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読書感想文

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印象の良い本は感想を書いています。ここで公開していきます。
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記事一覧

「般若心経」佐々木閑

これも「NHK 100分de名著ブックス」シリーズの一冊、再読。 「般若心経」は大乗仏教が広がり…

Kaoru
2か月前
1

「真理の言葉 ブッダ」佐々木閑

原始経典「クッダカ・ニカーヤ」のひとつ「ダンマパダ(法句経)」を元に大乗仏教以前の仏教に…

Kaoru
2か月前
1

小澤征爾×村上春樹「小澤征爾さんと、音楽について話をする」

2024年2月6日、小澤征爾さんがお亡くなりになられました。 世界のクラシック音楽界に偉大な業…

Kaoru
2か月前
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津原泰水「綺譚集」

初めて読んだ津原泰水の作品は「五色の舟」(『11eleven』所収)であり、これは漫画(近藤よう…

Kaoru
3か月前
1

中島敦「光と風と夢」

奇数章が、小説「宝島」や「ジキル博士とハイド氏」などを著したロバート・ルイス・スティーブ…

Kaoru
3か月前
5

「魂でもいいから、そばにいて 3.11後の霊体験を聞く」奥野修司

スピリチュアル、オカルト好きの趣味で選んだ本。その趣味を満足させる話が満載しており、やは…

Kaoru
3か月前
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三上延「同潤会代官山アパートメント」

とても良い小説でした。 作者の優しい文章がとても似つかわしいストーリーでした。 最後にはうるっと来てしまいました。 代官山アパートにおける、八重という女性から始まる四代にわたる一家の物語です。 八重と、関東大震災で亡くした彼女の妹愛子の元フィアンセである竹井光生との新婚生活が新築の代官山アパートで始まります。 それから時系列に代々の家族の姿が描かれていきます。 それぞれの掌編(八編あります)は史実に則って書かれています(巻末に記された参考資料が膨大)が、この史実は背景に

ポール・オースター「オーギー・レンのクリスマス・ストーリー」

 クリスマスの人情ものが好きで機会があれば読み、良い物は蔵書にしてます。  オー・ヘンリ…

Kaoru
6か月前
4

MONKEY vol.25「湿地の一ダース」

日本語では一字で表せても、英語だと何十種類で表さないといけない言葉があります(日本語でも…

Kaoru
6か月前
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トルーマン・カポーティ「ここから世界が始まる トルーマン・カポーティ初期短編集」

著者の十代後半から二十代前半にかけての掌編集。 習作のアーカイブから良いものを選び出し、2…

Kaoru
6か月前
4

空海「三教指帰」

空海が初めて著した書。三教、つまり儒教、道教、仏教のどれが一番正しいのかについて、それぞ…

Kaoru
7か月前
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中村天風「盛大な人生」

昭和30年代〜40年代にかけての天風会会員に対する講演録。上等な紙質、函入布張で90年に出版さ…

Kaoru
7か月前
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シュテファン・ツヴァイク「チェスの話」

facebookの宣伝で第二次世界大戦中のドイツだかオーストリアを舞台にしたチェスの映画がよく出…

Kaoru
7か月前
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ジャック・ケルアック「オン・ザ・ロード」

第二次大戦後における主人公サル(バドール)・パラダイスによる四度にわたるアメリカ大陸横断・縦断の旅行の記録です。 そして、ビートニクの記念碑ともなる作品です。 本人の体験に基づく作品とのことであるため、出てくる登場人物も実在者だそうです。 記録というのもおこがましくて、旅で起こった出来事の羅列ですね。 でも、それなりに大枠的ストーリーはあって、そもそもはサルの青春時代のドタバタ的通過儀礼の話なのです。 それから、旅行の記録と言うより、サル自身ばかりではなく彼の友人たち