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幸せかどうかは、自分のこころ次第。ナミヤ雑貨店の奇蹟を久しぶりに読んで。

東野圭吾さんの「ナミヤ雑貨店の奇蹟」を、久しぶりに引っ張り出してきて読みました。2012年の出版時に買って読んだので、約12年ぶりです。

なぜ急に読もうと思ったのか、自分でも特に意識していなかったのですが、テレビでドラマの予告を見たとき「あっそうか」と気づきました。今期、7月から始まった山田涼介さん主演の「ビリオン・スクール」の予告を見たのです。

「ナミヤ雑貨店の奇蹟」は2012年の出版後、2017年に映画化されました。残念ながら映画は観ていないのですが、山田涼介さんが主演だったのを覚えています。そして、何気なく新ドラマの予告で山田涼介さんを見て、自分の意識が「ナミヤ雑貨店の奇蹟」にたどり着いた。と言うところでしょうか。こういうの、何て言うんでしたっけ。サブリミナル効果?

この作品は簡単に紹介すると、過去と現在がつながる不思議な「ナミヤ雑貨店」を舞台に、さまざまな悩みを抱えた人たちが悩み相談を通して自分の人生をつかんでいく、といったファンタジー要素の濃いお話です(かなりはしょってます)。

詳しい内容は割愛しますが、どの登場人物の人生も、基本的にハッピーエンドではありませんでした。叶わなかった夢、避けられなかった死、どうしようもなかった境遇、報われなかった恋・・・細かいところはかなり忘れていたので、「こんなヘビーな話だったっけ?」と、鳥肌が立ちました。

しかし、この作品は「東野作品史上、もっとも泣ける感動作」と謳われています。「現実はハッピーエンドではなかったけれど、登場人物たちはみんなハッピー」なのです。

悩み相談を請け負った主人公たちが言うように、どの登場人物も「自分の都合のいいように解釈して、結果オーライで感謝してる」(つまり、主人公たちはそんなこと言ったつもりはない)と言うのが実情なのですが、自分のこころ次第で物事は良くも悪くもなる、としみじみ思わせてくれます。

登場人物たちも、自分を納得させるために自分に言い聞かせているだけかもしれない。そんなこと、わかってるかもしれない。それでも、変えられない未来なら、自分のこころの持ち方を変えるしかないのです。

あまりに辛かったら現実逃避してもいい。勝手に都合よく解釈したっていい。幸せかどうかは、自分のこころ次第できっと変わると思いたい。いま辛い人も、過去を忘れられない人も、そしていま幸せな人も。

久しぶりに読んで、随分と印象が変わったことは新しい発見でした。自分が年げつを重ねたせいかもしれないし、webライターとして書く側の目線ができたからかもしれません。いずれにしても、本を読むことはいつも何か発見があって面白いですね。

「ナミヤ雑貨店の奇蹟」悲しく、優しい作品です。ぜひこの奇蹟をあなたにも。

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