのヒグチアイが、これだけシンクロ率高い歌納品しちゃうんだ。やばいな。と思ったこと思い出しました。そして、このあとあの超ど級タイアップに道が続いているのも感慨深くて。

はい、怖い。

引きずり込まれて、あのお母さんや、さなちゃん思い出したくないから、うつむいて引力に抵抗していました。しかしこの切り替えすごいよな。しっかり恐ろしかったもん。

のときの明るいひぐちどこ行った?西武線で帰っちゃったのかな?というくらいの迫力でした。

そして悪魔の子が出陣。

素晴らしく仕上がった悪魔の子を堪能。竹原ピストルさんのみが目当てだった人に名刺代わりの一撃を食らわせたであろう一曲。

悲しい歌がある理由が続く。

生物を扱う職業なので、なかなか休みが取れない私ですが、今夏はなんとか一泊の弾丸旅行ができました。その際うちの迷惑系長女が往復の車中でひたすらヒグチアイを流す中でボソッと「最近、最悪最愛が良いんだよね」と。やっぱり職人さんの作り上げた作品って、色褪せないからちゃんと戻ってくるんですよね。ブーメランのように。今時のそこら辺に落ちてる言葉を集めて、耳障りだけで作った音に乗せ…いや、悪口やめとこう。

この歌もたくさん思い入れがある歌で。

その歌をたくさんの思いを込めて歌ってくれて。

なんで泣かないの?のくだりで思い悩んだ表情で歌い上げたあとに、傷跡が優しさに変わったあたりでは、少し笑みを含んだ優しい、そして強さを感じさせる表情になっていて。女優を感じさせるほど世界観を見せてくれました。こうなったら「働く女性三部作」の中で自分が大好きな距離を期待してしまいましたが、それはまた次回以降のお楽しみということで。

わたしはわたしのためのわたしでありたい

時間的にも曲数的にも残りわずかと思う中で、香るエースにとって人生の恩人ヒグチアイの沼に引きずりこまれるきっかけとなった歌が!その歌いだしを聴いたときには正直思いました。

これは泣く。

今日のヒグチはやばいから絶対泣く。

そのときにね。重なったのです。この歌を逆境に立ち向かうかのように力強い表情で歌い上げるヒグチアイと、この歌のMVの頃のヒグチアイが。あのときはどんな思いでこの曲を作ったのか?そして自分のことも。

誰のせいでもない
誰もいない
誰もくれない
誰もが背を向け
誰からも忘れられて
誰でもない

繰り返されるワードで思い出すのです。誰にも知られず一人で「絶対この日のこと美談として話してやるからな」なんて思いながら努力した日々のこと。それとセットで、過去のことを美談どころか雑談としてさえも言い辛くなった今の自分の惨めさ。

泣いた。

「誰かのために」の方が頑張れると思っていたけど、結果が出なかった自分には、わたしはわたしのためのわたしでありたい。という言葉にどれだけ救われたことか。

mmmは赤い照明の中で歌い上げて。

流行り病の最中だったら、激烈に気味悪かった都庁のアラート?を思い出して気分悪くなりそうだったけど、今となってみれば(完全には終わってませんが…)その赤さえも前向きな情熱の色と言うか、身体をメグル熱い血液の色と言うか。

そんな熱をまとった最高のmmmでした。出だしの感染者を関係者と間違ったのも一興。緊迫感しかなかったあの頃とは違うという感覚を味あわせてくれました。ラララも良かった!

新曲のわたしの代わり

もう遭遇は三回目かな?老いた脳でもこれだけ出会えたら少しはおぼえました。やめるなら今のように、鼓動を感じさせるピアノの音色の中、自分と向き合う言葉が並ぶ歌。らしさが全開です。

ここでヒグチさんの出番は終了。

Xで感想を検索したら、途中でピストルさんの曲の音を弾いた場面もあったらしいのですね。私は全くわかりませんでした。知っている人はゾクゾクしただろうなぁ。

ピストルさんのあと最後にコラボ的なものもなく、ここでヒグチアイさん、手仕舞いでした。歌とか音とかに加えて、情念が伝わってきたひとときを、本当にありがとうございました。

いつもかっこいいけど、この日は更にかっこよかった!

