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トルコ語脳をつくるには

(上の写真は、トルコの労働許可証 アンタリアに社長としていたころのもの 今は閉鎖してベルガマに移動したので労働許可証はもっていません)

このところ、何を考えているのかというと
どうしたら、皆がトルコ語を話してくれるのか、ということなのです。

でも、少しずつ交流会でもお互いに慣れてきて挨拶とかするようになってきました。

私はトルコ語を話すとき、日本語を話しているところと違う領域で話をしているんです。頭にトルコ語単語が浮かぶのでそれを使うのです。日本語は浮かびません。もちろん忘れて出てこない時もあるのですが、その時は違う言い方にかえます。

それで、そういえば私は「脳を知る」プロジェクトのメンバーだったこともある脳科学者でした。ちょっと細分野が違うけど、まあそう遠くはありません。

というので論文検索をしてみました。そうしたら、しっかりありました。
そういう論文が。

読み書きが堪能だけど会話は出来ないという人のMRI像と、バイリンガルの人のMRI像の比較がありました。CNNニュースとNHKニュースを聞いたときのウェルニッケ野への血流量をMRI像で撮影したものなのです。
前者は、いずれもウィルニッケ野に血流があるのですが、CNNもNHKも同じ部位に血流が増加していて、後者は英語と日本語でウィルニッケ野の別の部分に血流が発生するのです。

なぜこのようなことが起こるのかというとそれは教育システムにあって、「文法や読み書きを日本では重視しているからだ。」というのです。
うん。そのとおり。

逆に外国での外国語教育はどうなるのかというと、聴き取り訓練が重視されるのだそうです。

聴き取りをする脳の機能局在は、ウィルニッケ野というところで行います。聴いた言葉がどういう意味なのか、それを処理する部分になります。

口の筋肉を動かして話す方は、ウィルニッケ野よりも少し前方にありブローカ野といいます。いずれも左脳にしかみられません。

この論文によれば、ウィルニッケ野に外国語野(トルコ語野)を新設することが大事になります。
そして、大事なのは、聴き取りで早口、リエゾンそのままで聞くのだそうです。それを漫然ときくのではなく、声を出してついていく、人前なら無声で真似して聞くのだそうです。

決して文字をみて聞いてはならないというのです。

聞き終わってから、テキストを見て聴き取った内容を訂正する。これが聴き取り訓練なのだそうです。

一回に記憶できる瞬時記憶スパンは母国語は7秒。外国語は5秒以下。最低2.42秒の瞬時記憶ができないとその聞いている言葉の意味が理解できない。何度も繰り返して聞くと、瞬時記憶スパンは延びてくるのだそう。それを5秒まで伸ばせるように訓練をする、これがウィルニッケ野に外国語脳を作る大事なトレーニングなのだというのです。(これはやってみる価値がありそうです)

この論文では、面白いのは、直訳をしてはいけない、というのです。
つまり意訳ということ。そして、その日本語から、再び英語にするのだそうですが、ここで英語への直訳もダメなのだそうです。(ここはちょっと試しにやってみないと、効果がわかりません)

こういう聴き取りトレーニングを100時間以上やり続けると、正確に聞き取りが出来るようになってくるのだそうです。

それが、ウィルニッケ野にもう一つの外国語野を作れる方法なのでしょう。

そういえば、トルコ語を習い始めた10年ほど前、英語としばしば混線しました。いまは、英語領域とトルコ語領域は離れているのか、英語が混じることはありません。

しばしば、初級のトルコ語会話クラスでは英語の単語で話す学習者がいるので、なにも英語で話さなくても、と思いがちですが、脳の中で外国語という領域に格納しているからなのでしょう。学習時間が英語を越したころにトルコ語脳がウィルニッケ野に作られるのでは、と思うのです。

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