見出し画像

思い込み事情、じゃがいも好きと言えば、どこの国?

シチリア島の州都、パレルモからの発信。 ボンジョルノ。

子供の頃、フレンチフライが好きだった。 家で揚げてもらった記憶はなく、フレンチフライと言えば、マックかケンタッキー。 当時確かサイズ小が100円くらい? それで足りる事はなく、もっと食べたいのにいつもサイズ小一袋しか買ってもらえなかった覚えがある。 いっつも物足りない。

中学の頃、神谷町にある「アメリカンクラブ」の会員だった母の友人に誘われて、クラブのプールへ行った時、ランチにハンバーガーを頼んだらお皿からはみ出すほどのフレンチフライが付いてきた。 アメリカのテレビドラマや映画で見た事はあった、そしてその度に羨ましく思っていた山盛りポテトが現実に! 実際に目の前にして、狂喜乱舞の私。 あの時が人生で初めて、「もう十分」と思うほどフレンチフライを食べた経験。 強烈だったなぁ。

それから何故か、本で読んだり人の話を聞いたりして、「イギリス人とドイツ人はじゃがいも好き」と、思い込んでいた。 なんとなくそう思っている人は多いと思う。 フレンチフライに限らず、イギリスならローストポテトや茹でじゃがいも、ドイツはやっぱりジャーマンポテトかな?

ところがところが、イタリアに住み始めてから分かった事の1つに、イタリア人はかなりじゃがいも好きだという事がある。 住み始めたフィレンツェでは、ミラノ風カツレツやローストチキンの付け合せにフレンチフライを頼む人が多かった。 「大人になってからわざわざ食べようとは思わないフレンチフライ、イタリア人は大人になっても食べるのね」という感じで、驚いた。

その後シチリアへ移ったら、更にここの人達のポテト好きにびっくり。 なんと前菜の欄に「フレンチフライ」があるのだから。 レストランではそれ程でもないけれど、ピッツェリアやカジュアルな店では必ずと言っていい程メニューに載っている。 付け合せではなく、前菜? こんなの食べる人がいるのだろうかと思ったけれど、いるからメニューに載っているのよね。 前菜にフレンチフライを食べるという発想、どうしても理解できなかった私。 友人達とピッツァを食べに行くと、9割の確率で前菜に「揚げ物の盛り合わせ」を頼む事が多い。 この「揚げ物の盛り合わせ」とは、フレンチフライを中心に、コロッケ、モッツァレッラのフライ、オニオンリングなどの事。

画像1

こんな感じ物が出てくる、因みにこれは1人分。 勿論6人で2人前位のオーダーとなる、こんなの一皿食べちゃったら、とてもではないけれどピッツァの入る余裕なくなっちゃう。 と言いながら、シチリアスタイルにすっかり慣れてしまった私は皆んなと一緒に食べてる(笑)。

付け合せに頼む人も多いけれど、最初から付いてくる場合もあり。 基本的には「付け合せ」は独立したカテゴリーで別オーダーだけれども、近年ワンプレートになっているお店も出てきている。

画像2

これは結構人気のあるカジュアルな店、チキンが売り物でその他ハンバーガーやピッツァなど。チキン半身のローストに、この量のフレンチフライ。 勿論1人前。 驚きのポテト好きシチリア人。

そういえばフランス人もじゃがいも好き。 フランス料理と言えばメインの肉か魚の横に、きれいに盛り付けられたガーニッシュ。 と、昔は思い込んでいた。 でも実際はそうでもない。 勿論高級レストランはそうでしょう。 でもカフェやビストロでは付け合せにフレンチフライというのが圧倒的に多い気がする。

画像3

画像4

画像5

なんとなくメインのお肉と同量のフレンチフライ。 凄い。

ヨーロッパ人、どこの国も人もじゃがいも好きなのね。

因みにフレンチフライの発祥の地はベルギーだそうで。 ベルギー人の友達が、フレンチフライにつけるケチャップの種類も沢山あるんだよと言っていたっけ。

そうそう、ドイツでは大抵付け合せにじゃがいもがあるから、パンは一緒に食べない。 しかしシチリアではたっぷりポテトが付いていても、それとは別枠でパンも食べる。 更にパスタも食べて、炭水化物嵐になってるのが現状。

皆んなで分け分けしても、前菜に「揚げ物盛り合わせ」をつまんでしまうと、美味しいから目の前にあれば手を出してしまうから、肝心のピッツァは完食できない事が多い。 この習慣、やめようか・・・。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?