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朝食のような夕食、イタリア あるある

シチリア島の州都、パレルモからの発信。 ボンジョルノ。

日本で卵といえば朝食のメニュー。 アメリカやオセアニアでもそうでしょう。 生卵、卵焼き、目玉焼き、オムレツあたりが最も食卓に上ることが多いと思いますが、ポーチドエッグや温泉卵、エッグベネディクトなどなど、卵は色々形を変えて愛されていると思います。 どうして日本では朝食メニューに限定されてしまうのか? 勿論夕食に卵焼きが並ぶことはあると思いますが、それがメインではない。 あくまでも「副菜」の1つという立ち位置。

イタリアでは、そしておそらくフランスでも、卵料理はメインとして夕食のメニューに成り得ます。 

わざわざ「今晩は卵にしよう」と思うことはまずないけれど、冷蔵庫に他のタンパク質がない時、卵が登場。 もの凄く面倒くさくて、料理をする気がない時にも卵が登場。

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チーズ、炒めた玉ねぎ、マッシュルーム、パセリなどのハーブ類、残ったミートソースなど、なんでもオムレツの具として使え、便利。 日本やアメリカだったらこれらは朝食になるのでしょうが、イタリアでは立派な夕食として成り立ちます。 日本に住む主婦がこれを夕食に出したら、夫の反応はどうなるのでしょうね? 興味津々。

数年前にイタリアのオルヴィエートという街へ行った時、丁度9月のキノコのシーズン。 ポルチーニとトリュフを食べまくった旅行でしたが、レストランのメニューにもオムレツがありました。

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薄いオムレツ、イタリアで言う「フリッタータ」という代物に、トリュフを山のようにすりおろしてくれました。 この味、忘れられない。

シチリアのレストランでメニューにオムレツの文字を見ることはないのですが、北イタリア、そしてフランスでも夕食に卵を出すお店が沢山あります。逆にイタリアでは朝卵を食べることはありません。 ホテルの朝食ブッフェに並んでいたら手を出す人もいますが、イタリアの朝食というのは調理したものを食べる習慣がないのです。 コルネットというクロワッサンに近い物や菓子パンとコーヒーかカプッチーノでおしまい。 非常に不健康な朝が始まります(笑)。 それにせいぜいヨーグルト? 朝からフルーツやサラダなどは、少ない例外を除いてあり得ません。 

昔フィレンツェに住んでいた頃、寒い冬の朝に前日の残りの野菜スープを温めて食べていたら、当時付き合っていた男に「朝から何食べているの?」と、かなり驚かれたことがあります。 そしてその後、会う人会う人に「彼女は朝から野菜スープを食べるんだよ」と言いまくり、その度に友人達から不思議な目で見られたことがありました。 別に普通でしょ?

夜食べるオムレツ、決して悪くないですよ。 でもどうしても先入観とか思い込みとかがあって、日本では浸透しないと思いますが。 これで夕食が成り立つのであれば、世の中の主婦の負担が減ると思うけどなぁ。


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