ヒグチアイ(MC)

色々お話されていましたが、新宿の話はあまり良い思い出でも無かった感じなので、別で一つだけ紹介していいですか。

あのですね。ある話の時に私は怒ったのです。怒りすぎたのかもしれません。

ライブレポで怒ったことなんてネガティブなこと書くのもどうかと思いますが、わたしはわたしのためのライブレポを書きたいので書きます。できるだけ感じ悪くならないように。この時点で感じ悪いけど(笑)

「竹原ピストルさんと一緒になる時は、自分の今までの生き方が正しかったか確認することになる」みたいなこと語られたあとに…

「私にはもう一人そういう人がいます」と言ったあと一呼吸おいて「それはおばあちゃんです」とひぐちが言ったわけです。そのあとの一部お客ちゃんの反応に私は怒り心頭でした。

何がおもろいねん(怒)

笑ったんですよ。明らかに何人か。いや、まじで何が面白かったの?本当に知りたい。何なら泣くところでしょ、感動して。

実はこの話で思い出すこともあって。あるライブの時におばあちゃんの話になって「むかし夜道を歩く時は、いつ襲われても抵抗できるように、鍵を手の中に握りしめていた」と言ってたという話があって、その話をひぐちがした時も少し笑いが起きたのです。

何がおもろいねん(2回目)

お前らにもばあちゃんいるやろ!と割と本気で怒ったんですよ。ブヒブヒと。思い出したら腹が立ってきたのでこの話はおしまい!

竹原ピストル

いままでヒグチアイの対バン相手と言えば、正直「はじめまして」の人多めでしたが。ピストルさんはちょっと、いや、だいぶ楽しみでしたねぇ。この日歌ってくれた歌も半分は知ってたかな?

特にアメージンググレースは偶然見たYouTubeで射抜かれて、何度も見ていました。実物はすごい迫力だったなぁ。浅い表現で恐縮ですが鳥肌が立ちました。歌う前の「替え歌って言うのも…^^;」はステージで何度も使っている鉄板でウケるワードなんだろうな、と想像したり。

最後のドサ回り数え歌も味があって良かったですねぇ。大相撲の相撲甚句で「地方を巡業で訪れた力士たちが、現地の皆さんとの別れを惜しむ」当地興行という甚句があるのですが、趣きがすごくその歌に近くて。魂を鷲掴みにしてくるような歌もあれば、こういう優しい歌もあって。

ほんと魅力ある人ですねぇ。自分もヌルい人生送ってきてない(はず)と思っているので、こういうタイプの歌うたいの方の発するワードに触れても「うん、知ってる」「そこは通りこした」とか思ってしまって、没入ってあんまりしないのですけれども、人としても魅力が凄い!そんなことを感じた夜でした。一緒に酒飲んでみたいな。

竹原ピストル。ヒグチアイがだいすきです!と言うのも納得です。

これ読んで「ぼくはヒグチアイがだいすきです!!!!」とリプをしようとしたのですが、家族に羽交い締めにあって、スマホをすみだがわに捨てられた上に、夕食抜きの罰を受けたので断念しました。

おわりに。

そんなわけで、今回のライブレポはそろそろ終わりにしたいと思います。この日はホントのホントのところ、スタンディングのことで1万字くらい書けそうなくらい自分と戦った夜でした。でも、そんな残念おじさんのライブレポも書き終えてみるとなんとか形になった(ような気がする)ので良かったです。

当日はあまりのスタンディング修行に対しての自信の無さに、一瞬(行くのやめようかな?)と思ったくらいでしたが、あんなに最高のヒグチアイ見せられたら、行って良かった。大丈夫。幸せ。と言うしかなくて。次回も参加できるように、日々すみだがわ沿いで3時間立ちっぱなしの特訓を自分に課そうと思います。

というわけで。

これからもいちいちライブレポ書くから!
(だから誰と戦ってるんだよ笑)

香るエース。

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