見出し画像

ひとりの人としてみてほしいだけ


昨日、父と恋人の顔合わせがあった。
父とは中学生の時以来ちゃんと話したことがなかったため、実に13年ぶりの、面と向かった会話で恋人より私の方が緊張していた気がする。


場が持たず、沈黙で気不味くなることはないだろうと予測はしていた。交際に反対することがないことも。


予想通り、父はたくさん話をして、それに応じて恋人も上手に相槌を打っていた。


だけれど、私はひとり身が硬くなっていくのを感じていた。
父が所々で「この子は俺の子どもだからこういう性格で〜云々」「俺に似て〜どうこう」と言ってるのが引っかかっていた。


父は私のことをそう話すが、私は父のことを昔からよく分からなかった。まず対話というのができない人だったから。


自分がこう思うというのがあれば人の意見を「それは違う」と抵抗なく真っ向から否定する。
私は、そう思うのは自由だけど、その人のその行為が、悪意を持ってしていることでなければわざわざ否定しなくても良くないか?と内心思っているところであった。


私はそんな父の話を恋人の隣でスコーンをもそもそ食べながら2階の、目の前が大きな窓だったので、たぶんものすごく遠い目をしながら聞いていた…
窓があって助かったなと思う

この子はこうだから、ああだからと血が繋がっているという理由だけで決められて休みなく習い事をしていたこと。


中学生の時に担任がコソッと「外にお父さんがいるんだけど…」と呼び出して、グラウンドに行くと父が周回を爆走してて、私たちに気付くと「自分はここの◯◯部で〜」と急に長話をし始めてすごく恥ずかしかったこと。


私が酷い腹痛で病院へ行った時、立っているのもやっとで一刻も早く座りたいのに受付の人に自分の仕事の話をはじめてなかなか座れなかったこと。


ああ、この人は
口では私のことを見てて理解しているように言っているけど、自分のことしか見えてない─────


と、ひとつ腑に落ちたのだった。



私にとっては苦痛な顔合わせだったけど、
長年向き合わず蓋をしていた感情に終止符を打てたのでそれは良かったと思う。


もうなにも期待しないと決めたから、たぶんもう傷付かない、と思う。そうだといい。


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?