三上延「同潤会代官山アパートメント」
とても良い小説でした。
作者の優しい文章がとても似つかわしいストーリーでした。
最後にはうるっと来てしまいました。
代官山アパートにおける、八重という女性から始まる四代にわたる一家の物語です。
八重と、関東大震災で亡くした彼女の妹愛子の元フィアンセである竹井光生との新婚生活が新築の代官山アパートで始まります。
それから時系列に代々の家族の姿が描かれていきます。
それぞれの掌編(八編あります)は史実に則って書かれています(巻末に記された参考資料が膨大)が、この史実は背景に